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073 ロトくじ換金

今日、優斗たちはロト7を現金に換えるために銀行に行く予定になっている。当初は優斗と父親の修二と二人で行く予定だった。しかし、家族の口座を作るのに委任状などが必要と言うことで結局家族全員で銀行に行くことになった。


折角の修二と和子の有休なので朝から出かけるのではなく昼ご飯を食べてから出かけることになった。宝くじを換金するお祝いとして昼は特上のお寿司を出前で取り家族で食べた。初めて食べる特上ずしに優斗と美香ははしゃいでいた。


そして、食事を済ませて銀行に向かう。銀行までは修二が車を運転して出かけた。銀行に着くと優斗以外の家族全員が緊張していた。これから大金が入るのだ。無理はない。優斗だけは亜空間倉庫(インベントリ)に50億円近いお金があるので余裕の表情をしている。


銀行に入り整理券を取って待つこと20分。ようやく優斗たちの番になった。優斗たちはカウンターに行き手続きをした。全員でロト7を購入したことにして家族全員分の口座を作った。そして通帳を受け取って銀行を出た。


優斗の両親と美香は通帳に記載されている金額を見てニヤニヤしている。優斗は初めて換金で200万近い金額を得たときに嬉しくて笑いが止まらなかったときのことを思い出して家族の気持ちが分かるような気がしていた。


そして優斗は早速貰ったお金の使い道を家族に提案する。優斗は宝くじに当たったら買う物を決めていた。一番初めに欲しかったのは車だ。そしてその次が広い庭付きの大きな屋敷だ。


先ずは、修二に車を買うことを進める。


「父さん、お金が入ったんだから高級車でも買いに行こうよ」


「そんな贅沢して大丈夫なのか?」


修二は得たばかりのお金を直ぐに使って良いのか躊躇う。その気持ちは和子にも分かった。いままでこのような大金を見たことが無い。それなのにいきなり高級車を買いに行こうというのだ驚いて当たり前だ。


「問題ないよ。父さんたちは仕事を辞める気はないんでしょ?」


「会社を辞める気はしないな」


修二と和子はまだまだ働き盛りの40代だ。いくら億単位のお金が入ったと言っても仕事を辞める気はなかった。そのことは優斗も知っている。


「私も会社を辞めようとは思わないわよ。これから広い家を買ってお手伝いさんを雇うのでしょ。仕事を辞める理由が無いわ」


二人とも現金の入った通帳を見ても仕事を辞めようとは思っていないようだ。優斗はそんな二人を見て安心する。そして余計に高級車を薦めたくなった。


「それなら高級車くらい買わないと100歳まで生きるとしても通帳に入っているお金を使いきれないよ」


「そうなのか?」


「父さんたちは40代でしょ。あと60年生きるとして1年間に400万円使い放題だよ。そうしないと宝くじで当たったお金はなくならない。勿論、一人で400万使い放題だからね。夫婦だと1年間に800万円使い放題になるんだよ。そのうえ働いて給料は入ってくるし俺が家を買うから家のローンも無くなるんだよ。一年間で生活費を合わせて1千5百万円使ってもお金が余る計算だよ。高級車くらい余裕で買えるよ」


修二は優斗の話を理解した。一年使う分のお金で車を買ってもまだ毎年お金を使う余裕がある。それなら憧れだったベ〇ツでも買おうと考えた。男ならベン〇にB〇Wやフェ〇ーリといった外車には興味がある。


「優斗の言っていることは理解した。俺も高級車が欲しいと思ったよ。ベ〇ツを買いに行こう。今ある車は下取りに出せばいいだろう」


「話が早くて助かるよ。俺も車が欲しいんだよね。未成年では車の所有が認められていないから父さんには俺の代わりに車を買って欲しいんだ」


優斗は自分が日本で好き放題して過ごすためには自由に出かけることが出来る車が必要だった。これから退魔師になって所得税や固定資産税に相続税などを払わなくてもよくなる。そのおかげで優斗は自分の不動産会社を立ち上げようと思っていた。


異世界で得たお金で不動産を購入すればいいと思っているのだ。退魔師になれば税務署に所得を申告しなくても良いので異世界で得たお金は使い放題だ。それに株もやろうと考えている。スキル未来視でこれから値上がりする株を知ることが出来る。


