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090 シャルルと美香のレベル上げ②

魔物に50mほど近づいてシャルルはスキル千里眼を使って魔物が何か確認する。木々の間から見えた魔物はオークだった。シャルルと美香には格上の相手だ。特に美香のレベルは1なので身体的にオークにかなう訳が無かった。


二人は目でお互いに合図をしてオークに近付いていく。そしてオークまで20mに近付くと魔法を放った。


「アースアロー」


「ロックニードル」


二人の魔法は見事にオークの頭を貫いた。そして魔法に気づいたオークが二人を見つけて走り寄ってくる。二人はそれに動じることなく魔法を放つ。


「ライトアロー」


「アイスアロー」


その魔法も走り迫ってくるオークの頭を貫く。最後の一匹は美香が魔法で仕留めた。優斗は二人がなんなく魔物を仕留めたことに感心した。


(自分が初めて魔物と対峙した時は緊張したんだけどなー)


それが優斗の気持ちだった。


「仕留めた魔物はどうするの? 私たちが回収する?」


美香が優斗に確認してくる。優斗は二人が仕留めた魔物を等価交換でお金に変えるつもりだったので二人に優斗が亜空間倉庫(インベントリ)に仕舞うように提案した。


「俺が亜空間倉庫(インベントリ)に仕舞うよ。等価交換というスキルを俺は持っているんだ。仕留た魔物は俺がお金に換えて二人に分けるようにするからね」


「そういうスキルも持っているんだね。お兄ちゃんはますます規格外になったように思えるよ」


「私もそう思うわ。優斗は人間離れしているようね」


美香とシャルルは優斗の規格外さに唖然とするしかなかった。そして倒した魔物は優斗に任せることにした。


「分かったわ。優斗に任せるわ」


「美香もお兄ちゃんに任せるよ。そしてお金に交換して。でもそう言うスキルを持っていることが凄いよ」


「まあ、誰にも知られずにお金を得られるから便利なんだよね。このスキルがあるから異世界のお金や日本のお金にも等価交換できるからさ」


優斗は等価交換と言うスキルは非常に役に立つと思っていた。必要な物は購入出来るしお金にも換金できる。だれにも知られずにお金が得られることに優斗はメリットを感じていた。お金を持っているとばれるとなにかと厄介ごとに巻き込まれると思っていたからだ。全ては異世界もののラノベやネット小説からの知識だった。


「日本円にも等価交換できるんだ。それって大丈夫なの?」


「大丈夫だよ。確認したけど偽札じゃなかったから」


本当は叡智から天界が関与していてお金に換えていることになっている。しかしシャルルに天界のことを伝える必要を優斗は感じなかったのでそのことは話さないで置いた。


「二人ともレベルは上がったか?」


「私はレベルが1つ上がったわ」


「美香は6も上がっているよ」


「美香はレベルが1だっただろ。格上の魔物を倒したからレベルが一気に上がったんだよ」


「そうなんだ。格上の魔物は良い経験値になるね」


美香は一気にレベルが上がって喜んだ。そしてもっと魔物を狩って強くなろうと思っていた。


「二人とも獲得経験値増加のスキルも持っているからレベルが上がりやすいんだよ。これからも格上の魔物を狩ってレベルを上げていくぞ」


「うん」


「そうしようよ」


「さあ、次の魔物を狩りに行くぞ」


三人は次の魔物の反応を見つけてその反応を目指して進んでいく。強い魔物を探すためにダンジョンの中心に向かって魔物を探して進んだ。


次に見つけた魔物もオークだった。千里眼で確認して6匹のオークを見つけた。シャルルは美香に合図を送る。美香はそれに頷く。そしてオークに向かって足を進める。


さっきと同じようにオークに気づかれること無く近づき魔法を放つ。


「アイスニードル」


「ロックニードル」


魔法は練習通りにオークの頭を撃ち抜く。二人はとても魔法使いとして優秀だった。優斗がなにも指示を出さなくても難無く魔物を狩っていく。あっという間に6匹の魔物は二人の魔法で倒された。


「まったく心配いらないね。二人とも魔物の狩りに自信がついたか?」


「余裕で魔物を倒せるわ。少し張り合いが無いわね」


「美香も余裕だよ。もっと多く狩ってレベルを上げたい」


「そうか、じゃあ次の獲物を探して先に進もう」


そして三人はまたオーク5匹を見つけた。二人の魔法の前にオークは成す術もなく倒されていく。そしてまた魔物を探す。そしてオークを見つけて魔法で倒していく。


その工程を何度も続けていくことで二人はどうして上級魔法を優斗が使わないように言ったか理解した。初級魔法だけでもオークが簡単に狩れることに気づいた。そして魔法を使うと簡単に魔物を倒せるので魔物の狩りがすこしつまらなくなってきた。


「お兄ちゃんが、上級魔法を使わないように言った理由が分かったよ」


「そうなのか? どうして分かったんだ?」


「だって、お兄ちゃん、初級魔法や中級魔法でも簡単に魔物を倒すことが出来るんだよ。それも流れ作業のようになってきたし初めはゲーム感覚で楽しかったけど、なれるとスリルをあまり感じられない。もっとこう緊張感のあるような戦いを想像していたんだけどな」


「私もそう思っていたわ。魔物は私たちに全く近づけない感じだものね。すこし飽きてくるようになったわ」


二人とも同じことの繰り返しに飽きてきたようだ。そこで優斗はもう少し強い魔物を捜しに行こうと考えた。森の東に進むほど強い魔物がいる。東の方がこのフィールド型ダンジョンの中心になるからだ。


「それなら、少し骨のあるような魔物を探しに行こうか?」


「それが良いわ」


「美香もその方が良い」


「それなら良い魔物がいるよ。そこに行こうか?」


「美香はお兄ちゃんの意見に賛成だよ」


「私も優斗にお任せするわ」


「それじゃあ、もう少し森の奥まで進んでいこう。そうしないと強い魔物は出てこないよ」


「やっぱりそうなんだね。ゲームと似ているんだね」


「そうだなゲームと同じでダンジョンコアに近付くほど魔物が強くなるんだよ」


美香はRPGのようなゲームを友達としたことがあって、そういうレベルを上げるようなゲームには優斗よりも詳しかった。優斗はラノベやネット小説は読むがゲームはしない派だった。


「それじゃあ、森の中心に向かって進もう」


「うん」


「はい」


三人はオークよりもレベルが高い魔物を探してダンジョンの奥に進んでいく。シャルルと美香の度胸の良さに優斗はあきれていた。優斗の時は一人だったので不安があった。


しかしシャルルと美香は自動防御の腕輪が守ってくれることを知っているし万が一どうしようもない魔物が現れても優斗がどうにかしてくれると考えていた。それで安心してダンジョンの奥に進んでいくことが出来ていた。

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