No.10 中間テスト①
1990年5月
中学校初めての中間テストに備えなければならない。
数学と英語さえできていれば両親には何も言われないだろう。
まだ、ベクトルや微積などの難しい数学は高校生になってからだ。まだまだプラスマイナスやらのヨユーな単元ばかり。英語だって一応それなりの大学に出てるんだ。余裕に決まってる。
なんて、昼休み思っていると、
「おい裕二」
「どうした、川崎」
「川崎じゃなくて」
「大介ね。はいはい」
「おい。何回間違えるんだよ」
「(べつにお前の名前だろ。というかまだ間違えた?のは9回目だ)」
「っていうのはさておき、裕二。勉強会しない?お前、数学は得意だろ。その代わり俺の得意な英語と理科を教えてやるわ。」
「う〜ん(別にいらないんだよなぁ。でも正直暇だし)」
「いいぞ」
「よし」
「いつどこでやるつもりなの?大介ん家?」
「今日の放課後にいつでも来てくれ」
「わかった...ってお前ん家どこだっけ?(最後に行ったのが昔過ぎて覚えてねぇなぁ...)」
「はぁ?お前2月にも来てたのに?わかったよ。忘れん坊。じゃあ、明日の放課後に一緒に家にいくのでいいか?」
「りょーかい。他には誰か来るのか?」
「そのつもりはないぞ。多分」
はぁ、早くインターネットが普及して、株をいつでもどこでも見れるようになりたい...と思いながら残りの5,6限を受けていた。