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114 水上バイクに戦闘機

優斗がサーキット場だけで終わるはずが無かった。サーキット場だけの為にこの階層を作ったわけではない。優斗はテーブルなどを亜空間倉庫(インベントリ)に仕舞。シャルルと美香を前にする。


「次は湖に行くぞ」


「「えっ!?」」


突然の優斗の宣言にシャルルと美香は唖然とする。


「何のために操舵術のスキルをあげたと思っているんだよ。湖で水上バイクに乗って楽しむぞ」


優斗はサーキット場だけをこの階層に作ったわけではなかった。湖も作っていた。そのことに美香は唖然とする。シャルルはもう優斗の行動で驚くことはない。


「お兄ちゃん、この階層に湖もあるの?」


「あるぞ、ここは乗り物に乗って遊ぶように作った階層だからな。湖も作ってある。さあ、行くぞ」


シャルルと美香は優斗に従ってサーキット場をあとにする。そしてサーキット場を出たらすぐに目の前に広い湖が広がっていた。ここでも優斗はスキル創造でスタンドアップ型の一人乗り利用の水上バイクを作り出した。


「もう何でもありだね、お兄ちゃん」


「美香、気づくのが遅いわよ。私は以前から優斗の常識を疑っていたわよ」


「二人ともそう言う事は言うなよ。ほら、水上バイクを楽しもうよ。一応、神聖魔法で酔いはさましてくれよ」


「了解」


「分かったわ」


そしてシャルルと美香にウエットスーツを手渡す。二人はそれを受け取って更衣室に向かった。優斗も二人を追うようにして更衣室に向かう。


更衣室でウエットスーツに着替えた三人は水上バイクの下に向かう。赤い水上バイクには美香が乗り込んだ。黄色い水上バイクにはシャルルがのる。余った黒い水上バイクに優斗がのることになった。


水上バイクも魔力で動いているのでうるさい音はしない。アクセルを捻ると水を吹き出して水上バイクが水の上を走る。今回も美香が一番初めに水上バイクを発進させた。次にシャルルが続き優斗は最後に水上バイクを発進させる。


暫くは水上を物凄い速さで走ることに三人は夢中になっていた。水上には道が無いので自由に何処にでも行くことが出来る。そのことが車と違い面白いところだった。360度ターンを決めたりドリフトでくるくる回ったりして楽しむ。


そして、水上バイクに慣れてくるとベレルロールと言うような飛び上がり横回転をしたりバックフリップといった空中で後方回転したりして遊ぶ様になっていた。そこが地上を走るバイクと違うところだろう。


水の上でくるくる回転したり水の中に潜ったりもできる。水上バイクの魅力はそう言うところにあると優斗は思った。シャルルと美香も思い思いのスタイルで水上バイクを楽しんでいる。


水上バイクを水の中に沈めて水上に飛び出し水上バイクの舳先にのって飛び上がり体を捻って着水するような遊びも出来るようになってきた。こうして2時間ほど水上バイクを楽しんで湖岸に三人は集まった。


そして優斗は今度はどこかの国の軍服に似せたパイロットスーツを創造で作り出した。シャルルと美香はまだ優斗がこの階層の全部を紹介していないことに気が付いた。


「次はこれに着替えて来てね」


優斗はシャルルと美香にパイロットスーツを渡すと直ぐに更衣室に向かった。シャルルと美香も優斗に言われるがまま更衣室に向かう。そして三人はパイロットスーツに身をくるんで更衣室から出てきた。


優斗はシャルルと美香を連れて湖から離れた広場に向かう。そこは運動競技場の3倍は広い平地になっていた。優斗はそこに創造で垂直離着陸機の戦闘機をスキル創造で作り出した。


美香は優斗はどの国と戦争を起こそうとしているんだろうと考える。


シャルルは地球の知識で知っている空飛ぶ戦闘機を見て興奮している。すぐに戦闘機に走り寄る。シャルルが選んだのは当然のごとく黄色い戦闘機だった。


美香は赤い戦闘機に向かう。そして飛行魔法で飛んで戦闘機のコックピットを開けて中に乗り込む。操縦席にはヘルメットとヘッドフォンが準備されていた。


優斗は黒い戦闘機に乗り込んだ。優斗は無線を使い二人に指示を出す。


「二人とも聞いてくれ。先ず戦闘機を離陸させた後ホバリングで待機してくれ。そして、俺の後をついてくるように飛んでくれ」


「お兄ちゃん、このダンジョンは戦闘機が飛ぶことが出来るくらい広いの?」


美香の質問は最もだ。ダンジョンに壁みたいなものがあればぶつかってしまう。いくら頑丈な体だと言っても戦闘機の飛ぶスピードで壁にぶつかって生きていられるか分からない。一応、自動防御があるから心配はそれほどしていないけど……。


