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104 シャルルと美香のレベル上げ12

食事が終わって三人は魔物をマップで見つけて先に進む。そして魔物まで200m近づいて魔物を千里眼でシャルルと美香は確認する。


しかし、魔物の反応はマップ上に表記されているが魔物の姿が見えない。二人は仕方なく魔物の反応のする方に近付いていく。50mほど近づくとマップ上の魔物の反応が二人に向かって近づいてくるのが分かる。


しかし、シャルルと美香は目で捉えることが出来ない。25m以内にはいってようやくスキル空間把握で空気の動きで魔物がいることが分かる程度だった。そして剣を抜いて二人は身構える。


「美香、気を付けて今回の魔物は姿が見えないからやっかいよ」


「うん、気を付ける。シャルル姉も気を付けてね」


二人で励ましあっている間にシャルルと美香の近くで空気の流れが変わる。直ぐ近くに魔物がいることを表している。シャルルと美香はスキル未来視と高速思考と多重思考を使用して目に見えない魔物に対応しようとする。


シャルルが魔物の見えない攻撃を躱すために右に飛んで転がる。未来視で自動防御が働く未来が見えたので慌てて攻撃を避けたのだ。魔物は攻撃を仕掛ける瞬間だけ姿を現した。


美香はその魔物が鑑定でアサシンリザードであることが分かった。武器は大きな鉈だった。アサシンリザードの上段からの袈裟切りをシャルルはぎりぎりで躱すところを美香は、はっきり見ていた。


二人から離れたところで優斗はアサシンリザードと二人の戦いを見ていた。


「俺がアサシンリザードと戦った時はスキル未来視と空間把握を持っていなかったからな。あの攻撃で何度も吹きとばされたんだけどなー」


(マスターはそれでもアサシンリザードを倒せましたよ)


「叡智、そう言ってくれると嬉しいよ」


優斗はシャルルがアサシンリザードの攻撃を避けるのを見て羨ましく思った。優斗はアサシンリザードの戦いで一番苦しめられたことを覚えている。


その時は自動防御でアサシンリザードの攻撃を防いでいたから死ななかったが、何度もアサシンリザードの攻撃で吹き飛ばされたものだった。


シャルルは直ぐに立ち上がりアサシンリザードの動きを空間把握で確認しようとする。アサシンリザードのスキル隠密は正直言ってやっかいなものだった。アサシンリザードの存在そのものをスキル空間把握でも捉えることは出来なかった。


スキル空間把握で捉えることが出来るのはアサシンリザードが動くときに同時に動く空気の流れだけだった。ただ、それだけを頼りにアサシンリザードの攻撃を予測して未来視で得た情報でその攻撃を避けることしかできない。


見えない相手にどう攻撃していいか全く分からない。


美香もアサシンリザードの攻撃をシャルルと同じ方法で躱していく。目に見えないので大きく横に飛び転がりながら攻撃を躱すしかない。攻撃をする瞬間にアサシンリザードが見えてももう攻撃する体制に入っているので目では攻撃を追うことは出来ない。


スキル未来視と空間把握が無ければ対処のしようがない攻撃だ。スキル空間把握でこの領域にアサシンリザードが5匹いることが分かる。25m以内の空間で5か所空気が微妙に動いていることで数を二人とも把握していた。


空気の流れの違いで居場所は特定できる。しかし、ピンポイントに攻撃が出来ない。その時に優斗の声が聞こえた。


「アサシンリザードの素材のことは気にしないで魔法を撃ちまくってもいいぞ。今回だけは上位魔法を使っても構わない」


シャルルと美香は優斗の許しが出たのでピンポイントの点の攻撃を諦めて広範囲に魔法を放つことにした。


「アイスランス乱れ撃ち」


「ロックランスで吹き飛べ」


美香の周りにロックランスが20本浮かび上がる。その全てが空気の微妙な動きをしている範囲に打ち込まれる。シャルルも同じように20本のアイスランスを空気の流れが微妙なところに撃ちまくった。


そして、ロックランスとアイスランスが体中に突き刺さったアサシンリザードが姿を現した。あと三匹のアサシンリザードがいる。美香とシャルルは直ぐに空気の流れを空間把握で感知して違和感のある所に魔法を撃ちまくる。


そしてあっという間に串刺しになったアサシンリザードが姿を現した。姿を現したアサシンリザードのレベルは67もあった。シャルルのレベルは47で美香のレベルは45だ。二人よりも20以上もレベルが高かった。


