どうでもいい話
「――見に行かないのか?」
聞こえていたが、無関心を装う。答えたら本当の気持ちがバレてしまいそうだから。声だけでも気持ちを察する人がいるから。
窓から数日前までいた、あの星の方角を眺め続けると、相手も強く言うほどでもなかったのか、それ以上何も言わずに離れていった。
どこに行くのか、何をするのか。誘われていたのだから、行き先も内容も分かっている。
向かう先は処刑場。そこで行われるのは銃殺。執行するのは我が軍。されるのは反逆者の一族。
今日が生きた状態で、彼と顔を合わせる最後のチャンスだった。
――その頃私はまだ任務をこなしていて、最初の印象はうるさい男だった。彼に限ってではなく、今までの相手と一緒という意味で。違ったのは押し付けがましさだ。他のナビゲーターは集中出来ない、といえば業務連絡以外は黙ってくれたものだが、この男は違った。
『うっわ、嬉しいな! アンナ、君とこうやって話したかったんだよ。分かる? って分かるはずないね』
『実はあの事件の前から君のこと気になっててさ。生まれそだちや性別でまず目立つじゃん? 流石にあの時は死んだかと思ったら君だけ帰ってくるし、もう運命感じてさ』
初っぱなの挨拶でこの気安さはない。私は軽く笑った。そこで終わると思ったからだ。
だが、そのままの軽薄さで話は止まらない。最初はなんだかんだイライラしながら答え続けた。
ある程度の期間を過ぎるとムカついてきたため無視した。それでもとても終わる気配もなかったので何度か黙れという言葉をオブラートに包んで話したけれど、変わらなかった。
普段なら私は異性と話すのが苦手で、聞くだけでも神経を使ってしまい疲労する。だから精神が乱れるので必要な情報だけ教えてくれればいい、などと告げれば大抵黙るはずだった。
しかし彼は『あっ、ごめん。無理。俺が来たからには諦めて』と言って話を止めない。
何を言っているのか分からなかった。味方だからと我慢していた私を落胆させるのには十分な態度だ。まさか私を知らない? いや、こうして話したかったと言っていたのだからそれはない。
一番重要な点でいうと私の方が偉い。私は替えの効くナビゲーターより上だ。とはいえ、仮にも味方であり、言ってくれないと死ぬ事さえあるやり取りをする相手。信頼関係が必須。
その為にありえないタメ口にも目を瞑って、直接ガツンとは言わないように我慢したのに。この男は何なんだ? と流石に堪忍袋の緒が切れ、なりふり構わず相手を否定した。
「黙ってくれない? 出来ないならその席からどいて。私はお前に命を預けられない」
『そうですか。でもさっき言った通り無理なんだ。俺、実は貴族でね』
「……貴族がこのような部署に配属されるはずがないでしょう」
『あるよ。ここを指定したから。軍の部署の指定が出来るくらいのコネクションを持ってる一族でよかった。かの”英雄”の専属ナビを、したかったんだよねー! いくら気難しくてコロコロナビゲーターを替えたがる人とはいえ、いきなり俺みたいな新米には、まともにやってたら一生回ってこないと思ってさぁ』
支離滅裂な内容のわりに、声だけはやけに聞き取りやすかった。訛りやどもりもなく、快活ではっきりしている。そのせいでなおさら頭に入り込んできた。
確かに声だけで判断するなら苦労も疲れも汚いことをやましいと思う気持ちすらない、都会で何不自由なく育ったかのような雰囲気はある。いや、だからといって……。
「上官に代われ。どんな立場でも、誰か側に付いているはず」
『いるのはいるけど、この部屋にはいないよ。個人的な話をしたいから聞こえないように別の部屋をとったんだし』
「もういい! とにかく代わって!」
まだダラダラ話しそうなのを跳ねのけ、上官に代わってもらった。たとえ本物の貴族だとしてもそんな頭のおかしい事ができるものか。こんな馬鹿な真似を軍が許すものか。
自惚れではなく、私の立場ならいくらでもナビゲーターくらい代えられるはずだ。これまでもそうしてきたんだという自負があった。
しばらく待って代わった上官は私がよく知る人物だった。昔ナビゲーターとして私と一時期共に過ごした人でもある。
その頃より出世した今、……それでも今の私より下の立場だが……、彼なら十分信用に足りる。彼なら私の気持ちも察してくれるだろう。そう思っていた。
「待ってよ。……本当に、無理なの?」
『はい、その、申し訳ありません……けれども、私には、いや、私達にどうこうできる方ではないのです……』
心底困った表情で話しているのだろう、そう受け取れる声だった。事実なのか? そんな馬鹿な。私が死んでも困らないのか、この軍は。
