エッセイって何を書いたら良いのかって? お答えしませんできません。
皆さんこんにちは。エッセイってなに書いたら良いのか分からないって、方はいますか?
私とおんなじです。よろしくお願いします。
今日はエッセイな気分だったのでエッセイを書くことにします。エッセイってなんですか?
ちょっと待って下さい。調べてきます。
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数分後。
エッセイとは随筆、すなわち『見聞・経験・感想などを気の向くままに記した文章。漫筆。随想。エッセー。「――家」』(『広辞苑 第六版』より引用)
……らしいです。気分で書けって事ですね。たぶん。
随筆の「随」は「まにま」って読むんですよね。「隋に」で「まにまに」になります。古典で見たことあったんですが、その時はまにまにって音が印象に残ってました。意味は成り行きで、とかそんな感じでした。「筆の成り行きで随筆」って事ですかね。ちょっとカッコよくてロマンチックですね。私はこの響きが好きです。間違ってても保証しませんけど。
筆の成り行きか……。じゃあ成り行きで書きますね。
「人ってどこから来て、どこに行くんだろう。」
人はどこから来たのか。高校の家庭科の授業で習ったのですが、人間って自分の体温のプラスマイナス10度までなら気温に関係なく体温を保っていられるそうです。それでいくと、私の平均体温は36度ぐらいだから、気温が26度~46度までのところで生活できるんですね。どう考えてもおかしい。26度はともかく、46度はダメです。熱中症でぶっ倒れます。でもこれって全裸での話なのかな。もし、世界中の人間が服を着ていられなくなったら、平均気温が一年中昼夜を問わず26度~46度の所じゃないと生きていけないみたいです。きっと赤道直下のところぐらいしかそんなところないですよね。世界中のみんなが赤道直下に集まって生活し出したら、熱帯雨林が狩尽くされてしまって。
私はその時には宇宙人と友達になっていますので、宇宙船でぽかぽかのお布団にくるまれながら、自分が今まで過ごしてきた地球を眺めてるんです。そこで、あれ? と気付くわけです。
「丁度赤道のところが、地球儀みたいに赤くなってる。」
私が疑問に思ってると宇宙人の友達がその理由を教えてくれました。
「ああ、人間があそこに集まって、森を刈って家を建てたんだ。屋根が日光で痛んでしまわないように赤土を乗せてるんだよ」と。
私はへぇっと思って、母星を眺めていました。そこで、ふと疑問に思います。
「人間が1ヵ所に集まったらどうなるのでしょうか?」
そんなどうでもいい疑問も、テレパシーで伝わってしまう。彼はとっても親切で一々答えたくれるのです。
「このままだと、その内戦争になり、殺し合って人が減るでしょうね。その人の肉が栄養となって大地を潤し、また森が出来ていくでしょう。細い国がずーっと続いて行くのですが、海や山で阻まれているので、全てが統一されることはありません。また、その内氷河期が来て、人類は地下に潜って生活するか、滅亡するかの二択に迫られます。どちらも生き残る道ではありません。進化する以外に道は無いのです。」
そうですかぁ。私は一つ欠伸をして地球を見つめていました。皆さんはどうして私だけこんな抜け抜けと、って思われてるかもしれませんが、理由は簡単。これが私の妄想だからです。私が生きてないと、この妄想も終わっちゃうからです。死んだら、その後の事は分かりません。だから、ちょっと我慢して下さいね。
その内宇宙船はそーっと地球から遠くなり、青い星が見えなくなっていきます。私は誰の事も忘れていましたが、ふと思い出して友人に尋ねます。
「あの、私も服は着れないのですか?」
さすがに裸は恥ずかしいです。でも、友人はきっぱり答えます。
「あなたも人類なので服は切れません。ただ、お布団は大丈夫みたいなので、どうぞ、そのまま包まっていてください。」
「そうですか。」
私はため息をついて残念だと思いました。それが、彼に伝わったのか彼は優しく声を掛けてくれます。
「ごめんなさい。私にもどうしていいかは分かりません。しかし、この部屋は清潔で、危険な生物やウイルスは皆無ですし、室温はあなたの体温に合わせて最適なものになります。体調が悪くなったらお医者さんに見て貰うことが出来ますし、暇でしたら、パソコンや雑誌、マンガなども置いてあります。これらは人類が作り出したものとして我々の間でも人気が高いので、ありとあらゆるものを揃えています。何かあったら私に行って下さいね」
「ありがとうございます。」
私は心底感謝しました。感謝せざるを得ない条件です。生きて行くのに、これ以上不自由する必要があるでしょうか?
