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涙と怜
「涙と……苗字が同じ……」
僕は呆然として呟く。
涙のしたこと、まだ完全に許した訳じゃないけど。
涙と繋がりがある人は特別は人に見えた。
「涙のこと……知ってるんですか」
怜さんが落としたタオルを静かに拾う。
僕はその動作を見ながら答える。
「はい。中学からずっと友達で、いわゆる腐れ縁というやつでした」
「じゃあ、涙がよく話してたのはやっぱりあなたのことだったんだ……」
怜さんがタオルをたたみながら言った。
さっきから怜さんは、涙と言っているが、怜さんと涙はどういう関係だったのだろうか。
僕はそう思い、口を開いた。
「あなたは涙とどういう関係何ですか?」
すると、怜さんはたたみ終わったタオルを僕に渡した。
そして、うつむく。
「涙と私は従兄弟でした……。でも、兄弟みたいなものだ、と言っていいほど仲が良かったんです…。」
そうか……。
僕はショックを感じていた。
涙は一言も言わなかった。
従兄弟の存在も、その従兄弟との仲も。
涙は元々あまり話さない人ではあったが、そういうことは教えてくれていた筈だった。
なのに。
どうして……。