文字通り命を懸けて尽くしてきた軍に裏切られた気分で落ち込んでいると、この会話も聞いていたであろう彼の声が頭に響いてきた。
『不思議で興味深い俺のこと、もっと聞きたいと思わない?』
――数か月が過ぎ、それよりも時間は過ぎて、まだ同じ声を聞いていた。
いつもうるさいこの人は基本部屋に一人らしい。新米のくせに上官は必要な時に呼ぶようにした。上司がご飯も持ってきてくれる。などなどこちらに言ってもいないのに話しかけていた。
まさに四六時中、いないでもいい時にも必ずいる。絶対運動不足でデブだと思っているが、本人は否定していた。
任務として、いずれ来る時の為に無人の星へ送られた私は一人だけだった。”英雄”と崇めさせるような宣伝はしても、それを何かあったらおしまいな使い捨てにするとはなかなか軍も人の心がない。
まだここは敵の領域なので、いつなにか起きて死んでもおかしくない。絶対的安全地帯の彼と違い、孤独中の孤独。クリストフからの声と情報のみが私と世界を繋ぐ細い糸。
こちらはこの頼りない糸にしがみつくしかないのに、よりにもよって、いちばん切りたくなる相手が向こうから絡んでくるとは。
『こっちの映像も送れたらいいのにな。俺、結構ハンサムなんだよ。これを見たら対応変わるんだけどなあ』
「顔がイケてようが、貴族のボンボンなんて見たくない。会いたくもない。鬱陶しい」
『ひどい言われようだ。でもこっちからは見えちゃうもんね、あ、隠さないで。センサー隠れてちゃ、何かあっても把握出来ないよ』
一年間、いや、この一年以上この声を聞きっぱなし。ちゃんとした情報も与えてくれるけれどその倍、どうでもいいような、趣味だの想い出話だのを聞かされてきた。好きな音楽やオススメスポット、さっき届けに来た出前のバイトが私とちょっと似てたとか、全然役に立たない事ばかり。
たまに、どこで手に入れたのかと疑うほど重要な情報をくれることもある。でも同じ真面目なトーンで、私のおっかけになった話やどれだけ好きなのかも話すので聞いていて辛い。
こんな話でも切らないのは本当に、この声以外何もないからだ。風の音、砂が流れる音、地鳴り……それよりはほんの少しだけマシだから。
「……どうせ実際見たら平凡な顔してんでしょ。身長も高めに盛ってたし」
『身長は盛ってたよ。ごめんなさい。ほんの少しだけ。ただ、顔の評価は盛ってない。スタイルもシュッとしてるし、他人から目の保養って言われてきた。平凡な顔じゃないって! どう? 見る? 見たい? 見たいよね?』
「いらない。見る価値もない」
『ガチマジでハンサムボーイだから忘れられないって』
「見た瞬間忘れると思う。声だけは嫌でも耳に残りそうだけど」
どこからかわざとらしいため息が聞こえて、クスっとしたのを覚えている。彼は最後のあたりまでは必死になってあの手この手で何としてでも顔を見てほしそうにしていた。
とはいえ、やろうと思えば私の目の前に直接画像を送り込む事が出来るはずなのにそれをしないでいた。そういうところは好ましく思っていた。
『それなんだけど、実はね、人は、会えなくなるとまず声を忘れていくんだって。だから顔とか格好とかは案外忘れないでいるけど、声はまっさきに消えていくんだよ。顔を見といてくれたら、その分俺のこと忘れにくくなるって話』
「なるほど、見なくて正解か」
『えっ、寂しい……すごく寂しい事言われた』
大げさで、いかにも聞かせるために出した気満々な嘆き。……この頃にはわざときつめに言って相手の反応を楽しんでいた。向こうが望んでいるのも分かっていたからだ。
「そういや、お父さんとは仲直りしたの?」
『ううん、まだ』
「あなたが自由にやりたい事を出来るのは親の七光りに他ならないのに、なんで喧嘩してんだか」
『いつも言ってるけど俺、親に叱られるの嫌いだし。あ、君のお父さんとならちょっと話したよ』
「なっ……、うちのがなんで出てくるの!?」
『実は近況報告がてらちょくちょく連絡してるんだよね。といっても、生存程度で娘さんをくださいとか娘さんのマル秘情報教えてくださいってことは言えてないけど』
「言わないでね、一生」
聞いて聞いて、が激しいわりに、あれだけコネでもぎ取った自分の幸運を自慢していた割に、意外に自分の家族や人間関係の話は少なく、消極的だった。そして、隙あらば話を逸らそうとすることに薄々気づいていた。
まず家名はもちろん、彼の祖父母や両親は平民の私でも知っていたくらいの大物貴族。私には分からない、貴族なりのいざこざがあるのだろうとこちらからも聞かずにいた。
こちらとしては私の初恋や、告白された回数まで調べ上げていて、恐ろしくなったというのに。
