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涙の自殺
「あのっ……」
怜さんが思いきったように僕を見る。
僕が返事の変わりに目線を送ると、彼女はうつむいて髪の毛をいじった。
それから、聞く。
「涙が自殺した原因、知ってますか……?知ってたら教えてください……!」
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涙は無口で、不必要なことは話さなかった。
しかし、自分の気持ちは素直に言うものだから、みんなからは嫌われがち。
涙の目は冷たく、鋭い。
勉強は良く出来て、運動神経も良い。
友達は少ない。
そんな涙と、なぜ僕が仲が良いのかなんて、良く分からない。
あの自己紹介のときに少し喋ったくらいで、ここまで仲良くなれるものだろうか。
それはともかく、とにかく涙は人から嫌われていて、でも僕は特別だったんだ。
そんな僕にも教えてくれなかった秘密。
それが涙にはあった。
そのせいで、涙は死んだ。
自ら命を投げ捨てた。
僕は、涙を救ってやれなかった罪悪感と、涙がした行為を許せない気持ちとで、今も揺れ動いている。
そんな中でも、ずっと考えてきた。
どうして自殺したのか。
もちろん、答えはまだ出てないんだ。