神様との繋がり_07
透さんの笑顔を見ていて、ふと気づく。
――この子、昔から見えるせいで友達が少なくてね
お母様が嬉しそうに涙を流したその理由が少しだけわかった気がした。
自分が見えているものが当たり前の世界で、まわりも皆それが当たり前なんだろうと思っていたのに違うことに気づく。“見える”人が少ない分、その世界はとても閉鎖的なもののように感じる。“見える”と“見えない”では、少しだけ世界が違うのだ。だから、同じ“見える”同士、視覚を共有できるのって、こんなにも嬉しいことなんだ。
「どうしたの?」
「ううん。お祭りってすごく楽しいね」
境内にはたくさんの人。茅の輪くぐりをしたり参拝をしたり、普段静かな名月神社がとても賑わっている。この中で神様が見えるのは、きっと私と透さんだけ。
「透さんが神様を見える人でよかったなぁ」
そう言えば、透さんはキョトンとした後、ふっと目を細めて私の頭を優しくぽんぽんと撫でる。その仕草がまるで繊細で儚い月読様にそっくりで、美しすぎてドッキンと心臓が揺れた。
「……アオイよ、ボクはお腹が空きすぎてもうダメだ……」
いつの間にか復活したモフ太がよろよろと私の袴をよじ登る。むんずと捕まえて胸に抱えた。
「もーモフ太ったら食べることばっかり」
「不死身なのか、モフ太」
「ちょっとやそっとのことでは死なない。これでもお前たちより場数を踏んでいるんだ」
「トラブルメーカーだよね、モフ太は」
透さんが呆れながらくすくす笑った。




