神様と鍋パーティー_02
本日もまた、忙しい。鍋パーティーに向けて残業にならないように毎日頑張っていたというのに。
「アオイよ、そろそろ鍋パーティーに行かぬか」
「行きたい、行きたいよ。でも終わらないの。猫の手でも借りたい。モフ太の手でも……いや、あなたは手を出さないで。大人しくしてて」
「なんだ、せっかく手伝ってやろうと思ったのに」
ぶつくさ文句を言いながら、モフ太は傍らで私の作業を見ている。そのうち手持ち無沙汰になったのか、切り落とした葉と茎を食べようとしていて、慌てて制止した。
「そういうことはしちゃダメだって言ったよね?」
「だってお腹が空いたから仕方なくないか?」
「ダメなものはダメ。モフ太はポン酢持って先に月読様のとこ行って」
「えっ! ボク走っていくのか? 車で行きたいのだが」
「もー、ごちゃごちゃうるさいなぁ。しょうがないでしょ、まだ終わらないんだから。先に食べてていいから」
「ふむ、まあそういうことなら」
モフ太を先に名月神社へ向かわせ、私は超特急で仕事を終わらせるべく、かつてないほど集中して仕事に取り組んだのだった。
「疲れたぁぁぁ」
ようやく仕事が終わり店を出ようとすると、店先にものすごく美人な女性が店内のリース飾りをじっと凝視している。もう閉店だと伝えようかと口を開きかけたけれど、確か以前もこんなことがあったことを思い出した。
なびく装束は、紛れもなく神様のそれで……。
「……神様だ」
私の呟きに、美人な神様は瞳を輝かせた。
「まあ。わたくしが見えるのですか? 出雲のうさぎを捜してますの。ご存じないかしら?」
もう、笑うしかない。やっぱり神様だった。しかも出雲のうさぎって、モフ太のことに違いない。モフ太が全然帰らないからお迎えが来たんじゃ……などと思いながら、私は曖昧に笑う。
「えーと、じゃあ、一緒に行きます?」
「感謝いたしますわ」
まるでどこかの国のお嬢様みたいな神様は、名前を須世理姫様と言った。




