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089 シャルルと美香のレベル上げ①

優斗たちは城に戻ってお昼を食べた。その時にメイドや執事たちが付き添っているので優斗たちは緊張しながらの食事になった。優斗がメイドたちに「食堂から出て行って」と言えば彼らは食堂から出て行っただろう。


でも、優斗はミミックスライムやソラの気づかいに気づいているので彼らを追い出すことはしなかった。料理はお昼だと言うのにちゃんとしたコース料理が出てきた。お城の晩餐会のような献立だった。


コックには料理Lv.10を与えているので味は勿論美味しかった。料理は肉料理がメインだった。優斗とシャルルは昼食に満足だった。しかし美香だけは違うようだった。


「お兄ちゃん、最近、お家の食事が肉メインになっているのはお兄ちゃんのせいでしょう」


「え!? それがどうした?」


美香は優斗の言葉に眉間にしわを寄せる。その怒った顔も可愛いと優斗は思っていた。


「どうしたじゃないよ。お母さんに聞いたら『お兄ちゃんから特別なマジックバックを貰って、その中に美味しい肉が入っているからよ』って言われたよ。この城の料理もお肉がメインだから、美香はたまには魚が食べたい」


優斗は美香が言うことはもっともだと思った。たしかに上位の魔物の肉は美味しい。でも毎日肉ばかりだと飽きてしまう。優斗はそう考えて等価交換で得た魚介類をソラに渡すことに決めた。ついでに山の幸であるキノコ類もソラに渡すことにした。その中には松茸やトリュフなどもあった。


ソラはその後、優斗にお願いしてダンジョンに地下五階層を作ってもらい、そこに海と山を配置した。そして、そこにもミミックスライムに猟師や漁師に海女をさせて魚介類と山の幸の収集をさせた。そしてソラが提案したマジックバックには魚介類が追加されることとなった。


「分かったよ。今日の夕食は魚料理にするようにコックに言っておくよ」


食事が終わってレベル上げを行う前に優斗はシャルルにジャージをあげることにした。早速、等価交換の画面で見つけたジャージ7種類の上下を創造で作り出す。さらに等価交換で視たTシャルとポロシャツ格7着ずつを創造で作り出した。それらをシャルルに手渡す。


「シャルルさん、この服を貰ってください」


シャルルは優斗が手渡してきた服を見る。服はシャルルが見たことが無いような高級感あふれる服だった。優斗からしたらただのジャージでしかないが麻で出来た服しか持っていないシャルルからしたらそのジャージは高級品だった。


「こんなものを貰っても良いの? それって優斗が着ているような高い服だよね」


「気にしないで良いよ。シャルルさんは家族でしょ。貰っておいてよ。俺も美香も同じような服を着ているからさ」


シャルルはジャージを貰うことを躊躇った。こんな高そうな服は自分の様な平民が着る者ではないと思ったからだ。


「こんな高いものはもらえないよ」


「そんなことは言わないでよ。じゃあ、こうしようよ。シャルルさんが狩った魔物の魔石を俺がこの服の代金分貰うことにするよ。それなら良いでしょ」


シャルルはそれなら優斗の負担にならないと考えた。


「それなら貰うわ。着替えてくるね」


優斗は鑑定とコーディネートのスキルである程度シャルルの服のサイズを把握していた。いちおう一サイズ大きめのジャージとTシャツを選んでサイズ自動調整と自動修復の魔法を付与してある。


シャルルにジャージを渡した理由は、彼女だけが農民が着るような麻で出来たチェニックにスカートといういで立ちだったので優斗と美香と並んで歩くと一人だけ浮いていた感じになっていたからだ。シャルルは優斗からジャージを貰って嬉しそうにしていた。


そして、メイドのアキに連れられてシャルルに与えられた部屋に着替えに行った。一応、美香も一着しかジャージを持っていなかったので彼女にも7種類のジャージを優斗は与えた。美香はそのジャージを亜空間倉庫(インベントリ)に仕舞った。


ジャージを貰った美香は何とも言えない妙な顔をしていた。


そして、シャルルがジャージに着替えて戻ってきてからレベル上げに向かうことになった。優斗は二人を呼ぶ。


「シャルルさん、美香。こっちに来てくれるか?」


「分かった」


「分かったわ」


シャルルたちが優斗の側に来た。


「これからダンジョンに転移するぞ」


「「いいよ(わ)」」


「転移」と優斗が唱えると一瞬で城の中から森の中に転移していた。シャルルは何度も経験があるんで平気だったが美香はまだ三回目なので不思議な感覚を味わっていた。


「転移って不思議な感覚だね」


「美香も自分で転移できるようになっているだろ。慣れると使い勝手がいいぞ」


「そうだった。私も時空魔法を習得しているんだった。今度試してみるよ。シャルル姉も転移自分で出来るんだよね」


「私も時空魔法を習得しているから出来るはずだわ。でもまだ試したことがないわよ。こんど挑戦してみるわ」


シャルルは優斗からスキルをもらってまだ二日しか経っていない。美香もスキルを貰ってから一週間もたっていない。二人とも亜空間倉庫(インベントリ)は何度も使っていたが魔法は今日初めて練習で使っただけだった。転移の魔法はまだ試したことが無かった。


「じゃあ、城に戻るときは二人の内どちらかにお願いしようかな」


「私がやる。シャルル姉、いいよね」


「美香に任せるわ。明日は私が転移を使ってみたいわね」


「じゃあ、明日はシャルル姉にお願いするよ」


「二人ともそろそろ良いか? ここはダンジョンなんだぞ。魔物を探してレベル上げをやるぞ。マップで魔物を探して魔法で仕留めてくれ」


シャルルと美香は早速スキルマップを使って魔物の反応を探す。そして二人は東に200mの地点に魔物5匹の反応を見つけた。優斗も同じように魔物の反応を見つけている。


「東に魔物の反応があるわね。美香、行くわよ」


「了解、シャルル姉。早速、レベル上げだね」


シャルルと美香は精神耐性のおかげで魔物に対して恐怖感をあまり持っていなかった。それに魔物を殺すことへも罪悪感を持っていなかった。それに自動防御の腕輪があるので魔物の危険性をそれほど感じてもいない。三人は魔物の反応がある方向に進む。


優斗は二人の邪魔をしないように隠密で気配を消した。するとシャルルと美香は優斗の存在が確認できなくなったことに驚いて後ろを振り向く。気配察知を二人ともしっかり行っているようだと優斗は安心した。


「お兄ちゃん、どこにいるの?」


「優斗、出てきなさい」


「あははは、俺はすぐ後ろにいるよ」


優斗はそう言って姿を現した。


「お兄ちゃん、どうして姿を消したりしているの?」


「二人の邪魔をしないように隠密のスキルを使っただけだよ」


「隠密のスキルかー。私も使えるけど格上の魔物には効かないんだよね」


「そうだよね。あの魔物の反応からして格上なのは確実だわ。隠密は効かないわね」


二人はスキル隠密に使いどころが無いとがっかりする。


「二人も一応はスキル隠密を使いながら行動した方が良いよ。足音とか匂いは消えるから敵に見つかりにくくなるよ」


「そうなの? 分かったわ一応隠密スキルを使うようにするわ」


「美香もそうする」


二人もスキル隠密を利用して魔物の反応の方向に進む。優斗は出来るだけ二人に魔物の狩りを任せることにした。

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