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神様の住まう街  作者: あさの紅茶


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神様と酒盛り_02

翌日、モフ太は私の朝ご飯を容赦なく食べつくし、あげく職場までついてくるという何とも迷惑な行為を悪気もなくやってのけた。


「はあー」


思わずため息がこぼれる。

まあ、いいんだけど。ちゃんと大人しくしててくれれば。だって神使だから普通の人には見えないみたいだし。だけどいちいち私に話しかけてくるし、私がそれに答えれば独り言の大きい変な人みたいになってしまうし、モフ太の相手は無駄に疲れる。


「望月さん、大丈夫? なんか今日疲れてるの?」


「あ、いえすみません。大丈夫です」


この通り、同僚にも心配されてしまう始末。

ダメダメ、仕事に集中! ……と思ったのだけど。


「ねえ、望月さん。なんか変な音しない?」


「変な音?」


「そう。もしゃもしゃ~って感じの」


言われて耳を凝らすと、確かにもしゃもしゃと音がする。まるで草を食べているような、そんな音――。と私の目に飛び込んできたのは、ブーケを作る際に茎や葉を切り落としたごみ箱で、モフ太がむしゃむしゃと葉っぱを食べている光景だった。


「~~~!」


「も、望月さん! あれ! やだ! 怖い!」


同僚が見えているのは、葉っぱが勝手に動いている光景。(たぶん)

私はモフ太が見えているから何とも思わないけれど、見えない人には葉っぱだけが動いて無くなっていくように見えるのだろう。(たぶん)


「店長! 店長~!」


店内が大騒ぎになっているうちに、私はモフ太を引っぺがす。


「モフ太~! 何してるの!」


「そこに美味しそうな葉っぱがあったからな、食べていいかと」


「そんなわけないでしょ。あんなに朝ご飯食べたくせに!」


『そなた、島根のうさぎか』


ふいに小さな声が聞こえて、私とモフ太はぴたりと会話をやめる。きょろきょろとあたりを見回すも、その声の主がわからない。

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