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107 シャルルと美香のダンジョン攻略①

ダンジョンでシャルルと美香のレベル上げを行って約三カ月たった。その間、二人はいろいろな魔物と戦ったが危なげなく勝ってきた。ドラゴンや中級悪魔といった魔物にも臆することなく挑みかかり攻撃を受けることなく二人は勝利した。


ドラゴンを剣の一振りで首を刎ねたときはシャルルも美香も自分の強さに驚いていた。しかし今ではそれが当たり前のように行えるようになっている。そして、二人は最後の魔物と対峙するときが来た。


二人の武器はここに来るまでの間にミスリルの剣からオリハルコンの剣に変わり今ではヒヒイロカネの剣に変わっている。そして二人はダンジョンの中心にたどり着いたのだ。


ダンジョンの中心は森ではなく半径500mの円形をした草が生えた場所だった。その中心に存在感のある魔物が鎮座している。その魔物は最上位悪魔でレベルは255もある。優斗がソラにお願いして一番強い魔物を用意させていた。


シャルルのレベルは222で美香のレベルが220になっていた。二人のステータスが4倍でも最上位悪魔のステータスより若干低い二人で連携すれば何とか倒せると優斗は考えている。最後くらい手応えのある魔物と戦わせたいと優斗が思って手配した魔物だ。


「二人とも最後の相手は格上の相手だ。二人で頑張って倒してくれ」


優斗にそう言われてシャルルと美香はやる気を出す。ダンジョンの中心にいる最上位悪魔は5mの体長がある。筋肉質の体つきをしていて力強さをシャルルと美香の二人は感じた。少しだけ怖気づく。それでも最後の試練だと思って気持ちに活を入れる。


「本当だわ。ステータスが相手の方が少し高いわね。このレベルのステータスの少しの差といっても1万以上の差が出てくるのがつらいところね」


「美香は頑張ってみるよ。シャルル姉、今日は二人で力を合わせて戦おうよ。そうすれば勝てると思うよ」


「分かったわ。美香、準備は出来ている?」


「いつでも,OKよ」


「それじゃあ、行くわよ」


二人はお互いに目を合わせてタイミングをはかり魔物に走って近づいていく。最上位悪魔は二人が近づいてくるのを平然とした態度で待ち構えている。優斗の時のように二人を煽ったりしない。


美香が縮地で最上位悪魔に近付き剣技一閃で攻撃する。シャルルも次のタイミングで上段から山砕きを最上位悪魔に叩き込む。最上位悪魔は体を捻ったり後方に一歩下がったりするだけで二人の攻撃を躱して見せた。


次の瞬間に最上位悪魔は手に持っている槍で突きを放ち美香に攻撃する。その攻撃は今までに見たどの魔物よりも鋭く早い突きだった。美香はスキル未来視と直感、危険察知に予測に従い後方に転移して逃げる。


次の瞬間に最上位悪魔の槍での突きが美香のいたところを通り過ぎる。最上位悪魔は攻撃が通らなかったことを一切気にしないで素早く槍を横に振り次にシャルルに攻撃を加える。シャルルもスキルをフル稼働して最上位悪魔の攻撃をよみ切ってその攻撃を避ける。


シャルルが二度目の攻撃をするよりも最上位悪魔が二度攻撃を放つ攻撃の速度の方が方が早い。そのことにシャルルは驚いた。美香も自分に攻撃した後に直ぐにシャルルに攻撃する速さに感心した。


「シャルル姉、あの魔物は一筋縄ではいかないよ。私が後方から魔法で攻撃するからシャルル姉はその隙をついて攻撃してよ」


「美香の考えに従うわ。私たち二人が接近戦を行っても手も足も出そうにないものね」


二人はお互いに連携して最上位悪魔と戦うことを決意した。そうしないと勝てる相手だと思えなかったからだ。二人が話している間も最上位悪魔は黙って見てはいなかった。シャルルと美香は危険察知で自分に危険が迫っていることを感じ取った。


そして二人とも立っている位置から急いで離脱する。すると二人が立っていた位置を炎のブレスが通り過ぎて行った。二人はそのブレスの威力に驚く。後方の森に一筋の焼けた道が出来上がり地面が削れてマグマのように溶けていた。


優斗は以前、最上位悪魔と戦った時に自動防御を抜かれたときのことを考えていて二人の腕輪の自動防御の質を上げてある。その上で自動防御の結界が五重になっているので、そう簡単に自動防御の結界を破るような存在に会うことはないと思ってもいた。


そのため、レベル255の最上位悪魔と二人の戦いを冷静に見ていられた。しかし、二人は違った。目の前の最上位悪魔が今までの魔物とレベルが違うことを再認識した。そして気合いを入れなおして最上位悪魔に挑んだ。


