♦4 時空を超え
元の世界に戻る方法を探している。
1日野宿した。
その間に色々考えた。
“転生して帰ることができる説”
と
“時空龍で帰れる説”
を思いついた。
《あぁ、それなら転生して帰れる説が有力だ。
時空龍で帰れる説を試してみるか?》
試すか。
「時空の咆哮」
異次元空間を作った。
入ってみると、日本が目の前にあった。
だが、俺の予想で行くと、山田龍一という人間は戸籍上死んでいるはずだ。
このまま戻ると、ジンという異世界人が存在するということになってしまう。
面白いがこの案は却下だ。
転生の案で行こう。
《だが転生は王の城の地下にある鏡からしか出来ないぞ。》
悲しい。
《今情報を漁っていたが、任意の場所に転生出来るらしい。だが残念なことに使用するごとに鏡は割れるらしい。その鏡は破片となり世界に散らばる。》
...ん?
今すごい爆弾発言したような気がしたが?
え?鏡が破片?
任意の場所?
はい?
《二回説明しないぞ。》
だが、理解は出来た。
破片を探せ。
それだけだ。
破片は九つあるらしい。
一枚目から順番に
第一の鍵、第二、第三、第四、第五...
と名付けた。
とうとう真なる目的を決めた日だった。
俺、光は
水晶に映る俺———もとい龍一。
「やっぱりあいつは記憶なくしてるのかな。」
あいつは親が死んで、知らない人に拾われた。
その後、時空に迷い込み、あいつは一度この世界に来た。
その時にクソみたいな魔導師に精神を分裂させられ、俺と龍一という存在に分裂した。
あいつはその出来事の記憶を消された。
俺の能力は改変。
この世を思うがままに操作できる。
対象を支配することなどは出来ない。
「面白い事になりそうだな☆」
そう言った光———この世界の王は唇を舐め、笑う。
「俺を吸収してくれたら元の記憶戻るのにな☆まぁいいか。頼りになる俺の記憶だけもどしてあげよーっと☆ラト。教えてあげて☆」
鏡だけは使わせない。
俺を吸収させるまでは。
そして、元の世界を破壊しようとしている元凶を殺してもらう。
楽しみだ。
ラトにはかなり働いてもらっている。
入れ知恵に気づかないあいつもあいつで馬鹿だ。
「ラト。鏡の場所には番人達を置いておいたからラトが力を発揮してね☆」
「全く。貴様はジンの精神とは思えないほど能天気だな。分かったよ。俺が本気を出せって事だよな?」
「うんうん!そーゆーこと☆」
「貴様。ジンを救ってやれよ。」
そう言い残し、空間に消えていく。
「はぁー。やっぱ楽しみ☆」
そう言って王室のベッドで横になる。