「大丈夫だぞ、この階層は日本本土が入るくらいの広さがあるからな。安心して空を飛ぶことが出来るぞ」


「それなら安心ね。早く離陸しましょうよ」


シャルルは早く空を飛びたくて仕方がないようだ。飛行魔法で空を飛んだことがあるシャルルだが空を飛ぶ乗り物に乗るのは初めてだから嬉しくて仕方がないのだ。優斗もシャルルの気持ちは分かる。


優斗自身中学の修学旅行以来、飛行機に乗ったことが無い。ましてや憧れの戦闘機を自分で操縦できるのだ。嬉しくないはずがない。そぐにエンジンを始動させる。


優斗の戦闘機のエンジンが始動したのを確認してシャルルと美香もエンジンを動かす。魔力で動くエンジンなので全くうるさくもない。そこに優斗の支持がヘッドフォンから聞こえてくる。


「みんな準備はいいな」


「「はい」」


「それじゃあ、飛び上がるぞ」


戦闘機は垂直に浮かび上がりその場でホバリングする。優斗はシャルルと美香の戦闘機が飛び上がるのを確認して戦闘機を発進させる。


「シャルルさん、美香。俺についてこい」


優斗は無線で指示をだすと遠くに見える山の方角に飛んでいく。シャルルと美香は優斗の後についていく。戦闘機で空を飛ぶのは飛行魔法で飛ぶよりも楽しいと優斗は思った。戦闘機を操縦する達成感みたいなものがこみ上げてくる。


美香も戦闘機を操縦することを楽しんでいた。シャルルは重い戦闘機が宙に浮くのを珍しく感じながら不思議な感覚に陥っていた。多分、飛行魔法以外で空を飛んだことのあるリアース人はシャルルが初めてだろう。


山に近付くと山の斜面に大きな的が用意されていた。


「山に見える的にミサイルを撃ち込め」


「エッサー」


「分かったわ」


美香はノリノリだ。シャルルは淡々としている。ミサイルと言うものは地球の知識で知っているが優斗たちのようにカッコいいと言うイメージはなかった。ただ、人を簡単に殺せる物凄い兵器だと言う認識だ。どちらかというと恐ろしさみたいなものを感じていた。


優斗はミサイルの照準を的に合わせてロックオンしてミサイルを発射するボタンを押した。ミサイルは寸分たがわぬように的に当たり爆発する。優斗はその光景に興奮を覚える。優斗も男の子だロボットアニメなどが好きだった。


出来ることなら自分で戦闘機やロボットを操縦したいと思っていた。そして今度はロボットを創造しようと心に決めた。


優斗に続いて美香とシャルルもミサイルを発射する。二人とも見事に的を爆発させる。それから機関銃も掃射して的に当てて暫く遊んだ。


そして陽が傾いてきたので発着場に戻ることにした。


ダンジョンの中でも太陽と月があるどういう理由かは優斗には分からない。でも、ダンジョン内の時間はダンジョンの外の時間と同じ流れになっている。


「そろそろ帰還するぞ」


「エッサー」


「了解」


三人は戦闘機の性能に満足して発着場に着いた。


「二人ともどうだった? 楽しめたかな?」


「十分に楽しんだわ。知識では知っていてもあんなに重いものが空を飛ぶなんて信じられないわね。地球の文化に興味がわいたわ」


「美香も面白かった。やっぱり飛行機を操縦するのは子供の夢だよね。とくに男の子はパイロットになるのが夢っていう子が多いんでしょう」


「そうだな。五本の指に入る職業だと思うぞ。俺も子供の頃は憧れていたからな」


優斗は今日一日で多くの夢をかなえた気分だった。結構、ハードなスケジュールだったが三人の並外れたステータスで疲れを見せる者がいるはずがない。時間があれば何時間でも三人は遊び倒すことが出来ただろう。


「そろそろ食事に行こうか」


「うん、そうしようよ」


「私はお腹が減ったわ。早く食べに行きましょう」


優斗は転移を使い食堂に飛んだ。食堂ではソラとメイドと執事が待ち構えていた。

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