神が支配してる国だってさ
目が覚めた俺が見た光景は見渡す限りの草原だった。
上を向けば青い空白い雲が静かに流れていてとても心地よい風が流れていた。
ここは異世界なのか?あまりにも居心地が良い場所だし、もしかしたら実験中にトラブルがあって
俺は死んでしまったのかな?つまり天国なのかもしれないな。
そんなことを考えながらもあまりにも心地の良い天気なのでどうでもよくなってうとうとし始めた。
そんな時突然女性の声によって目が覚めた。俺は童貞だからその辺は敏感なわけよ
目の前にいる女性はおそらく20歳位の綺麗な女性だった、金色の長い髪をなびかせており、目の色が赤っぽくて
すごくきれいだった、俺は口を開けたままつい見とれてしまっていた。
「あなたは見ない顔ですがアステラル教には入っている方ですよね?」
俺は突然わけのわからないことを言われて目が点になってしまった。
「あなた、まさかアステラル教をご存じないんですか?」
「ええ、まあ。」
俺は正直に答えたところ美少女の顔がみるみる曇り始めた
「アステラル様を知らないってこと?あなたどこから来たの?この世界の人間で、アステラル様を知らない人なんているわけないのよ」
俺はどう対応すべきか困っている。まさか異世界から来ましたなんて言えるわけないしな
「じ、実は、気が付いたらここにいてなぜここにいるのか記憶がないんだ」
苦し紛れのウソをつくしかなかった。
女性から安どの表情が戻った。
「そういえば自己紹介がまだでしたね、私の名前はユウノっていうのよろしく。あなたは?」
「お、俺は...俺の名前はカイト、カイトって呼んでくれ」
ユウノか!すごい美人な人だな、この世界?異世界なのかまだ分からないけど、俺と付き合ってくれないかな、
もうどの世界の人間でも可愛い女性なら大歓迎だよ。
などと言う事を考えている38歳童貞の異世界旅人であった。
とにかくここがどこでアステラル教とは何なのかいろいろ聞きたいことがあったのでユウノが住んでいる村まで
案内してもらっている間俺は何度も質問を繰り返した。
で、わかった事はここはやはり異世界の可能性が高いってこと、可能性が高いってのはまず、俺が知らない世界だってこと
現時点で俺が死んで転生したのかなんてわからないって事、そして最後に天国や地獄だとしても誰も見たことないものなんで
証明ができないので断定ができない、だから異世界ってことにした。
そして、アステラル教ってのはこの世界の神様らしい。で、アステラルがこの世界のすべてを支配している
だからみんなアステラル様を知らないわけがないってことみたい。
しかしこの世界は見てる限りめちゃめちゃ平和そうだし、RPGでよくある世界観だけど
モンスターとかはいないみたいだしいいところだな。
まあなんか宗教がらみの変なことがありそうなのが気になるけどね。
「ここが私の村よ」
俺の第一印象では神に支配されてる様には見えないだな。
そう言えば来る途中ユウノに何が暴れるなとか、何か書かれても記憶喪失なのでごめんなさいで通せって何度も言われたけど、現世のいつも通りの俺でいればいいだけだし問題ない。
「ここがユウノが住んでる村なの?まったく人の気配がないように思えるし、まったく活気が感じられない」
「そうよ、人はちゃんといるしみんな生活してるわよ」
確かに人はたくさんいた、しかしまったく活気がない、まるでゾンビのようだ
ユウノの家に着くまで何人かの人たちに会い挨拶をしてみたが、何の返事もしてくれなかった。
俺のこと見えてんのかな?異世界から来てるしもしかして見えない説出てきた!
ユウノが見えてるしそんなことはないと思うが。
詳しい状況はユウノが家についてから教えてくれた。
てか、俺女の人の家行くの初めてだよ!やべーすげえどきどきしてきた
こんな状況元の世界では一度も縁がなかったからテンションあがってきたわ!
そんな俺の気持ちなんて関係なくユウノは話し始めた。
「この村は、この世界は神が支配する国なの、さっき言ったアステラル様が神様で、そのアステラル様をすべてを管理しているの」
話によるとアステラルってやつがこの世界の天気であったり、季節とか、人間の行動や、感情、何をするか全て決めてその通り動かなきゃいけないらしい。神様がボードゲーム感覚で支配知ってるって感じだな。一応みんな自我はほとんどないらしい、ユウノみたいに自由に行動できる人はほとんどいないらしい。ゲームのバグみたいなものでそういう人間の存在に、アステラルは気づいているかわからないけど、ユウノはとりあえずおとなしく従っているみたいだ。
もし反逆しようものなら神の人形である人間たち殺されてしまうって、恐ろしい話だ。
「でもこの世界も50年くらい前はみんなそれぞれの個性があって人間らしい生活をしてたって本で読んだわ。私は自我が残っているし何とか神をしたいけど」
「そのアステラルってやつゆるせないな!何様だよ」
そのときどこからともなく声が聞こえてきた。
「みなさん、サイリス村の旅人かなんかわからないやつが神を殺すなどとほざいています。早く殺しに行ってください。」
俺はユウノの家を出た瞬間、見覚えのある場所に出た。
そう自社だった。