神様の使いとお月見_07
モフ太がむしゃむしゃと食べる姿は実に美味しそうで、見ていたら不覚にもぐううっとお腹がなった。
気づいた透さんが、くっと笑いを押し殺す。
うう、恥ずかしい。
「外食は又の機会にして、今日はここで蕎麦でも食べる?」
「お蕎麦?」
「ちょうど氏子さんから奉納された蕎麦があるから、ありがたくいただこうか」
「ふふっ、透さん、咲耶姫様みたい。咲耶姫様も昔お供え物のお菓子を食べようって言ってね――」
私は透さんに、前に咲耶姫様と女子会をした出来事を話した。
社務所の小さなキッチンで、二人並んでお喋りをしながらお蕎麦を作る。外食も捨てがたいけど、こういうのもなんかいいなって思ったりして。
「何を作っているのだ? ボクも食べたいぞ」
お月見団子を食べ終わったモフ太が、目ざとくこちらにやって来る。うさぎが蕎麦を食べていいのか疑問に思ったけれど、そもそもこのうさぎは神使なんだったと思い出して細かいことは考えないことにした。
「月読様も食べるかな?」
「どうかな? 葵が誘ったら食べに来るんじゃないかな?」
「じゃあ声かけてみるね」
「ああ、ありがとう」
お蕎麦を透さんにお任せして、私は外に出た。
少しひんやりとした風が柔らかく吹いている。外はすっかり暗く空には星が瞬き、大きな鳥居の上に人影が見えた。月読様だ。
「おーい、月読様〜!」
呼ぶとこちらに顔を向け、音もなくふわりと舞い降りてきてくれた。
「どうした? 神楽の練習は捗ったか?」
「うっ、それは何とか頑張っています。それはそれとして、お蕎麦食べませんか? 今、透さんが作ってくれていて――」
ふっと月読様の手が私の頬に触れる。
突然の出来事に驚いて息を飲んだ。




