神様との繋がり_11
「そろそろ咲耶姫の準備も整うだろう。アオイよ、神楽、楽しみにしておるぞ」
「あっ!」
感慨に耽っていた私に、月読様から唐突に突き付けられる現実。治まっていた緊張が再びわき起こされる。
神楽はここ、拝殿で披露するため、咲耶姫様と火の神様に奉納すると言っても、参拝者にも見られるのだ。心なしか、拝殿のまわりに人が集まってきたように思う。自意識過剰だろうか。気のせいだろうか。
「あ、そうそう。神楽なんて久しぶりでしょう。だからね、お母さんこんなポスター作っちゃいました」
透さんのお母様がじゃーんと効果音とともに手作りのポスターを広げる。
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名月神社 花宵まつり 特別イベント
神楽奉納 十八時~
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「えっ!」
「母さん……。ちゃんと葵の許可取ってからにして。なんで父さんも止めないの」
「いやあ、ごめん。お父さんも作っちゃったよ」
「嘘だろ……。ごめんね、葵。大丈夫?」
固まる私。緊張に緊張が重ねられる。
期待の眼差しの透さんのご両親。
拝殿のまわりに集まってくる参拝者。
ああ、足が震える。
ふと、透さんが私の手を握った。
「葵。僕の笙の音だけ聴いていて」
「透さん」
「絶対大丈夫だから」
そっと手を引かれて拝殿の真ん中へ。
膝をついて本殿に向かって深々と頭を垂れる。
お母様がドーンドーンと始まりの祝太鼓を打ち鳴らした。
咲耶姫様と火の神様の結婚式が始まる。




