表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/124

068 祈里とゲームセンターへ②

優斗は次に遊ぶゲームにガンアクションゲームを選んだ。ソンビを銃で殺すゲームだ。祈里をそのゲームがある方に連れて行く。祈里は素直に優斗の隣を歩きついていく。その時に祈里は自分をアピールするように優斗の腕に抱き着く。


優斗はそんな祈里の行動にドキドキが止まらない。とても恥ずかしくなり、顔がほてるのが自分でもわかるくらいだった。今周りの人が優斗の顔を見たら耳まで真っ赤になっている優斗に気付くのではないかと気が気ではなかった。


周りの視線が優斗と祈里に集まる。ただでさえカッコいい優斗と綺麗な祈里のカップルはゲームセンター内で目立っていた。


「このゲームを二人でやろう」


「いいですよ」


優斗は二人分のお金を入れる。そしてガンシューティングのゲームが始まった。ゲームが始まって暫くすると優斗と祈里の周りに人が集まりだした。


車のゲームと違いコントローラーとかを使わないで体を動かすゲームだったので二人の運動神経と動体視力良さがこのゲームでは発揮された。


優斗のスキル照準とスキル未来視も上手く機能している。そして二人はどんどんステージをクリアーしていく。結局最後のステージまでクリアーした。二人ともそれは見事なガンさばきだった。


それを見ていた周りの人が拍手をし始めた。二人は周りの人に見られているのが恥ずかしくなり優斗は祈里の手を握ってすぐにその場を後にした。


「大分、白熱したね」


「多くの人に見られているのに気づきませんでした」


気配を読める祈里が周りにいる人の気配を感じないくらいゲームに集中していた。優斗もゲームに集中していて他人の気配に気づいていなかった。二人とも気配に気づけなかったことをすこし恥じていた。


そして、メダルゲームのコーナーに向かった。優斗は二千円分メダルと両替して半分を祈里にあげた。


「有難うございます」


「気にしないで。次は競馬のゲームをしようよ」


優斗は競馬のゲームでスキル未来視を使いメダルを荒稼ぎした。そしてどんどんメダルを増やしていく。祈里は途中でメダルがなくなってしまうが優斗が稼いだメダルを祈里に渡す。


祈里は何度も1着の馬の番号を当てる優斗のことを不思議に思った。そして何かの能力を使っていると見抜いた。


「優斗さん。もしかして何かスキルみたいなものを使っていますか?」


「ばれたか。そうなんだスキルを使っている」


「ズルじゃないですか?」


祈里は頬を膨らませて見せる。その姿が優斗にはたまらなく可愛らしく見えた。そしてそんな祈里と仲良くしている自分が幸せに思えた。自分にこういう日が来るなんて優斗はいままで思いもしなかった。


いままではそう言うカップルを見て羨ましく思っているだけだった。女性と話をするどころか「あっちにいって」とか「近づかないで」とか言われることばかりだったので女性と遊ぶことが出来るようになるなんて思いもしなかったことだ。


「今日くらいいいでしょ。ほらメダルを上げるよ。祈里さんのメダルが少なくなっているし」


「あ、有難うございます。でも、ズルは今日だけですよ。今日だけは見なかったことにします」


「分かったよ。今日だけだからさ。そのかわり今日はとことんメダルを稼ぐぞ」


「はぁー。反省していませんね」


祈里は反省の姿を見せない優斗にあきれてしまう。でも今日だけは特別と割り切ることにした。


次のビンゴゲームも二人で楽しんだ。ビンゴゲームでも優斗はメダルを荒稼ぎしていた。四つの角を回転させて数字を変えていきビンゴを当てるゲームだった。そこでもスキル未来視とスキル高速思考は役に立った。


いくつものビンゴを当ててメダルを稼ぎ放題だった。祈里は特になにも言ってこなかった。そして時間が過ぎていく。朝の11時に待ち合わせをしてケーキを食べていたのでお昼はまだ食べていない。


大分お腹がすいてきたのでそろそろお昼を食べに行っても良いかなと優斗は思った。お昼もかなり過ぎていたので優斗このあたりでゲームを終えて食事に行こうと考えていた。でも優斗は最後にラノベでおなじみのクレーンゲームに挑戦したかった。


「次はクレーンゲームをしてみようよ」


「そうですね。行きましょう」


その場所には三台のクレーンゲームがあった。ひとつは東京リ〇ンジャーズのキャラクターにデフォルメされたぬいぐるみが入っていた。もう一つにはおさる〇ジョージのぬいぐるみが入っていて最後のクレーンゲームには夏目〇人帳のニャン〇先生のぬいぐるみが入っていた。


「祈里さんはどのぬいぐるみが欲しい? 取れるか分からないけど頑張るよ」


優斗はぬいぐるみを取って祈里にプレゼントする気でいた。そのためにいろいろなスキルを組み合わせるつもりだった。


「そうですね。猫のぬいぐるみが可愛いのでそれが欲しいです」


「それじゃあ、それに挑戦してみるよ」


優斗はニャ〇コ先生のぬいぐるみが入ったクレーンゲームの前に立つ。そしてスキル未来視でいくつものぬいぐるみを取るパターンをスキル多重思考とスキル高速思考を使いシュミレーとしていく。そしてぬいぐるみを取る未来を見つけ出した。


後はスキル照準を使って狙い通りにクレーンを動かす。優斗は見事にニャ〇コ先生を無事にゲットすることが出来た。それを祈里に渡す。


ぬいぐるみを渡された祈里は嬉しそうな顔をする。生まれて初めて好きな人から貰ったぬいぐるみだ。嬉しくないはずがない。


「有難うございます。大事にしますね」


嬉しそうに微笑む祈里。その可愛らしい笑顔を見て優斗は見惚れてしまう。一瞬二人は無口になる。そのことに優斗は気付き口を開く。


「そろそろお腹もすいてきたし食事に行こうか?」


「良いですよ。でも、その前にプリクラに行きましょう」


祈里の提案を聞いて優斗と祈里はプリクラのあるコーナーに向かった。二人はプリクラの中に入った。そしてプリクラのアナウンスを聞きながら操作を進めていく。優斗は初めてだったが祈里は何度かプリクラを利用したことがあるようで手際よくプリクラを操作していく。


そして、プリクラのアナウンスに従っていろいろなポーズで写真をとる。最後に祈里は勇気を振り絞って優斗の腕に腕を絡ませて顔を優斗の方に近付けて祈里の頬と優斗の頬がくっつく。優斗はそのことに戸惑いを見せる。そして二人の頬は真っ赤になる。


そしてシャッター音が鳴った。二人は画面に映った自分たちの姿を見て恥ずかしがる。そして落書きタイムは祈里が担当した。


「最後はすみませんでした」


「良いよ。気にしてないから。それに祈里さんの様な綺麗な人にあんなことされて嫌がる男はいないよ」


「……そう言ってもらえると嬉しいです」


二人はお互いを見てまた顔を赤らめる。そしてプリクラを取って半分に切り二人で分けた。祈里は直ぐにスマホのカバーにプリクラを張った。その時の顔はとても嬉しそうだった。優斗はプリクラを亜空間倉庫(インベントリ)に仕舞う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