『父と仲直りする代わりに、君が俺と結婚してくれるならいくらでもするけどなあ』
「嘘はつかない方がいい。冗談でも貴族が平民女となんて。いても妾になるしかないのに」
『嘘じゃないよ。俺は、本気で君のことを――』
途中だが通信を遮断した。張り詰めた糸が切れたような音が耳に響いて、それ以降は大気のうねりしか聞こえなくなる。
あと数ヶ月だ。そうすれば元の生活に戻れる。英雄だろうがなんだろうが、すべき事を終えて、ゆっくりすることが出来ると思っていた。
その頃、夢で頭によく浮かんできた光景がある。何も知らないのになんとなく形作られた青年があの声で喋りながら寄ってきて、運命や愛に胸を焦がす私に近づいてくる、というもの。
…………いや、ない。流石に向こうは貴族で、この国では全く格の違う相手。平民の中でも底辺に近い育ちで片親育ち。一人っ子で、貧乏で、父も病気がちでどうしようもなくて、軍に入って、運良く死地から一人だけ帰ってきたら英雄と持ち上げられて。
軍の中では内心馬鹿にしている人も多い。そんな女をからかって遊んでいるんだ。人の心などない、残酷な軍や貴族のやるようなことだ。だからあの言葉にときめいたりなんて、してはいけない。
荒れ始めた天気の中で、必死に任務とは関係のないことで悶々としていて、今考えるとその頃には好きになっていた。
――あと数日で帰還する頃だった。急に話す内容が変わった。いや、変わったのは話だけではなく、彼の状況もだったか。
『あー、実はね、俺の一族はこの戦争の前から、いいや、ずっと昔から……どこの国にも武器を売って、情報を買ってたんだ。でもそれってさ、世界が荒れても、世界からも身内からも恨まれても、結局はこの国の為の仕事だったんだよね。ただ……ここのところ折り合いが悪くて』
「誰と誰の?」
『俺と、王との』
「うん? 俺と、王?」
いくら貴族とはいえ、王と交渉する役割は彼の父親の仕事だと思い込んでいた。いくらなんでも若い(と思う声をしている)男に任せられる仕事とは考えられなかったからだ。
「また話を盛って」
『盛るどころか、現実は減らしたいくらいでさ。神は俺に持たせ過ぎたよ。おかげでパンクした』
話を進めると冗談としか思えない言葉ばかりが続いて、次第に私は笑っていた。
『……俺、君のこの任務が終わったら、ちゃんと話そうと思ってたんだ。本当のこと』
「はいはい、本当はコネ貴族どころか国の黒幕で、フィクサーで、外交の天才なんでしょう?」
『……冗談で済むなら、俺も楽なんだけどなー。父はあの時、王をかばわなかった。……幼馴染や家族の命より、国の未来を選んだ父を見捨てるのがちょっと遅れたせいだ。君と仲良くなれたように、どっかで上手いこといかないか期待してた自分がいたせいだな』
「はは、そんなことが本当なら、今こうして話していられるわけがないでしょ」
『体質的に酒飲めないけど酒飲みたい気分』
「私は死ぬほど飲みたいけど、物理的に飲めない。酒の話はしないで」
『あぁ~ごめんごめん。こんな話して俺らしくないね』
「いらない一言が多いのは前からだと思う」
『君以外には余計なことどころか、必要なことしか言わない冷たい人間なんだけどなぁ……』
今まで話さなかった事をこうも流してくるのは仲良くなったからだとか、話のネタがそろそろ不足してきたからだとか。そもそも本当の話なのかどうかとか適当な理由を勝手につけていた。
当時深刻に考えなかったのはしょうがないのだが、その時、何か言えていれば。……いや、もうすでに手遅れだったのだ。
『――もう、駄目みたいだ』
急に向こうから普段の時間帯ではない時間に通信があった。何の件についてなのか一瞬考えた。するとどうもこの間の盛っているといった与太話が真実で、こじれた話は元に戻らず、とうとう王が彼の一族丸ごと切る判断をしたとのこと。しかもない罪ある罪全て彼らに負わせて反逆者とするとまで。
また冗談だと思いたかったけど、返事を待つ前から彼の声色がそうじゃないと既に語っていた。
「私とのんきに話している、場合なの!? 馬鹿! ……金でもコネでも、なんでもいいから使ってさっさと逃げろ!」
『……。いいんだよ別に。冗談抜きに、君と話す以外にやりたい事がなかったし。俺、君が思ってるよりもずっと、現状に満足してたんだよ。今なんて、こうして、君に本気で怒られて、幸せだとまで感じてるさ』
あり得ない。いくらなんでも捕まったらどうなるかが分からないほど、彼も私も馬鹿じゃない。それなのに、幸せだとか満足してその後死んでもいいのとか、馬鹿か。何より、こんな時に、一生私と直接会わなくてもいいんだと思って悲しくなっている私が信じられなかった。
