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神様の住まう街  作者: あさの紅茶


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神様と酒盛り_08

『さて、わしは少し休むぞい。酒造りは力を使うのでな』


少彦様はテーブルの上でごろりと横になる。そういえばと私は思い出し、カバンの中から箱を取り出した。職場を出る前に購入しておいた、プリザーブドフラワーだ。


「少彦様、これを使ってください」


蓋を開ければ、色とりどりのポピーの花が敷き詰められている。少彦様曰く“いい香りのする床”だ。


『ほう。では遠慮なく。この花は寝心地が最高じゃったからの。そうじゃ、わしの造る酒は“薬”とも言われておる。存分に堪能するがよいぞ』


「はい、ありがとうございます」


私はまた一口お酒を口に含む。混じり気のない味はするりと喉を通って、体全体へ広がっていくみたい。


「おい、アオイ。何かツマミはないのか」


「もう、モフ太は図々しすぎなのよ」


「酒だけでは腹が減るだろう」


「その食欲はどこからくるわけ?」


モフ太とギャアギャア煩く言い合いをしている中、少彦様はポピーの上で大爆睡。月読様は一人でちびちびとお酒を嗜む。


やがて透さんがやってきて、すぐにモフ太に絡まれ迷惑そうな顔をしていたけれど、モフ太はペシッと冷たくはたかれていた。(モフ太、ドンマイ)


「ごめん、遅くなった。この樽は一体何?」


「少彦様が咲耶姫様の結婚式用にお酒を造ってくれたの」


「透が来るのが遅いのでな、アオイが重労働であったぞ」


「え……それは、ごめん」


「ううん。だって透さんお仕事中だったでしょ。それよりね、少彦様のお酒すっごく美味しいの。こんなお酒初めて。透さんも飲む?」


「え? 飲んでみたいけど、葵って車で来てるよね? 飲んで大丈夫だった?」


「……あっ!」


そうじゃん。どうして忘れていたんだろう。私、ここまで車で来ているんだ。このままじゃ飲酒運転になってしまう。


「あーーー、もうやだーー、忘れてたー!」


自分のマヌケさ加減に頭を抱える。一口でも飲酒は飲酒だ。今日はどうやって帰ったらいいんだ。歩き? バス? タクシー? でも明日の出勤はどうしたらいい? 車がないと困る。

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