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059 家族への秘密の告白

食事を終えて優斗は真剣な顔をする。そして異世界のことや自分のことを話すことにした。自分のことに関しては醜かった時のことは伝えない方針だった。


「みんな、聞いて欲しいことがあるんだ」


美香は優斗のその言葉に川原で魔法を使ったことについて話すのだろうと思っていた。


「なんだいきなり。真剣な顔をして……」


「お父さん、俺が前に学校で虐めにあっているってことを話したよね」


「そんなことあったな」


「そのことなんだけど。どうやらお父さんと俺と美香は神様の子孫らしいんだ。そのことが要因で虐められることになったんだ」


家族は優斗がいきなり自分たちを神様の子孫と言うのでびっくりした。


「「「えっ!」」」


そして優斗の頭が変になったんじゃないかと疑う。でも、優斗を見えると真剣な顔をしている。


「なんの話だ? 神様の子孫ってなんだ? 突然すぎて言っていることが理解できないんだが……」


修二は困ったような顔をする。それもそうだろう。普通に暮らしている自分がいきなり神の子孫だなんて言われてもぴんと来ないのが普通だ。


「ごめん、最後まで黙って俺の話を聞いて欲しいんだ」


「分かった」


「私もわかったわ」


美香は何も言わないで優斗に顔を向ける。優斗は頷いて話を続けた。


「理解に苦しむとは思うけど俺たちが神様の子孫と言うのは間違いないんだ。俺が虐められていて苦しんでいるときに誰でもいいから助けてくれって願ったんだ。その時に神様に会うことが出来たんだ。そしてこのニーベルリングを貰ったんだ」


優斗はそう言い右手を上げてニーベルリングを家族に見せる。家族はそのリングを見つめる。


「神様が言うには俺が神様の子孫として生を受けたときに邪神が俺に対していたずらをしたらしいんだ。そのせいで俺は人から嫌われるような人間になったらしい。そのことを憂いた神様が俺にニーベルリングを与えてくれたんだ。直接神様と話したから間違いはないよ。そしてこのニーベルリングは凄い力を持っていたんだ」


今でも優斗の言っていることは修二には信じがたいことだった。それでも優斗の腕に嵌っているリングから何かを感じる。修二も神様の子孫なのでわずかだが魔力を持っている。それでニーベルリングが保有している無限の魔力を感じることが出来たかもしれない。


「そんなことがあったのか? 信じられないが本当のことなんだな」


「ああ、本当のことだよ。そして、このニーベルリングには力が秘められていた。それとこのリングには異世界に行くことが出来るドアがしまわれている。俺はその異世界に行くドアを使って異世界に行き、そこでレベルを上げて強く成ったり魔法を覚えたりした」


優斗はそう言って川原で美香に見せたように火の玉を浮かべて見せた。両親は火の玉を見て驚いた顔をする。


「おー!!」


「凄いわね」


「その魔法を見たら信じるしかないな」


修二と和子は優斗の話を少しだけ疑っていたが目の前で魔法を見せられて信じる気になった。


「そうね。優斗を信じるわ」


「俺はこの力を使って虐められている現状を変えた。そして特別なスキルを使って宝くじを当てたんだ」


「そうだったのね」


「ロト7なんて簡単に当たらないと思っていたがそう言う理由があったのか?」


修二は優斗がロト7を当てたのはとても運が良かったと思っていたがそうではなく異世界で得た力でロト7くじを当てたと聞いて納得した。


「そうなんだ。今日、みんなに話したのには理由がある。俺と美香は今日、ヤンキーのグループに襲われた。でも俺は異世界で強くなっていたから俺と美香には被害が無かった。でも、もし美香だけだったらそのヤンキーグループに美香は(なぐさ)み者にされていかもしれない。そんなこと赦されることじゃないだろ。そんなことを考えたとき美香にも強くなって欲しいと思った」


優斗の話を聞いて修二と和子は驚く。自分の子供たちがヤンキーに襲われたことがショックだった。でも何もなかったと聞いてほっとした。


「そんなことがあったのか?」


「うん、お兄ちゃんに助けてもらった。お兄ちゃんがいなかったと考えたら恐ろしいよ」


美香は体を震わせる。美香はブラックゼレルに襲われたときにもう自分の人生は終わったと思ったぐらいだ。でも、そういうことにはならなかった。優斗がたすけてくれたからだ。


「ヤンキーグループのことだけじゃないんだよ。お父さんたちは知らないと思うけどこの世界には妖魔という化け物がいて人を襲っているんだ」


「それは本当のことなのか!? そんな化け物がいるのか?」


いきなり妖魔と言う化け物がこの世界にいると言われても一般人には伏せられている情報なので修二たちが信じられないのも仕方がない事だ。


「信じられないと思うけど本当のことだよ。俺はその化け物に襲われている人を助けたことがあるんだ」


「優斗の言うことだ。嘘はないだろう。信じるよ」


「私も信じるわ。優斗、危ないことだけはしないでね」


修二と和子は心配そうな顔で優斗を見る。自分の息子が妖魔と言う化け物と戦ったことが心配だった。でも優斗は元気で目の前にいるので安心する。


「心配はいらないよ。俺は強いから。それで、そんな化け物に家族が襲われると考えるととても恐ろしく思う。だから家族を守りたいと思った。化け物に美香が襲われる確率は低いと思うけど美香は美人だから男に襲われる確率は高いと思う。だから俺は美香を異世界に連れて行って強くしようと思う。お父さんたちはどうする?」


「美香はどうしたいんだ?」


「私は魔法を使ってみたい。それに男たちに襲われたとき、とても怖かったの。もうあんな思いをするのはいや。お兄ちゃんに強くしてもらう」


修二は美香の言うことに納得がいくような顔で頷いた。修二は優斗のことを信じていて優斗の言っていることを本当のことだと思った。


「優斗、美香のことは頼む。でも俺はいい。お母さんはどうだい?」


「私も遠慮するわ。異世界なんて考えられないもの」


「二人の言うことは分かったよ。でもこれだけは受け取って……」


優斗はオリハルコンで腕輪を作り、魔力10万と自動防御と身体強化にサイズ自動調節にアイテムボックスと毒耐性を付与した。毒耐性は妖魔の瘴気や毒から守ってくれる。それを二つ作って両親に渡した。


そして両親の頭に手をのせその腕輪の使いかたを教えた。修二と和子は腕輪の使い方を理解した。


「これがあれば妖魔から身を守れるよ。これで腕輪の使いかたが分かったでしょ」


「優斗ありがとう。これで身を守れるよ」


「優斗、ありがとうね」


「美香にはこれを渡しておく」


美香にはシャルルにあげた腕輪と同じものを渡した。そして優斗が持っているスキルを美香に渡しシャルルと同じ状態にした。そしてスキルや魔法の使いかたを美香に記憶させる。


「お兄ちゃん、魔法の使いかたとかいろいろ頭に入って来た。これで私も魔法が使えるの?」


「ああ、使えるぞ。亜空間倉庫(インベントリ)も使えるようになっているぞ」


「嬉しい、ありがとう」


美香は満足したような顔をする。


「美香の異世界でのレベル上げは来週末あたりで良いか?」


「それで構わないよ。私も異世界に行けるんだ。楽しみー」


それから優斗は異世界であったことなどを家族に話してお開きになった。優斗は部屋に入ると明日祈里とどこに行こうかスマホをググった。そして湊というカフェの人気店に連れて行くことに決めた。


場所が決まったら優斗は何時ものようにネット小説の続きを読む。そして11時に眠りについた。

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