空に聳え立つ白亜の塔
空に沸き上がるように
真っ白な雲が立ち上る
夏の熱気を表すように
蒸気のように立ち上る
青い空にそびえ立つ様は
天を目指した白亜の塔に似て
けれどそれは蜃気楼の様に
気付けば姿を消している
内側に秘めるのは
激しさと静けさ
情熱と冷たさ
輝く光
轟く音
叩く水
裂く風
そこには確かに夏が宿り
いつかは移ろう季節と共に白亜の塔は去り行くだろう
空に広がる青と白の季節はやがて
空から彩りが降り注ぐようにして
赤と黃の衣を纏った季節に変わるだろう
しかし今はまだ
聳え立つ白がこの空を支配して
日の光は強く強く輝いている
湧き上がる
入道雲に
想い乗せ
空と海との
境界を行く