神様の結婚式_04
万事滞りなく終わり、名月神社に静寂が訪れた。
……表向きは。
神様が見える私にとっては、賑やかしいことこの上ない。いつの間にか見たこともない神様が増えているからだ。
そんなに広くない拝殿にたくさんの神様が座り、少彦様のお酒を酌み交わしている。もちろん主役は咲耶姫様と火の神様。結婚のお祝いにと、出雲に神議りへ赴く神様たちが立ち寄ってくれているのだ。
「透さん、この人たちって神様だよね?」
「そうだと思う。見える者同士だと、よくわからなくなってくるね。念のため父に見てもらおうか」
「火事場泥棒がいたら怖いもんね」
というわけで、透さんのお父様に拝殿を覗いてもらったけれど、見事なまでに「何もいない」と言われてしまった。
「ふん、見えるのも苦労するのだな」
モフ太が神様に負けじとお酒を飲みながら鼻で笑った。私と透さんは顔を見合わせて苦笑する。だって、今までこんなにたくさんの神様を一度に見ることはなかったのだから。
「アオイ」
咲耶姫様が手招きをする。
「お前も飲むがいい」
「はい、いただきます」
咲耶姫様みずからお酌をしてくれる。少彦様の美味しいお酒はとても良い香りがする。ひとたび口をつければ、さらっとした口当たりで喉をするっと潤す。
「ふふっ、女子会をしたのを思い出しますね」
「あれが、アオイとの出会いであったか」
「そうですよ。まさか結婚式に立ち会えるとは思いもよりませんでした」
「アオイのおかげで素晴らしい結婚式を挙げることができた。舞もさることながら、最後の花びらが舞うのは圧巻であったな。皆に祝福されている気分を味わうことができたぞ」
「あれは透さんのアイデアなんですよ」
「そうか。あやつは意外と乙女よの」
咲耶姫様は上品に笑う。
でも本当にそう。私は花屋であることでいろいろ準備ができただけで、アイデアを出してくれたのは透さんなのだ。
「あれ? そういえば火の神様は……?」
「ああ、あやつなら――」




