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118 家族にシャルルを紹介する

食事始めると和子は異世界で優斗がどのように暮らしていたか気になりシャルルに聞いてみることにした。


「シャルルさん、優斗は異世界でどの様に過ごしていたの?」


「優斗は毎日ダンジョンの森に行ってレベルをあげていました。そして私に地球の美味しい食べ物を食べさせてくれました。私が優斗の世話をしていたのではなく、優斗に私がお世話になっていたようなものです」


「母さん、リアースは中世のヨーロッパの様な所なんだ。農民は食べるのを得るのにも苦労するようなところだっいたんだよ。シャルルさんはそんな世界の農村で暮らしていたからとても質素な暮らしをしていたんだ」


和子は優斗の説明でシャルルが江戸時代の農民の様な暮らしをしていたと想像した。


「そうなのね。シャルルさんは苦労していたのね」


「はい、私は孤児だったということもありとても苦労しました。でも優斗に出会って生活が一変しました。今ではとても優斗に感謝しています」


「ありがとう、シャルルさん、そう言われると嬉しく思うよ」


「お母様も優斗の持っているマジックバックのことは知っていますよね。その中から取り出した食材で作る料理はとても美味しい物でした。平民である自分では食べることが出来ない料理をいろいろと食べさせて貰いました。それまでの食べ物は畑で採れた野菜を塩だけで味付けしたものしか食べたことが無かったんです。それに今着ているような綺麗で高価な服も貰えてとても嬉しかったんです」


シャルルの説明で彼女が食べるものもろくに無く、服も質素な物を着ていたのだろうと和子は思った。そんなシャルルが優斗に出会って生活が変わったことで優斗に感謝していることがシャルルの表情を見て分かった。


今の日本では考えられない様な過酷な環境でシャルルが生活していたのだと和子は改めて認識した。そんなシャルルが日本にいる間は美味しい料理でもてなしてあげようと思った。


「やっぱり貴族とか平民んだとかいう制度がある国にシャルルさんはいたの?」


「はい、私がいた国はウクライーナ王国と言って王政の国でした。貴族が居て平民を支配しています。貴族は贅沢な暮らしが出来ますが一部の平民を除いた人達は貧しい生活をしているんですよ。私は特に田舎の農村で育った孤児だったので苦労しました。私は優斗から地球の知識を貰っているのでこの国の人とウクライーナ王国の一般的な人との生活の違いが分かるんです」


和子と修二には封建制度で平民がどれだけ虐げられて生活をしているのか想像できなかった。それでもテレビのドラマや歴史などで勉強した知識で平民は良い生活が出来ないことを知っている。


シャルルが封建制度の田舎の農村で孤児として育ったと聞いてとても苦労したに違いないと思った。


「シャルルさんの住む国では貴族以外の平民は苦労しているんだね。そんな中でいろいろなスキルを持っている優斗に出会ったことは凄い偶然だったんだね」


修二は偶然に優斗と出会ったことでシャルルの人生が変わってしまったのだと思った。優斗に出会わなければ異世界の農村で貧しい暮らしをしていたシャルルが地球の日本に来ることはなかったと思った。


「はい、そんな偶然のおかげで私はこうして豊かな暮らしが出来ています。そして日本にもやって来ることが出来ました。全て優斗のおかげです」


「シャルルさんが優斗に感謝していることは分かったわ。優斗はシャルルさんの役に立っていたのね。偉いわ。優斗」


「それほどでもないよ。それだけ俺の持っているスキルが凄かっただけだよ。シャルルさんに食べ物をあげたり服をあげたりすることが容易に出来るようなスキルを持っていたからでできたことだよ」


「スキルと言えばシャルルさんが流暢(りゅうちょう)な日本語を話しているのはなのか特別なスキルを持っているのか?」


修二は異世界から来たシャルルが流暢に日本語で話していることに違和感を持っていた。しかもちゃんとした丁寧な言葉でしゃべっている。どうみてもシャルルは日本育ちの外国人にしか見えない。


シャルルと初対面ならシャルルが異世界から来たなんて到底気付かないだろう。


「そうだよ、父さんが言うように俺や美香にシャルルさんは言語理解と言うスキルを持っているんだ」


「お父さん、言語理解のスキルは凄いんだよ。異世界の言葉を話せるし字も書けるようになるんだよ。そして地球の外国の言葉も理解できるし字が書けるようになるんだよ。美香派は言語理解のスキルをお兄ちゃんから貰って英語の教科書を読んだけど全て理解できたよ」


美香の話を聞いて修二はそのスキルが欲しいと思った。修二は中規模の会社の商社マンだ。たまに外資系の企業とも取引がある。そのときに英語で会話するときもあった。そういうときは通訳を挟んで商談をしていた。


