7/10
会話
「ごめんね、待った?」
「うん。また迷子になったの?」
「えへへ、ごめんなさい」
「いいかげん覚えてよ、いつも同じ場所で待ち合わせなのに」
「それよりどこ行くの?」
「今日はどこにも行かない」
「え?」
「話があるんだ」
「なに?」
「僕たち別れよう」
「なっ、なんで!!」
「そんなのキミが一番よく知ってるだろ」
「やっぱり、私のせい?」
「キミのせいじゃない」
「でも!!私が、私が…」
「僕のことを幼馴染としてしか見れない。そうだろ?」
「でも!!それでもいいからって!!あなたが!!」
「前はそう思っていた。だけどもうだめなんだ」
「…」
「だから前の、もとの幼馴染に戻ろう」
「戻ろう、って」
「付き合っても手をつなぐことくらいしかしなかったし」
「…そうだね」
「なにも、何も変わらないさ」