122 シャルル初カラオケデビュー
美香たちは駅前にあるにゃん太郎というカラオケボックスに辿り着いた。そしてフリータイムとフリードリンクのコースを選んで店員に部屋に案内される。
そして、各自フリードリンク用のコップを持って飲み物を選びに行く。飲み物を選ぶと直ぐに部屋に戻る。すると、早速昴が曲を入れる。
いつもカラオケに行くと昴がノリノリの曲を先に入れてその場を盛り上げてくれていた。今日も昴はこの日の為に新曲を覚えて来ていたのだ。勿論、その曲をカラオケに入れてある。
そして順番よく全員が曲を入れていく。シャルルは外国から来たことをアピールするためにアメリカのビルボードにのっている曲を入力した。
早速、昴の入れた曲がかかった。その曲は優斗が覚えさせてくれた知識で美香もシャルルも知っている曲だった。A〇oの〇時代という曲だった。知っている曲を聞くのと知らない曲を聞くのではノリが変わってくる。
カラオケに来る前に優斗から曲を教えていてもらって良かったと二人は思た。
「じゃあ、早速私がうたって盛り上げるね」
「「「「イエーイ!!」」」」
そして昴の声がカラオケボックスに響く。昴はカラオケで先頭を切るほど歌が上手かった。それにAd□の様に力強い曲に声があっていてかなり盛り上がる。そしてサビの部分は全員が知っているようで全員が声を大きくして歌う。
シャルルはカラオケに来たのは初めてだったが全員のそのノリに合わせて歌を大声で歌う。大声で歌を歌うとストレスが全部発散されるようですごく楽しい。シャルルはいつの間にか昴の歌う歌に夢中になっていた。
昴の歌が終わると全員がコップを持って昴に乾杯する。
「昴、お疲れ。今日もノリノリだね」
「もちろんよ、美香。そのために今日はこの曲を覚えて来たんだから」
「A〇oっていいよね。ぶっきらぼうな歌い方だけど聞いていて気持ちいい曲ばかり歌っているしね」
「樹もわかっているじゃん。そうなのよね。うっせ〇わでブレイクしたけど他の曲も聞いてみるといい曲が沢山あるのよ」
樹はA〇oの曲のノリノリなところや反抗的な歌に魅了されていた。それで最近はA〇oの曲をよく聞いていた。
そして次の曲のイントロが流れる。マイクを持ったのは美香だった。曲もシャルルが知っている曲だった。Ai〇erの残響〇歌という曲だった。この曲もノリがいい曲だ。なんとなくA〇oと同じような感じの歌い方だなとシャルルは思った。
「次は私でーす。盛り上げてよね」
そうして美香が歌い始める。するとみんなが驚いた顔をする。どう聞いても今までの美香の歌声と何もかもが違っていた。樹たちは美香の声を聞いて呆気にとられる。
「凄い、美香がいつもと違う」
「そうよね。こんなに太い声を出すことが前は出来ていなかったのに」
「樹、香織。美香が歌うのが上手くなっているよね。まるで別人になっているみたい」
「私もそう思った。今日の美香はいつもと違うよね」
「昴もそう思ったんだ。どうやら聞き間違いじゃないみたいね。でもノリノリで歌っいているし、あとでどうして歌が上手くなったか問い詰めようよ」
「そうよね。香織の言う通り気になるから聞いてみようよ」
美香が歌い始めて曲のサビの部分にさしかかる。サビの部分はみんなが盛り上がる。この曲はアニメの主題歌になっているので全員が歌うことが出来た。美香が終わるとやはり全員が『イエーイ!!」とハイタッチする。だいぶその場の熱が上がってきた気がする。
「美香、いつの間にそんなに歌が上手くなったのよ。今までと全く声の質が違うじゃないの?」
「それは教えられませーん。私が歌を歌うのが上手くなってもいいじゃない」
「それは美香の言うとおりだけど気になるじゃない」
「昴、乙女には秘密が多いものなのよ」
「なによ、そうやって話を誤魔化せるつもりなのね」
「そうなんです。ほら樹の曲が始まっちゃうよ」
次に樹の入れた曲のイントロが流れてきた。樹は去年流行っていた曲を入れていた。優〇のドライ〇ラワーという曲だった。優斗が気を利かせて去年はやっていた曲を教えていてくれたことにシャルルは感謝した。
「はいはーい、次は私の番でーす。スローナ曲だけどシーンとしないようにね」
スローなイントロが流れて樹が歌い出した。それでもその曲を歌っている〇里も投げやりなうたいかただった。シャルルはこういう曲が今の流行なのかと思った。そして自分が居れた曲に間違いが無かったと安心した。