「では早速……あの、お腹が空いたのですが」
「はい。少しお待ちくださいね。」
彼はせっせと準備してくれました。テーブルと椅子があって、私は行儀が悪いけど布団にくるまったまま席に着きました。ナイフとフォークとお箸があって、その中央にはお皿に乗ったハンバーグが置いてありました。
「あ、おいしそう。」
「そうですか? このようなもので良ければいつでも用意しますよ。」
「ありがとうございます。それでは、いただきます。」
私はナイフとフォークでハンバーグを食べています。その様子を彼はじっと見つめています。ちょっと気になったけどここまでしてくれたから、と気にせず食べました。おいしかった。
「ごちそうさまでした。」
私が食べ終わると、彼は食器を持って行ってそのまま部屋を後にしました。扉の前で振り向いて
「何か困ったことがあったら、いつでも言って下さいね」
と、笑顔で言ってくれたので、私はうなずきました。彼は部屋を後にします。
私は宇宙船の中で窓の外を眺めます。そう言えば、どこかの国の大富豪は、自分のペットにも高級なものを与え、人間と同じように接するようにしていましたね。きっと私は絶滅危惧種になった人類として、もっともな待遇を受けているのかもしれません。
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さて、宇宙船の中に居ても暇なので、エッセイでも書こうかなと思った次第です。人類は滅亡するか進化するかの二択に迫られたのですが、私は人がどこから来たのかについて書きたくて。
地学の先生がこう言ってました
「僕らは綺麗に言えば星の子供。悪く言えば星の出したゴミ」
これには理由があるわけで。気分を悪くされたらごめんなさい。先生がこう言ったのは、宇宙の始まりが何もないところから、そこから水素原子が出来て、寄り集まっていって、星が出来たから。星が燃えているのは、燃えているであっているのか微妙だけど、核融合反応によるもので、そこからヘリウム原子になり、リチウムになり……。星が私たちの体を作っている原子を生み出していったから、「僕らは星の子供」らしいです。凄くロマンチックでいいな。でも、ゴミって言われるのは嫌ですね。
普通の核融合反応では鉄原子までにしかならないそうです。それ以上の原子は、星が死ぬときに出来たそうで。私たちが何気なく使っているものは、星の一生の終りが生み出したもの。「星の死骸」なわけですが、そう言うのも芸が無いので「星の涙」ってどうでしょう。だめかな?
人が生きる意味を星に聞いてみたいです。私は、星が生きた意味が、私が生きる意味になる気がします。自分でもなんて言っていいか分からないのですが、私を産んでくれたのが、星の生きた意味なら、私も何かを生んで、それが生きる意味になればいいなって思うんです。金とか銀とかそう言うのは残せないけど、こう、ちょっとだけでも世界を形作りたい。誰かのほんのちょっとの一部になりたいって。
だから私は今を書いているのでしょう。私の書く意味も生きる意味も、そこになっていくのでしょう。
生きているから何か残したい、って。
今の、何か大きなものに飼われているような私だって、生きてきたんだって。
私の中から生まれたものは、生きているんだって。そう思って貰いたくて。
誰の読む人も無くとも、書いていこうって。
生きている意味は生きているからこそ残せるって、矛盾を孕みながらも私はこれで十分です。
誰もその歩みを止めないのだろうし、私も止めたくない。ちょっとずつでも前に進もう。
そう思った時には、もう世界はありませんでした。
以上、宇宙のとこねがお送りします。