表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の住まう街  作者: あさの紅茶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/104

駆け込み寺の月読様_01

吐く息が白い。寒いけれど体がポカポカしていて、冷たい空気がちょっとだけ気持ちいい。


須世理姫様に付き合ってどれだけお酒を飲んだだろう。そのおかげで体中の血行が良くなっているし、さらには透さんからキスされちゃって……。


衝撃で酔いは覚めたけれど、火照りは収まりそうにない。心がざわざわしている。


「……月読様」


鳥居の上に呼びかけると、月読様はすぐに気づいて降りてきてくれた。


「どうした? 鍋パーティーは終わったのか?」


「みんな酔いつぶれて寝ちゃいました」


「そうか。星でも眺めるか?」


こくんと頷けば、月読様は自分が羽織っていたショールのようなものを私の肩にかけ、ひょいっと抱えて鳥居の上まで運んでくれる。もう何度目の夜空だろう。鳥居の上から見る光景は地面から空を見上げるのとは違って、混じり気のない綺麗な空だ。吸い込まれそうになる。


「どうした? 何かあったか?」


「……わかります?」


「聞かぬ方がよいか?」


ふふっ、そういうところ、月読様の優しいところだと思う。気づいてくれて、でも気遣ってくれて。


「月読様って優しいですよね」


「ふむ、優しいかどうかはよくわからぬが、昔女心がわからないと叱られたことがあってな、少しばかり反省したものだ」


「ええっ、女心? あはは! 誰ですか、そんなこと言うのは。咲耶姫様ですか?」


「喜与に言われたのだよ」


「あ、キヨさん……」


月読様は夜空を見上げる。空に手を伸ばしくるりと円を描くと、星がキラキラと流れ始めた。しばらくその幻想的な光景を眺める。こんな美しい光景を、キヨさんも月読様と眺めていたのだろうか。


「私、透さんのことが好きなんです」


ぼそりと呟いた。

月読様は視線だけをこちらに向けてくれる。


「その好きの意味が恋愛の好きかどうかわからなかったんですけど、でもきっと恋愛の好きなんだろうなって。それで、透さんも私のことが好きって言ってくれて。透さんの好きは恋愛の好きだよって。嬉しいんだけど、どうしたらいいのか分からなくなっちゃった……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