スキル言語理解があればそんな時に通訳を介さないで商談が出来ると思った。


「優斗、俺にもその言語理解と言うスキルを与えることは出来るか。もしできるならそのスキルが欲しいんだ。仕事で外国語が話せると優位に立てるなるからな」


「それなら言語理解だけじゃなくて仕事に役立ちそうなスキルを全部あげるよ」


「本当か? 他にどんなスキルがあるんだ?」


「接客術と交渉術に算術、速読、瞬間記憶、パソコン操作なんてスキルも仕事の役に立つと思うよ」


修二は優斗が言うすきるを是非とも欲しいと思った。そういうスキルがあれば仕事に活かすことが出来ると考えたからだ。


「優斗、俺はそれらのスキルが欲しい。与えてくれるか」


「分かったよ。少し頭に触るね」


そうして優斗は修二にスキルを与えて行く。ついでにパソコンのいろいろなソフトの知識や使い方も叡智にインストールしてもらって、それらも修二に与えた。


「これで父さんはスキルを使いこなせると思うよ」


「ありがとう、優斗。これで仕事を頑張れるよ」


「お兄ちゃん、お母さんにもコーディネートのスキルをあげれば。そのスキルがあればアパレル業界で働いているお母さんの役に立つと思うよ」


美香はアパレル業界で働く和子のことを思ってコーディネートのスキルがあれば役に立つと思った。


「優斗、そういうスキルがあるなら私は欲しいわ。他にも仕事で役立ちそうなスキルはないかしら」


優斗は直ぐにアパレル業界で和子がどの様な仕事をしているのか叡智から知識を得ることにした。


(叡智、アパレル業界の知識をインストールしてくれ)


(分かりました。マスター)


叡智から得た知識でアパレル業界の仕事がどのようなものか優斗は理解した。そして和子が必要としているであろうスキルを創造していく。


「それなら、母さんがデザインやパタンナーが出来るようなスキルをあげるよ」


「ありがとう、優斗。お願いできる」


「うん、母さんには父さんいあげたスキルとは別にデザインとパターンメイカーとコーディネートと裁縫にスケッチのスキルをあげるね。頭を触るよ」


「ええ、お願い」


優斗は和子の頭に触れてスキルを与えて行く。ついでにデザインの知識やパタンナーの知識にミシンの使い方の知識も与えて行く。


「これで、母さんは一人でもデザインやパタンナーが出来るようになっているはずだよ」


「本当だわ。デザインやパタンナーに必要な知識が頭に浮かんでくるわ」


「パソコンも思い通りに操れるようになっているからパソコンを使って仕事がはかどると思うよ。俺がデザインが出来るようなパソコンをあげるよ」


優斗はスキル創造でデザインなどが容易く出来るパソコンと周辺機器を作るつもりでいた。


「優斗は本当に凄いスキルを持っているのね。これで私の仕事がやりやすくなったわ。仕事が落ち着いたら自分でデザインした服を会社に持って行って上司に見せてみるわ。なんだかやる気が出てきたわよ」


「よかったな、和子。君は昔から自分でデザインした服を作るのが夢だと言っていたよな。その夢がかなうと良いな」


和子は修二と結婚する前はデザイナーを目指していた。その夢は敵わなかったがアパレル業界に未練がありそのためアパレル業界の会社に就職した経緯があった。優斗と美香は修二の発言で始めて和子がデザイナーを目指していたことを知った。


「ありがとう、修二。優斗のおかげで諦めていた夢を実現できそうだわ」


「お母さん、良かったね。美香も応援するよ」


「お母様、良かったですね。スキルは持っているだけで物凄く有利になります。お母様が得たスキルはきっと仕事の役に立つことでしょう」


美香とシャルルは感激している和子を見て嬉しく思った。そして和子がデザイナーとして活躍することを願った。


「ありがとう、美香、シャルルさん。スキルがどれほど役に立つかは分からないけど頭に浮かんでくる知識だけでも相当に役に立つものだわ」


「俺も頭の中で英語を話そうと思うと英語の文章が頭の中に浮かんできたよ。それに今まで知らなかったパソコンの知識も増えている。それらを仕事で使って活かすようにするよ。優斗、ありがとう」


「どういたしまして。父さんたちが仕事でがんばることを願っているよ」


食事の後優斗は和子と修二の部屋を訪れて魔法で部屋を拡張した。そして3人でも眠れるような大きなベッドを創造した。和子の為にパソコンデスクとパソコンにデザインするための周辺機器とソフトを想像した。


それを部屋に配置して修二と和子に見せた。和子は早速パソコンを使って見て簡単な絵を描いて見せた。その絵はプロが書いたようなすばらしい絵だった。


「優斗、本当にありがとう」


和子はそう言って優斗を抱きしめた。優斗は今ま親に抱きしめられたということが記憶になかったのでとても嬉しかった。


「母さんがこれからどんな服をデザインするか楽しみしているよ」


「優斗に自慢できるくらい有名なデザイナーになって見せるわ」


そして、和子は夢中になってパソコンを使ってデザインをし始めた。修二が物欲しそうにしているので優斗は修二にもパソコンをプレゼントした。修二はとても喜んでくれた。

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