♦2 少女と同期
《お前、異世界人探しとかしてみたらどうだ?》
とは言われても分かるものなのか?
《俺の能力で出身見分けられるぞ》
早めに言って欲しい。
《とりま街へ行くぞ》
おう
《ちなみにお前山に転生してから7年寝てたからな》
まじかよ
奴隷だけではなく、住民が村からやってきた。
やっと勇者っぽいことができそうだ。
《俺もジンでお前もジンってわかりにくいな》
たしかに。
じゃあお前はジンじゃなくてラトな。
《俺の進化を確認した。瞬時情報把握を獲得。》
《ちなみにお前も進化してるぞ。》
ステータスを確認した。
すると、
氷炎龍から、龍勇者になった。
まさかの状態の使用回数で変わるのか!?
《かもな。》
新たな街に行き着いた。
勇者っぽいヤツがいた。
「勇者テトラだ!!」
市民が煩い。
思念伝達で話しかけた。
【お前は日本から来たか?怪しいものではない。】
伝えると、テトラがこちらを向いた。
美女だった。
どこかでみた顔だった。
———お兄ちゃん!
私は、ある人に山火事から助けてもらった。
お礼を言いたかった。
だが、何年経っても見つからなかった。
昨年、自殺をした。
いじめなどのことでだ。
そして、恩人に会えると思った。
だが、見えたのは、醜い景色。
何度も見た青空の下にまた生まれた。
私は、この世界でお兄さんを探す。
そう決めたのだ———
テトラが気配を消し、こちらへ来る。
「どうしたんですか?」
小声で話しかけて来る。
とりあえず隠れよう。
「もしかして!おにいさんですか!?」
「...俺の名前はジン。龍勇者のジンだ。
元の名前は山田龍一。」
「すいません!知り合いに似ていたので!」
俺はとりあえず存在を隠していた。
「私の名前はテトラ。覚醒勇者のテトラです。元の名前は澤口キララです。」
あの時助けた子は、思ったより胸があった。
俺が好きなのはひんぬーだから好きになられても困るのだが...
って、そんなことを考えている場合じゃない。
「俺の国に来ないか?」
「え!?ジンさん国を作っていたんですか!?」
俺の国ではない。
俺はあくまでも旅をしているのだ。
国王はまだ決めてない。
「まぁ国王は誰もいないんだけどね...」
俺の国ではないことを主張した。
「じゃあそこに住みますね!」
即、決定。
国王になるべきものは、まだいない。
異世界人から決めようと思っている。
帰ったら住民の中にいるか探そうと思う。
———冒険者ギルドというものを作った。
冒険者ギルドは、冒険者の集まる場所だ。
宿屋、よろず屋、薬屋や、武器屋も作った。
国の了承も得たので作らせていただいた。
これから全国に展開していってもらう。
ここは、冒険者ギルド本部だ。
俺はギルドマスターになった。
だが、基本的に俺は不在なので、代理でテトラに任せておいた。
人がここへ集まって来ている。
そろそろ異世界人レーダーを使おう。
すると、男の真面目そうなヤツがいた。
そいつを、誘導した。
「え!お前同期じゃん!」
「あ!山田さん!」
「イェーイ!」
ハイタッチをするほど仲がいいこいつは、英雄ギルス。
元の名は、谷口直樹。
「お前、この国の国王決定な。」
「えーまじですか!?」
「まぁほぼやることないし!」
「了解です。」
人の増加に合わせて家と国の範囲を増やし、氷を溶かした。
俺は未だに仲間がいない。
テトラを勧誘しようと思う。
勧誘したら、「戦ってくれるならいいですよ!」
といってくれた。
ここは、決闘場。
観客は千人以上。
「ま、俺に勝てるわけねぇと思うけど。」
《調子にのるな》
わーってるよ
「龍化」
俺は、久しぶりに龍の姿になった。
称号が、時空の龍になっていた。
「ジンさん!?!?」
「どうしタ」
みんなが驚いている。
そりゃあ信頼してた建国者が龍だもん。
「ハジメルゾ」
この喋り方は演技だ。
「まぁ、この姿で戦うのは理不尽だな。」
そう言って人型に戻る。
パチン、と指を鳴らす。
「まぁ時止めるのも理不尽だな。」
テトラの足の長さぐらいの氷を作り、破壊した。
パチン、もう一度鳴らすと動き出す。
「ぎょえええ」
目の前に氷が現れたのを不思議に思ったようだ。
そして、テトラを誘導し、氷を壊したところへ連れて行く。
「戻れ」
そういうと氷が元に戻り、テトラの動きを封じる。
ワァァァァという歓声が聞こえる。
信頼を取り戻した。
「ジンさ...ん解除してください」
忘れていた。
「はぁ、はぁ、驚きましたよ。いきなり氷出て来たり龍になったり」
そりゃ驚くよな。
《使いこなせているな。》
そりゃあな。
「完封されたけど仲間になりますよ!」
ワァァァァアと歓声がまた上がり、ニュースになる。
ちなみに言ってなかったが、スマホのアプリは転生なうしかない。
転生と同時に消えたらしい。
「まぁ何はともあれ仲間ができた。」
これはこれでありだと思う———
言い忘れてたけど戦闘シーンのとき基本ラト喋りません。