神様との繋がり_02
咲耶姫様の結婚式ではあるけれど、メインは花宵まつりだ。名月神社には昨日のうちに氏子さんたちによって幟が立てられている。境内の真ん中には茅の輪くぐりが準備され、いつもと少し雰囲気の違う名月神社の様子に私の緊張も高まった。
咲耶姫様の結婚式は拝殿で執り行うことが決まっている。といっても、昼間はそこで七五三のご祈祷などがあり、思いきり結婚式の様相にするわけにはいかない。それは咲耶姫様も承知で、あくまでも花宵まつりの邪魔にならない程度の装花を求められた。
事前に透さんと打ち合わせした通りに、花を飾り付けていく。規模は小さいので、作業は私一人で行う。もう一人くらい連れてきてもよかったけれど、万が一モフ太が余計なことして“心霊現象”だなんてまた騒ぎ立てられたらたまったもんじゃない。
「モフ太!」
「ギクッ!」
「絶対食べないでよ」
「た、食べるわけなかろう」
「もし食べたら火の神様に丸焼きにしてもらうからね」
「ぼっ、ボクは外の様子を見てくるのだ」
脅したら一目散に逃げていった。今日、後何回モフ太に注意することになるだろう。モフ太ったら、隙あらば食べようとするんだから。
「まあ、素敵なお花ね」
「あっ、ありがとうございま――」
振り向くと、朱色の袴をまとったとても綺麗な女性が立っている。巫女さん? まさか神様?
困惑していると、ニコリと可憐に微笑まれた。
「はじめまして葵さん。斉賀と申します。いつも透がお世話になってます」
「えっ! あっ、もしかして透さんのお母様ですか? はじめまして!」
わたわた焦っていると、ふふっと楽しそうに微笑まれる。透さんの優しい笑顔はお母様譲りなのかな、と思った。




