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虹色滴  作者: 桐 菊之
むらさき
1/10

日常




夢を見た。


それは、現実にはありえないこと。
















「ゆうちゃん、おーはよ」

「…?」

「どーしたの?ゆうちゃん、ぼけっとして」






そうしてあなたはベッドの中のあたしをのぞき込む

窓からさす日の光が少し眩しい






「ふぁー。もう少し」






冬の朝は少しキライ。

ベッドの中が心地よすぎて、冷えきった部屋に出たくなくなるから






「だーめだよ!ほらおきて、おきて」






そう言って、あなたがあたしの布団を無理やりはぎ取る






「う、さむーい」






まだ目覚めていない私は、熱を含んだものを求める

それは、必然的に1つにしぼられているから












ぎゅっ…


「あったかーい」






いつものようにあなたを抱き枕にしてもうひと眠り






「ゆうちゃーん、はーなーしーてー」

「まだねむい」






いつもと同じ冬の朝

寒さを理由にあなたに触れられるから

あなたとすごす冬はスキ。






「しょーがないなぁ。少しだけだよ」

「くすくす」








ねぇ、知ってる?

実はあたし早起きなんだよ

窓からさし込むやさしい朝日が目覚るのにはちょうどよくて

いつもあなたの寝顔をみてるんだよ


そうしてあなたが起きたら寝たふりするの






「ねぇ、二度寝すき?」

「好きじゃないよー、いつもゆうちゃんが勝手に引きずり込むだけだから…」

「あたしは、すき」

「知ってるよ」






ほんとうは知ってるの

無理やり布団をはぎ取ること

いつもあたしに抱き枕にされてること


わざと少し早く起こすことも






とってもあったかいベッドの中

あなたとすごす冬の朝


これがあたしたちの日常だった。
















けれど、これは夢。

どうやったって戻れない過去。














あたしはあなたを殺してしまった。






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