シャルルがカラオケに入れたLi〇zoの曲は投げやりな感じではないがノリがいい曲だ。
みんなはスローな曲なので樹の歌を静かに聞く。そして曲を樹が歌い終わるとやはりみんなは乗りよく『イエーイ』と乾杯する。美香たちの間ではそれが流行りのようだ。
そして香織の歌う歌のイントロが流れ出す。香織は椅子から立ち上がりマイクを手荷物。そして歌い出した。その曲はあ〇みょんのマリ〇ールドと言う曲だ。ここにきて少しほっとする曲に全員が耳を傾ける。
それでもやはりサビだけは全員で大合唱になる。香織の歌が終るとシャルルの番が来た。
「次はシャルルだよね。何を歌うかたのしみね」
香織はそう言いシャルルにマイクを回す。シャルルはそのマイクを受け取る。
「みんなが知っているかは分からないけどNPOに保護されてからアメリカにいたころに流行っていた曲よ」
そうするとシャルルの歌う曲のイントロが流れる。ここにいるメンバーでその曲がどういう曲か分かっているのはシャルルと同じ様に優斗に知識を与えられた美香だけだった。
シャルルがLi〇zoのAbout Da〇n Timeの曲が流れても誰も反応しない。ただリズムカルなノリの良い曲と言うことは理解したのか足踏みをしてみんながリズムをとっている。
シャルルは初めて歌うカラオケだがきちんと歌い出しにつまずくこと無く歌うことが出来ていた。英語の歌なのに字幕も母国語のように読むことが出来る。ここでもスキル言語理解がいい仕事をしている。
シャルルは初めて歌うカラオケに感動していた。そして歌を歌うという楽しみを今日知った。周りを見ると知らない曲だろうに美香たちがリズムに乗って体を動かしている。
シャルルはそのことに感謝して歌を歌い続ける。
「シャルルさんも歌が上手いのね。本当の歌手みたいなんですけど?」
「樹もそう思うのね。シャルル姉は特別なのよ。綺麗なだけじゃなくて歌も上手いのよ」
樹の驚いた顔を見て何故だか美香が自慢気な顔をする。シャルルのことを褒められると何故だか美香は嬉しかった。
「シャルルって顔は綺麗だし、この歌声でしょ。歌手になったら絶対に売れるよね。どこかのオーディションにでも出て見たほうが良いんじゃないかな?」
「香織の言ってることは当然の事だと思うな。美香、どうなの? シャルルを芸能界デビューさせる気はない?」
「昴までそういうことを言うのね。あまり芸能界とか関心を示さないのに」
「美香、シャルルを見ているとそういう気持ちになるのよ。だって女の私から見てもシャルルさんは綺麗だもの。それに歌もうまいし、いうことなしじゃない」
美香は昴にそう言われて少しその気になってきた。どうせなら自分とユニットを組んで二人でデビューするのもありかなと思った。曲は優斗に作曲と作詞ができるスキルを貰えばいい。
美香はそのことに気がついて日本でやりたいことを見つけた気がした。
(これは、カラオケが終ったらシャルル姉と話し合いが必要だよね。シャルル姉が乗り気だったら二人でメジャーデビューするのも良い気がしてきたよ)
美香がそう考えている時にシャルルの歌はサビの部分にきていた。美香しかその曲を知らないので一生懸命に美香はシャルルを応援するために声を張り上げてその場を盛り上げる。
美香が英語の曲を流暢に歌っていることに樹たちは驚いた表情をする。美香は学校では優等生で通っている。英語の成績も悪くはない。でも今のように流暢に英語が話せていたわけではない。
歌が突然上手くなったことと言い、英語の歌を歌えることと言い、美香が今までの彼女と別人の様に三人には思えていた。
シャルルの曲が終わると4人は『イエーイ』と乾杯する。
「シャルル、歌は知らないけどシャルルが歌うのが上手いという事は分かったよ。初めて聞いたけどすごくいい曲だったと思うよ」
「ありがとう。樹。私は今日初めてカラオケというものに挑戦したけど、とても楽しいわね。気に入ったわ。また連れてきて欲しいと思っているわ」
「シャルルの都合が合うときがあればまたこようね」
「そうね。昴。また来たいわ」
シャルルの番が終わると二巡目に入ってまた昴の番が来た。こうして6時間もシャルル達はカラオケボックスにこもって歌いまくってた。そして、フリータイムの終了時間になりカラオケボックスを出る。