もう一度、最上位悪魔が炎のブレスをシャルルに放ってくる。そこにシャルルが逃れることが分かっていたかのように狙いが正確だ。スキル未来視でも持っているのかとシャルルは疑った。


その攻撃をシャルルは転移を使って逃れる。シャルルは自動防御の能力を信じているが地面を溶かすような攻撃に当たりたくなかった。それほど最上位悪魔のブレス攻撃は破壊力があるのだ。


美香は最上位悪魔がシャルルに攻撃していた隙にアブソリュート・ゼロを最上位悪魔に向かって放った。最上位悪魔は転移でその攻撃を躱した。最上位悪魔は時空魔法まで使えるのだ。


二人は最上位悪魔が転移したことに驚いた。今までの魔物で時空魔法を使うような魔物はいなかったからだ。ステータス値でも最上位悪魔の方がシャルルと美香よりも優れている。そのうえ、魔法での移動手段が互角となれば最上位悪魔に近付くのが難しくなる。


シャルルは離れていても最上位悪魔に攻撃されるだけだと思い接近戦に持ち込むために転移で最上位悪魔の後方に飛ぶ。そして剣を最上位悪魔の首目掛けて振るう。最上位悪魔はその剣を槍で受け止めた。


そして力任せに槍を振るいシャルルを吹き飛ばす。その隙をついて美香の魔力がこもった「アイスランス」を放つ。「アイスランス」は最上位悪魔の右肩に突き刺さった。


「オマエー、ユルサナイゾ」


最上位悪魔は右肩に突き刺さった「アイスランス」を激怒しながら抜き取る。次の瞬間に最上位悪魔の右肩の怪我は再生してふさがった。最上位悪魔がその場から消えた。そして美香の目の前に現れた。美香のスキル未来視で攻撃される未来は見えていた。


でも、最上位悪魔が近づくまでに逃げる時間が無かった。最上位悪魔は槍を素早い速さで引くと美香に突きを放った。美香は避けることが出来ずに驚く。ドン、という凄い音があたりに響く。


美香は最上位悪魔の攻撃を自動防御で防ぐことが出来たが後方に大きく吹きとばされる。自動防御の結界が二枚破られていた。残り三枚の結界に守られて美香は無事だった。美香は自動防御が働いて守られたが自動防御を頼ってしまったことを情けなく思った。


シャルルは美香を心配したが直ぐに立ち上がった彼女を見て安心する。そして転移で最上位悪魔の死角に飛び剣技一閃で足を切りつける。最上位悪魔は美香に対して怒っていたのでシャルルの存在を忘れていた。


戦いの最中に敵の存在を忘れることが出来るほど最上位悪魔は強い存在なのだ。しかしシャルルの攻撃は最上位悪魔に通った。足を膝あたりで切り飛ばすことが出来た。最上位悪魔は立つことが出来なくなり地面に倒れ込む。


その隙にシャルルは剣技三段突きを最上位悪魔の後頭部に叩き込もうとする。しかし最上位悪魔は転移でその場を逃げ切った。そしてほんの少しの間にシャルルが切り飛ばしたはずの足が再生して元に戻っていた。


最上位悪魔は直ぐに立ち上がってシャルルのいる方向に炎のブレスを放つ。シャルルは転移でその場を離れて逃げる。しかし、その逃げた場所に最上位悪魔が転移してきて槍の突きを放った。


シャルルも美香と同じように最上位悪魔の攻撃を受けて後方に吹き飛ぶ。自動防御の結界が二枚破られたがシャルルの体に異常はなかった。シャルルは直ぐに立ち上がった。


美香は最上位悪魔がシャルルに夢中になっている隙にアブソリューロ・ゼロを最上位悪魔に放った。最上位悪魔はもろに魔法を食らって凍り付く。しかし、マップ上で最上位悪魔の死がシャルルと美香は確認できなかった。


暫くすると最上位悪魔を凍らせていた氷が砕かれて氷の中から最上位悪魔が姿を現せた。


「サスガニフタリノアイテハキツイナ。シカシ、スグニコロシテヤル」


「そう簡単にいくかしら」


「美香は簡単にやられないよ」


「ハハハハ、ソノイセイガイツマデツヅクカナ」


最上位悪魔の姿が消える。二人はスキルを総動員して最上位悪魔の攻撃をよむ。そして直ぐに転移で美香はその場を離れた。美香がいた場所を炎の玉が通り過ぎた。離れた場所に最上位悪魔が放った炎の玉が当たると物凄い爆発が起こりその場所にクレーターが出来た。


美香はその光景を見て驚いた。そして自動防御であの攻撃が防げるか疑問を持った。


シャルルも美香と同じ疑問を持った。しかし優斗が悠長な顔をしてこちらを見ているのに気付き自動防御の性能を信じることにした。

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