「……ああ、叱られるのが嫌いだから、だから逃げないの?」
『……ああもう、知ってるくせに~。確かに俺って叱られるの嫌いだよ。口出しされるのも叱られるのも俺の気持ちにそぐわないものは全部。ただね、君は別。他ならぬ君に叱られると思ってたらやっぱり叱られる、きついこと言われちゃう、この状況は控えめに言っても最高。アンナ、君には叱られない方がずっと辛いんだ』
その後は会話というよりも、ただただクリストフの話を聞いていた。さっきの言葉で私は何も言えなくなっていたからだ。こんな状況だからこそ、これが本心からの言葉かどうか鈍い私にもよく分かった。
『君は一方的に付きまとわれていただけ。鬱陶しい男に嫌気が差して、何度も変えようとしたけど変えられなかった。君との会話は[一部]を除いて、きちんと録音して辻褄合わせてあるから気にしないでいい。抜けがあると気づかないくらい長々と、……馬鹿みたいにどうでもいい話ばかり普段から話しておいた甲斐があったってわけ。単純に話したかったって理由の方が強いけど、勘ぐりたい相手にしたら迷惑だろうね。あ、君のお父さんとは本当に短い生存報告しか交わしてない。だから大丈夫だとは思うけど、もしなんかあったらごめんね』
「私の親の心配してる場合でもないのに」
『異なる未来では、お義父さんと呼んだかもしれない人だから少しはね』
「……この未来の先にはないんだ」
『いやぁ、多分、あったらいいなと思っていたけど、このままだと極刑間違いなしだし……』
「そんなの……今更……」
本当に今更だ。知っていてもどうにもならないことは分かっていても、何かしたかった。話したかった。せめて私が彼をどう思っているかくらい――。言葉に詰まっていると彼から努めて明るく話が続けられた。
『ああ、もし、最期、日付的に君が帰った後かな? 処刑がその頃にあると思うから、会えたらいいな。ただ君に変な勘ぐりする奴もいそうなんだよね。嫌がらせも酷かったし。今までみたいに俺が手を回さなかったら、この後どうなるのかね』
「もしかしてここにいるのってクリストフの、おかげなの?」
『話したくてこうしたってのもあるけど、こうでもしないと君に逆恨みする層がいてね』
「あなたに会えるの? 私」
『それでも来てくれるなら。ただその場合、俺を「いつも通り」ゴミかクズだと思って振る舞って。俺、多分君を見たらがっつり泣くけど、気にせず冷たい顔で全然興味ないみたいな顔して見て。……いや、ここまで言ってなんだけど、もしも、もしもだよ? 演技すら出来そうもないくらい、どうしようもなく俺を好きだって場合は……絶対来るなよ。変な勘ぐりどころじゃなくなる』
「……」
『我が軍ときたら、結構家族以外のちょっとした関係だけの女も巻き込んで処刑しがちなの知ってるでしょ? まったく、趣味が悪いったら……ん、あれ、聞いてる?』
「……来て欲しいのか欲しくないのか分からない」
『あはは、まあ、お好きなように。どっちでも自分に良いように解釈するから。あー、でも来ない方がいいかな。察した』
「……何を察したの、馬鹿……」
『もうね、映像はもちろんのこと、聞こえる声だけでも、……残念ながら会えずに終わりそうだ。嬉しいね』
その後はいつものようにどうでもいい話をした。途中で二人以外の人間に打ち切られるまで、ずっと。
――銃声がひとつ、ふたつ、みっつ……最初は間を開けて響いた音は次第に数えられない速さで連なって、そして止んだ。確実に死んだと、わざわざここまで伝えられた気がした。
恐らく私は死んだ彼とも会うことはないだろう。反逆者の死体は死亡を確認次第どこか専門の部隊のみ知る場所へ埋める。その場所には目印も何もないらしい。私は目を瞑ってあの日々の声を思い出そうとした。
しかし、流れてきた声はおぼろげだ。本当にこんな声だったか。似たような感じでも他人のようだ。
彼から「人は声から忘れていく」と聴いたことは覚えているのに、どうでもいい話の内容も覚えているのに。
あんまりだ。あんなに、はっきりした声だったのに。声が薄れていくのは、まるで紙に書いた言葉が雨に滲んで消えていくみたいだった。
あの会話の一つひとつも、同じようにやがて記憶という砂の城の礎になるのだろうか。そう考えた瞬間たまらなく、心の中で何かがゆっくりと軋んだ。まるで長い間開けられなかった扉が、無理に開こうとしているように。
星を見ようとしても、涙でぼやけて見えない。窓からの風が涙や鼻水でぐちゃぐちゃの私を冷たく、冷静にさせる。
あれだけ帰りたかったのに、孤独が辛かったのに、母星にいる今この時が孤独を一番深く感じた。