016 レベル上げ①
優斗はシャルルの前から消えると丁度オークを狩っていたところに転移した。そしてマップを見つめて魔物の反応を見つけた。
「ちょうど東の方向に魔物の反応があるな。森の中心に行くほど魔物のマークの〇の大きさが大きくなっている。ということは東に進むほど強い魔物がいるってことかな?」
(マスターの考えている通りです。東に進むほど魔物のレベルが高くなります。効率よくレベル上げをするならレベルの高い魔物を狩った方が良いですよ。東に進みながら魔物を狩りましょう)
(分かった。東に進むよ)
優斗はマップを見て東にある反応に足を進めた。200mほど進んで魔物が見えてきた。昨日狩ったレベル同等のオークが5匹で獲物を探して歩き回っているようだ。優斗は創造で弓と矢を作った。優斗は小さい時に竹で作った弓と矢で遊んだことがある。
弓で狩りをすることに優斗は憧れを持っていた。スキル弓術は習得済みなので問題はない。照準のスキルも取得済みだ。遠くの獲物を狙うためにスキル千里眼を習得した。木に隠れて息を殺してオークが射程に入るのを待つ。オークが100mの距離まで近づいてきた。
息を殺してオークに狙いを定めて弓に矢をつがえて弦を引く。そして矢を放つ。矢は吸い込まれるようにオークの額に突き刺さってオークは前のめりに倒れた。そして動かない。倒れたオークと一緒に歩いていたオークが声を上げて騒ぎ出す。
「ブヒッヒヒ!!」
「ブヒーー!!」
「ブギャ!」
そして矢の飛んできた方向から優斗の位置を割り出し4匹のオークは走って優斗に近づいてくる。優斗は慌てずにまた弓に矢をつがえて構える。そして息を殺して狙いを定める。そしてまた矢を放つ。
矢はオークの寸分の狂いもなくオークの眉間に突き刺さる。レベル10の弓術と照準のスキルは生半可なものではない。100m離れているオークの眉間に狙い通り突き刺さる。優斗は自分の弓の腕前に驚く。
「狙い通りに刺さったよ」
(当然です。レベル10のスキルは神級ですよ。ただの達人とは違いますよ)
(それでも自分で感心するくらい驚いているよ。今度は鳥でも狩りたいな)
(マスターなら飛んでいる鳥でも百発百中ですよ)
優斗は気を取り直して弓に矢をつがえてまた矢を放った。矢はまた寸分たがわずに眉間に突き刺さりオークは走ってくる勢いのまま前方に転がりながら倒れる。3匹のオークが死んでも残りのオークは優斗を目指して走ってくる。
優斗は剣を抜きオークに向かって走り寄る。そしてオークの側を優斗が通り抜けるとオークの首が刎ね飛ばされて二匹のオークは息絶えた。オークの死体は亜空間倉庫に仕舞森の中心に向かって優斗は足を進める。
向かっている方向にはマップ上に当然魔物の反応がある。オークよりも〇が大きい。強い魔物がいるようだ。その場所に着くとオークジェネラルやオークファイターがいたどの個体もレベル30を超えている。
優斗よりレベルは高いが優斗には身体強化Lv.10と身体強化が付与された指輪がある。ステータスの値は四倍になるのでなにも問題はなく倒すことができた。それからハイゴブリンにハイホブゴブリンなどレベル40台の魔物も現れたが問題なく倒せた。
優斗のレベルは33になっていた。優斗はさらに強い魔物を目指して森の中心に向かって進む。お昼前に差し掛かろうとしたときに一際大きな魔物の反応が現れた。1kmほど進んで魔物が肉眼で確認できる距離まで辿り着いた。500mほど先に体長が5mはある大きなカマキリの魔物がいた。
― - - - - - - - - - -
モーリア・マンティス
種族:モンスター
レベル;65
HP: 1,900
MP: 1,500
攻撃: 1,670
体力: 1,730
防御: 1,600
知恵: 500
敏捷: 2,400
― - - - - - - - -
真直ぐ森の中心に向かってきたかいがあった。今まで遭遇した魔物よりレベルが高い魔物に優斗は出くわした。しかもステータス値が四倍の優斗に迫るステータス値を誇っていた。優斗は自動防御の指輪を当てにして勝負を挑んだ。
スキル隠密は優斗のレベルがモーリア・マンティスより低いのであてにならない。優斗は正面からモーリア・マンティスに挑むことにした。足に力を込めてモーリア・マンティスに向かい走る。
そして目の前まで辿り着くと飛び上がり首を刎ねようと剣を振るう。しかしモーリア・マンティスは鎌で剣を受けきった。そしてもう一方の鎌で優斗を攻撃してくる。優斗の武器は剣が一本だ。モーリア・マンティスの攻撃を受ける武器が無い。
鎌は優斗を切り裂く寸前に自動防御によって防ぐことができた。しかしその勢いは殺しきれずに優斗は弾きとなされる。優斗は直ぐに立ち上がりモーリア・マンティスを睨みつける。
ステータス値が互角で二刀流の魔物に剣一本で立ち向かうことがいかに無謀であるかを優斗は理解した。直ぐに創造で二刀流Lv.10を獲得して鋼鉄の剣をもう一本創造する。そして優斗も両手に剣を構えて二刀流で対抗する。
二刀流で剣を構えた優斗に鎌の斬撃が襲い掛かる。優斗はそれを避けずに自動防御で受ける。無理に避ける必要はない。斬撃の勢いで優斗は後方に少しだけ押しやられる。
優斗も負けずにアイスジャベリンを放つ。アイスジャベリンはモーリア・マンティスに当たりHPを削るが致命傷を与えることはできなかった。魔法にモーリア。マンティスの意識が剥いている隙に優斗はモーリア・マンティスの腹に切りかかる。
その攻撃をモーリア・マンティスは鎌で受けきった。二本の剣と二本の鎌が交差する。それから何度もモーリア・マンティスに斬りかかるが全て鎌で剣はふさがれた。モーリア・マンティスも鎌では勝負ができないと諦めたようで動きを変えてきた。
モーリア・マンティスは羽を広げて上空に飛び『ウィンドストーム』を放った。優斗は自動防御で受けても良かったが吹きとばされるのが嫌だったので『ウィンドストーム』に魔力のこもったエアハンマーをぶつけて弾き飛ばした。
そしてモーリア・マンティスに『ダウンバースト』を当てて地面に落とした。そして『ロックランス』を空から降らしモーリア・マンティスを地面に釘付けにした。動かなくなったモーリア・マンティスの首を剣で刎ねようとしたが剣が通らなかった。
暴れるモーリア・マンティスの首を魔力こもった『エアカッター』で切り飛ばした。モーリア・マンティスを一匹狩っただけで優斗のレベルは8も上がっていた。これでレベルは41になった。
優斗はモーリア・マンティスの首を断ち切れなかった剣を見ると剣はボロボロに刃こぼれしていた。優斗は剣を捨ててミスリルでできた剣を創造した。そして切れ味アップに自動修復と攻撃力増大の魔法を付与した。




