時計
作者は疲れてるんだと思います。疲れてる哀れな馬鹿が書いたものなので支離滅裂なため、内容が理解できない、というあなたは正常です。内容を理解してくれたあなたは作者よりも神です。
時計は見ていた、一秒一秒という時間を刻みながら・・・。その針が進む速度は、ある人には早く感じられ、またある人には遅く感じられ・・・遅くも早くもない、早くなることも遅くなることもない一定のリズムを刻みながら、時計はただ静かに時を刻んでいた。
時計は見ていた。生まれたての赤ん坊が、その子の両親であろう男と女に交互に抱っこされては、無邪気に笑う様を。赤ん坊は時に笑い、泣き、眠り・・・様々な表情をし、様々なことをしてもらい、様々なことをしていた。そんな光景を、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。小学生程の少年が、母親に怒られて泣き出しそうな表情になっている様を。怒られては泣きそうな顔で謝り、時には反抗して家を飛び出し、帰って来なくて両親を心配させ、しかし次の日には母親に笑顔で見送られて外に出だしていく。そんな光景を、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。中学生程の少年が、父親に何か嬉しそうな話をしている様を。点数が良かった、と少年は嬉しそうな顔で言い、父親はそれに対して、がんばったな、と同じく嬉しそうな顔で返していた。時には気まずそうな顔をしている少年、そんな時はたいてい父親は困ったような顔をしているが、本気で困っているような顔には見えない。そんな光景を、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。高校生程の少年が、苦しそうな声をあげながらテーブルの上に血を吐く様を。母親は青ざめた顔をしながらも、迅速にどこかに電話をかけている。数分もしない内に別の何人かの人間がやって来て、ぐったりとしている少年はどこかへと運ばれていった。そんな光景を、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。真っ白な部屋の中、真っ白いベッドの上に座っている高校生程の少年を。少年はどこか遠くを見るような目で、開け放たれている窓の外を見ている。その表情は、どこか物悲しく、今にも泣き出してしまいそうな寂しい顔だった。そんな光景を、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。真っ白な部屋の中、真っ白なベッドの上に横たわっている高校生程の少年を。少年は静かに、本当に静かに眠っていた。生きている人間ならば誰にだってある呼吸音が、部屋に響くことはない。少年は何もすることなく、何も言うことなく、笑うことなく泣くことなく怒ることなく嬉しがることなく、静かに、ただ静かに眠っていた。そんな光景を、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。空から降り注ぐ大きく膨れ上がった火の塊に全てが飲み込まれていく様を。逃げ惑う人も泣き叫ぶ人も最後の最後まで何かを怒鳴り続ける人も・・・全てを平等に、火の塊は飲み込んでいった。そんな光景を見ながら、時計は静かに時を刻みながら見ていた。
時計は見ていた。全てがなくなってしまった真っ暗な世界を。
全てがなくなってしまっても、時計は時を刻むことを止めない。一秒一秒、早くもなく遅くもない速度で、早くなることも遅くなることもない一定のリズムを刻みながら、時計はただ静かに時を刻んでいた。遅いと感じる人がいなくなっても、早いと感じる人がいなくなっても、時計は動き続ける。いつまでもいつまでも、時を表すために。
作者はつか(以下略