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029 ダンジョン攻略

優斗がダンジョンのラスボスである最上位悪魔を倒してしばらくすると優斗の目の前に突然少女が現れた。少女は水色の癖のない綺麗な髪をしていて瞳は空のように青い色をしている。肌は白く透き通っているように見える。見た目がとても美しい。


優斗はその少女に目を奪われた。今までに見たことが無いほど美しい少女だったからだ。しばらく優斗は少女を見てぼーっとする。優斗はその少女に見惚れてしまっていた。


「ダンジョン制覇おめでとうございます。私は古から存在するこの深淵の森ダンジョンのダンジョンコアです。あなたのお名前を教えてください」


「俺は九条優斗といいます。九条が家名で優斗が名前です」


「では優斗様と呼ばせて頂きます。これから優斗様をダンジョンコアの部屋に案内させていただきます」


ダンジョンコアの少女がそう言うと優斗は一瞬浮いたような感覚を感じた。それは転移するときに感じる感覚に似ていた。そして一瞬のうちに優斗は森に囲まれた広場から洞窟のように土に囲まれた20畳くらいの部屋の中にいた。


「ここはダンジョンのコアルームです。目の前にあるのが私の本体であるダンジョンコアです。このダンジョンコアは優斗様の物です。ダンジョンコアを破壊するのも優斗様の自由ですし持って帰って優斗様がダンジョンマスターになりどこかにダンジョンを作ることも可能です。またダンジョンをこのままにしてこの地でダンジョンマスターになることも可能です。どうしますか?」


優斗は部屋の中央にある台座の上にあるバスケットボールほどの大きさ薄っすら輝いているように見える球があるのに気づいた。そして優斗は突然少女に告げられた内容を理解して考え込む。


ダンジョンを攻略することを念頭に置いていなかったので優斗は困惑していた。それに急にダンジョンを破壊したりダンンジョンマスターになれると言われてもなんのことだか分からない。


(マスター。ダンジョンコアを破壊しても何も得られません。それにダンジョンコアを持って帰ってダンジョンを消失させるとこのダンジョンで生計を立てている多くの人たちに迷惑が掛かります。また隣の国とは、このダンジョンがあることで戦争になるようなことはないのですが、ダンジョンが無くなればいずれ隣の国とこの国とで、この森の領有権をめぐって戦争が起きることでしょう。それにスキル創造でマスターはダンジョンを作ることが可能です。いつでも好きなところにダンジョンを作れます。ですので、このままダンジョンマスターになることをお勧めいたします)


(俺ってダンジョンも作れるんだね。叡智の考えに従うよ)


優斗はスキル創造でダンジョンが作れると言う事を聞いて改めてスキル創造の凄さを知った。そして、優斗は叡智の申し出に素直に応じることにした。


「ダンジョンはこのままにしてダンジョンマスターになるよ」


ダンジョンコアの少女は優斗の言葉を聞き嬉しそうな顔をする。冒険者の中にはダンジョンコアを破壊して経験値を求める者もいるのだ。その場合、ダンジョンコアの化身は消滅することになる。


「有難うございます。私が死ぬようなことにはならないで助かります。ダンジョンコアを壊すと言われるかと思い悩んでいましたが助かりました」


「ダンジョンコアを壊すと君は死ぬんだね?」


「はい。私はダンジョンコアの現身です。ダンジョンコアは核みたいなものなので壊れたら私は死んでしまいます。優斗様が私のマスターになることを歓迎いたします」


優斗は目の前の少女を殺すようなことにならなくて良かったと思った。


「それでダンジョンマスターになるにはどうしたらいいの?」


「部屋の中央にあるダンジョンコア本体に触れていただくだけで優斗様がダンジョンマスターだと登録されます。さあ、優斗様、ダンジョンコア本体に触れてください」


「分かった」


優斗はダンジョンコアの少女が見守る中ダンジョンコア本体の玉に歩いて近づき深呼吸してダンジョンコアに触れる。一瞬だけ魔力がダンジョンコアに吸い取られるのを感じた。


『個体名。九条優斗を確認。ダンジョンマスターと登録いたします』


室内にそういうアナウンスが流れた。するとダンジョンに関する知識が流れ込んでくる。このタイミングで叡智からもダンジョンに関する知識が与えられた。こうして優斗は深淵の森ダンジョンのマスターになった。


