神様との繋がり_05
「お花きれーい」
「いいにおいするー」
七五三のご祈祷に来た子どもたちが、拝殿の装花を見て目を輝かせた。着物を着た女の子やスーツを着た男の子がソワソワと落ち着かない様子でいる。
私も朱色の袴を着せてもらい、ご祈祷のお手伝いに入った。神楽の練習と一緒に、巫女の仕事も教わったのだ。
ドーンドーンと、祝い太鼓を打ち鳴らす。胸に響く太鼓の音は、今から何かが始まるのだということを予感させるには十分で、子どもたちも、もちろん私も背筋がピッと伸びた。
装束を身にまとった透さんが神様のいる本殿に向かって祝詞を唱えてから、大麻というお祓いの棒をふぁさっと振る。右へ左へ振るごとに、大麻からキラキラした粒子のようなものが降り注ぐ。まるで星が瞬くような光景に、思わずあっと息を飲んだ。
「粋なことをするものよ、月読は」
すっと音もなく背後に現れた人物を見て、私は跳び上がるほど驚いた。
「咲耶姫様!」
「あやつは子ども好きであったか?」
見れば、月読様は御祈祷を受ける子どもたち一人一人の頭を優しく撫でていく。もちろんその姿は見えない。見えているのは私と咲耶姫様と透さんだけだ。その透さんさえも少し驚いた顔をしていた。
「優しいんです、月読様は」
「そうか。だがきっと、お主の影響だろう?」
咲耶姫様は綺麗に微笑んで、「ほら、太鼓を叩かぬか」と私をせっついた。
滞りなく終わり、私の緊張もしゅるりと解けていく。咲耶姫様は拝殿の装花を眺めながらゆるりとしている。
「咲耶姫様は自分の神社の守りがあるから、夜にしか来ないかと思っていました」
「ああ。だが花嫁は支度に時間がかかるから、早くから準備するのだと、この書物に書いてあったのでな」
と取り出したのは結婚情報誌。どこで手に入れたんだろう。咲耶姫様は好奇心おう盛で面白い。
「咲耶姫様、お待ちしておりました」
透さんが、祝詞を上げるときと同じように床に座って深くお辞儀をする。神様に対してのご挨拶。私とは違って透さんはきちんとしている。




