胡蝶の夢
だんだんだんだん
世界が形づくられてゆくのを感じる
おぼろげながら覚えている過去は
とてもとても愛おしく
とてもとても悲しく
これから作られる未来には
絶望しか感じなかった
「ようくん、どうしたの?」
「えっ、なんでもないよ」
どうやら僕はようくんというらしい
そして隣にいるゆうちゃんは
僕の恋人だ
「今日はなにするの?」
「うーん、わたし遊園地にいきたい」
「わかった。じゃあいこう」
ここではゆうちゃんのいうことは絶対だ
愛しいゆうちゃんのお願いを
聞かないわけがない
どうやら
もう入場したらしい
ゆうちゃん好みの
こじんまりしたかわいい遊園地だ
「なにから乗るの?」
「はじめはメリーゴーランドね」
ひとつだけ僕のわがままを聞いてもらい
ゆうちゃんの苦手なジェットコースターに乗ることにした
「ほら、目あけて、きれいだよ」
「わぁーきれいっっきゃーーー!」
悲鳴をあげて僕にしがみつく
ゆうちゃんがかわいくて
彼女が一瞬見せてくれた笑顔に
僕はまた惚れてしまった
「こわかった」
「あはは、ごめんね」
「もう、二度と乗らない」
そういってそっぽ向く彼女も
またかわいくて
どんどん彼女を好きになっていく僕は
胸の奥がとても苦しかった
「ごめんね、ほらアイスでも食べよう」
「うん、あっあそこにある」
僕がいってみると
すぐ目の前に店があった
店の前のテラスに座って
アイスを食べ始めたゆうちゃんを
横眼で見つめながら
僕はどうしても未来のことを考えてしまう
今回はいつまで一緒にいれるのか
今回はどこで終わってしまうのか
前回の記憶があるのが
良かったのか悪かったのか
僕にはわからなかった