その株を買って儲ける考えだ。その不動産会社で株も管理すれば良いと考えていた。そしてそのお金や土地や建物を子孫に残そうと思っていたのだ。


「優斗も車が欲しかったのか?」


「えっ!? お兄ちゃんも車を買うんだ?」


美香は優斗が車を欲しがっているのを見て不思議に思う。優斗は16歳だ車の免許を持っていない。なのにどうして優斗が車が欲しいのかと思った。


「うん、男なら車が欲しいのは当然でしょ?」


修二も男だから優斗の気持ちは理解できる。だから反対はしない。でも優斗は免許を持っていない。そのことを聞きたかった。


「でも、誰が運転するんだ?」


修二の質問は最もだ。買った車を修二が運転するなら優斗が車を買う必要はない。修二が買う車だけで十分んだ。


「運転手を雇おうと思っているんだ。俺は異世界で得たスキル未来視があるからね。これから簡単に株で稼ぐことが出来ると考えている。だからお金は使わないとなくならないよ」


「お前にはそういう能力があるのか?」


修二は優斗が神様に会って自分たちが神様の子孫だと話した時に優斗がいろいろなスキルを得たことを聞いていた。でもそのことを忘れていた。


「そうだよ。その力でロト7で一等を当てたんじゃないか。このまえ説明したでしょ」


「優斗はそうやってロト7を当てたって言っていたわね」


和子は優斗の能力を改めて規格外だなと思った。修二も自分の子供の能力に感心した。


「そうだったな。忘れていたよ。俺の車から選びに行っても大丈夫か?」


優斗はこの日のためにパソコンで車の情報を集めていた。そして欲しい車を選んでいた。もう異世界から帰ってきてから直ぐに優斗はどうやって日本で楽しもうか計画を立てていたのだ。


「構わないよ。俺が欲しい車は決まっているから。父さんの車を選びに行こう」


「なになに車を買いに行くんだ? 美香にも選ばせてね」


美香も車を買うことに興味を持っているようだ。でもそのことに修二は不満な顔を見せた。修二は自分が乗る車は自分で選びたいと思っていた。いくら可愛い娘の願いでもそれだけは譲れないと思った。


「それはだめだ。お父さんが車を選びたい」


「私も車が欲しいわ。一人で出かけるときに必要だもの」


和子も自分の車が欲しいようだ。しかし家には1台分の駐車スペースしかない。


「お母さんの言うことは理解できるけど家の駐車スペースは一台分しかないぞ。優斗の車は何処に駐車するんだ? 駐車する場所が無いと車庫証明を取れないから車は買えないぞ」


修二の心配はもっともなものだ。修二は優斗が駐車場を借りてそこで車庫証明を取ると思っていた。しかし、優斗の答えは違っていた。


「それに関しては問題ないと思うよ。新車の車を買って納品までに半年かかるそうなんだ。それまでに駐車場の広い家を買えばいいんだよ。俺が2億払うから広い家と広い庭と5台くらい車が止められる駐車場がある物件を買えばいいよ。それなら美香が車の免許を取った時に車を買っても大丈夫でしょ」


優斗はすでにそういうことまで考えて行動していた。修二は優斗の準備の良さにあきれてしまっていた。そして優斗の考えを支持する。そうすれば和子の車も買うことが出来ると思った。


「そういう考えがあったのか? それなら早く家も探さないといけないな」


「俺も一緒に探すよ。学校をやめたから時間があるんだ」


「俺は今週いっぱい有休をとっているから二人で不動産を回るか?」


「そうしようよ」


「美香も家を一緒に見に行きたい」


「私も時間があれば一緒に見に行きたかったわ」


「母さんには仕事があるし美香には学校があるだろ。母さんたちの要望にあった家に俺が改装するから心配しないで良いよ。そういう能力が俺にはあるんだ」


優斗の両親と美香は彼の言葉に驚きを見せる。家を改装する能力まで優斗が持っているとは思ってもいなかった。優斗と同じ能力を持っている美香でも家を改装すること様なスキルは持っていない。出来るのは空間を広げる時空魔法くらいだ。


「お兄ちゃんは私が持っていないスキルを持っているのね」


「そうなんだ。ゴッドスキルとエキストラスキルは他の人に与えることが出来ないんだよ。ゴッドスキルで内装を創造して作り直そうと思っているんだ」


「家の改装は建築許可が必要だぞ。大丈夫なのか?」


「ばれなきゃいいんだよ。そんなの気にしないよ。ばれても闇魔法でごまかすよ」


ばれなきゃいいという優斗の言葉に修二と和子は眉間にしわを寄せる。美香はあくどい顔をしている優斗に驚く。


「お兄ちゃんが犯罪者になっちゃうよ」


「優斗、そんなことをして大丈夫なの?」


「平気だよ。気にしないで。快適な生活環境を作るくらい良いじゃないか? それだけの能力を持っているんだから使わなきゃ損でしょ」


「分かったよ。取り敢えず、車を見に行こう」


そうして優斗たちは車を買いに行くことになった。

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