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神様の住まう街  作者: あさの紅茶


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神様と鍋パーティー_01

十二月になると花屋は繁忙期になる。クリスマスに向けてアレンジフラワーを作ったり、その後はお正月飾りが控えているから休む暇もない。

それなのに――


「モフ太、あなたいつまでここにいるつもり? 出雲に帰らなくて大丈夫なの?」


「そろそろ帰らねばな」


毎回のらりくらりと返事をし、呑気に我が家に居ついていた。


「あー、疲れたぁ」


残業もしたからクタクタだ。帰ってそのままベッドへダイブする。夕飯作るのも面倒くさい。何か買って帰ればよかった。そんなことを思いながらダラダラしていると、モフ太に「電話が鳴ってるぞ」と教えられた。


「モフ太、スマホ取って〜」


「ボクを使うとは生意気な。神様でもあるまいし」


文句を言いながらもベッドまで届けてくれる。意外と優しいモフ太。


「はいはい、今出ますよーっと。もしもーし」


疲労感に負けてめちゃくちゃ雑に電話に出ると、とんでもなく爽やかな声が聞こえて、慌ててガバッと身を起こした。


「と、透さん?!」


『ごめん、寝てた?』


「ううん、寝てないよ」


「寝てたであろう」


「モフ太、黙って! えっと、透さん、どうしたの?」


『うん、白菜を大量にいただいたんだけど、葵食べない?』


「白菜?」


なんでも氏子さんの畑で採れた白菜を大量に奉納してくださったらしく、斉賀家では食べきれないとの事だった。


白菜は大好きだ。食べたいに決まってる。今なんて野菜が結構高くて、少量ほしくても一人暮らしだと割高になってしまうから、最近野菜不足だと思っていた。それに今は冬だし、お鍋の季節。白菜があれば毎日鍋でもいい。


「美味しそう〜」


『じゃあもらってくれる?』


「ね、ね、透さん。お鍋しない? 月読様とモフ太も誘って。お鍋が食べたい!」


『いいけど、仕事忙しいって言ってなかった?』


「忙しくても休みはあるし、お鍋というご褒美に向けて仕事頑張れる気がする」


『了解。じゃあ準備しておく』


「私、美味しいポン酢知ってるの。それ持ってくね。わー、楽しみー!」


残業後の疲れも何のその。鍋パーティーも楽しみではあるけれど、透さんの優しい声を聞くだけで疲れが吹き飛ぶみたい。その後は、どんな鍋にしようか話が弾み、モフ太に「お腹が空いた」と何度もせっつかれるまで透さんと長電話をしてしまった。

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