(マスター、ダンジョンに関する知識をインストールしました。これでこのダンジョンで出来ることを理解できたと思います)


(ありがとう。ダンジョンはDP(ダンジョンポイント)で魔物を生んだり薬草を生やしたり宝物を発生させたりすることが出来るんだね)


優斗はDPを使い魔物を生み出せたり宝物を生み出せたりする能力に驚いた。でも、宝物はスキル創造でも作ることが出来ると思った。しかし、スキル創造では生き物を生み出すことは出来ない。その分、ダンジョンマスターになったことは優斗にとってプラスに働くことになる。


(そうです。そしてDPはダンジョンを訪れる人たちや自然に漂う魔力を少しずつ回収してDPに変換されます。ダンジョンで命を落とした者たちからは全ての魔力が回収されてDPに変換されます。魔力を回収してDPになると考えてください。そう考えると無限の魔力を持っているマスターがダンジョンコアに魔力与えると無限にDPをダンジョンコアに与えることが出来ると言うことです。マスターがダンジョンマスターになることでいろいろなことがダンジョンで出来るようになります)


(そのことはダンジョンコアや叡智から得た知識で知ることが出来たよ。俺が地球で読んだことのある小説でもダンジョンでいろいろなことをして生活しているダンジョンマスターの物語を読んだことがある。与えられた知識から俺も同じようなことが出来ると確信できたよ。ダンジョンマスターになって正解だった)


優斗はラノベ小説で読んだことがあるダンジョンマスターを題材にした物語と同じようなことが出来ると喜んだ。そしてダンジョンコアの現身である少女に目を向ける。


「君に名前はあるの?」


「名前はありません。このダンジョンを制覇したのは優斗様が初めてです。この世界にある最難関ダンジョンを制覇したのも優斗様が初めてです。ちなみにこのダンジョンは最上級のダンジョンですよ」


「え? 最上級のダンジョンだったの? 聞いて驚きだよ。今までにダンジョンを制覇した人はいないの?」


優斗はこの世界の長い歴史の中でダンジョンを制覇した人がいないか気になった。


「初級や中級ダンジョンを制覇した者たちは何人かいます。しかし上級以上のダンジョンを制覇したような人たちは居ません」


「上級以上を制覇したのは俺が初めてなんだね。それで君に名前を付けても良いの?」


「ダンジョンマスターにはその権利があります」


「そうなんだ」


優斗は暫くダンジョンコアの少女の顔を見ながら彼女の名前を考える。そして彼女の髪の色や目の色を改めてみて名前を思いついた。


「君の名前はソラにする。特に瞳の色が印象的だからね」


「有難うございます。私の名前はソラ。優斗様に名付けてもらった名前を大切に思います。これから優斗様にお仕えいたします」


「そこまで畏まらなくても良いよ。これからソラにはいろいろ助けてもらおうと思っているから」


「どうぞ私にできることならどんなことでもお命じ下さい」


(マスター。今までマスターは生あるものをスキル創造で作ることが出来なかったので果物などを等価交換で得ていましたよね。ダンジョンマスターの権限でダンジョンで地球産の果物を作るのはどうでしょう)


(俺もそのことは考えているよ。ラノベ小説でもダンジョンで農業をしたりするような話があった。このダンジョンコアに地球産の果物や野菜を登録できればダンジョンでそれらを手に入れることが出来るようだ。深淵の森フィールド以外に地下ダンジョンを増やして果樹園や農園エリアの階層を作ろうと思っている)


(それはいい考えです)


(畜産関係も行うよ。特に牛乳が欲しいと思っていたんだ)


(この世界で出来ることがいろいろ増えましたね)


(ああ、この後町に行って地球産の果物や畜産品を売るお店なんかも開きたいと思っている。レベルも目標に達したし地球に帰って復讐を行った後はこの世界での生活基盤を作ろうと思っている。叡智にも協力してもらうよ)


(任せてください)


優斗は地球で赤城たちに復讐をすませた後どのように過ごすかいろいろと考えていた。その知識はラノベ小説で得た知識に偏っていた。そして冒険者をするか地球産のものを異世界で販売して商売をしようかと考えていた。


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