「二人ともよくやった。俺がアサシンリザードと戦った時はスキル未来視と空間把握を持っていなかったから上級魔法のアブソリュート・ゼロを使って倒した相手だぞ。二人は中級魔法で倒すことが出来たんだ。誇ってもいいぞ」


「ありがとう優斗。目に見えない敵を倒すのは苦労したわ。これからは時と場合によっては上級魔法を使うことも考えておくわ」


「美香も苦労したよ。お兄ちゃん、こんな魔物がいるなら先に教えておいてよ」


「先に教えて置いたら訓練にならないだろ。でも二人とも初めてあった目に見えない魔物に良く対処出来ていたから良いじゃないか。俺の時はアサシンリザードの攻撃を受けて何度も吹きとばされたんだぞ。そのことを考えれば二人の方が上出来だよ」


美香はそう言う優斗の話を聞いても納得がいかないような顔をしている。シャルルはそんな美香に次の魔物を探しに行こうと声をかける。


「500m先に魔物がいるよ。美香、いつまでも拗ねてないで機嫌を直してよ。さあ、魔物を狩りに行くわよ」


「今度は上位魔法をピンポイントに当てる練習もしながらアサシンリザードを倒してね」


「頑張ってみるわ」


「美香もやってみる」


他者を巻きこむのが怖くて上位魔法は簡単に使えない。でも、今回のように目に見えない敵が現れたときには上位魔法が有効なことに間違いはない。優斗は二人に広範囲魔法をピンポイントで放つ練習にアサシンリザードは丁度いい相手だと思った。


それからアサシンリザードにあった時にシャルルと美香はアブソリュート・ゼロを10mの範囲で発動して倒すことが出来た。これで広範囲魔法をピンポイントで発動する練習はうまくいった。


それからはアサシンリザードに後れを取ることなく魔法で狩り続けた。二人のレベルはシャルルが52で美香が50まで上げあっていた。レベル67のアサシンリザードは経験値を稼ぐ格好の獲物になっていた。


2時間ほど森の中をダンジョンの中心に向かって進むとアサシンリザードよりも大きな魔物の反応に出くわした。レベル85のミノタウルスジェネラルが二匹いた。ミノタウルスジェネラルの体長は4mもある。


ここでミノタウルスジェネラルに会うことは優斗の予想外だった。優斗の経験ではこのあたりはレベル60から70くらいの魔物が徘徊しているはずだった。


ここにミノタウルスジェネラルがいるのはこの二匹がハグレと呼ばれる魔物だからだ。


今のシャルルと美香のレベルではたとえステータスが4倍でも苦戦する相手だ。でも優斗は格上の相手と戦うのに丁度いい相手だと思って二人に戦ってもらうことにした。自動防御が効いているので問題はないという考えがあったからだ。


でもシャルルと美香は自動防御に頼るような戦いはしないと心に決めていた。格上の相手だと言う事は鑑定のスキルで理解している。


「二人とも、あれはミノタウルスジェネラルだ。今の二人のステータスの四倍のステータスよりも高いステータスを持っている。格上の相手だがそんな相手と戦う経験を積むのにちょうどいい相手だ。二人で倒して見せてくれ」


「頑張ってみるわ」


「了解」


シャルルは縮地でミノタウルスジェネラルに近づいて脚に攻撃をする。ミノタウルスジェネラルはシャルルの攻撃を足を上げるだけで躱して見せた。体が大きいわりに動きが素早い。シャルルは直ぐにミノタウルスジェネラルから離れる。そうしないと未来視で反撃される未来が見えたからだ。


美香もミノタウルスジェネラルに攻撃を仕掛ける。シャルルの攻撃がミノタウルスジェネラルに通じなかったのを見て美香は奇想天外な攻撃手段にでた。転移でミノタウルスジェネラルの首の裏に飛び延髄を剣で切り裂こうとした。


剣はミノタウルスジェネラルに当たったが折れてしまった。ミノタウルスジェネラルの防御力の方が剣の耐久力よりも上だった。優斗はそれを見て自分のうかつさに気づいた。レベルが70に以上になると鉄の剣では相手にできないことを忘れていたのだ。


「美香、シャルルさん、俺のところに戻ってきて!!!」


優斗の声を着てシャルルと美香は優斗の下に戻って来た。優斗は直ぐにスキル創造でミスリル制の剣を作り出した。ミスリルの剣には切れ味上昇と自動修復の魔法を付与する。その剣を二人に渡す。


「この剣はミスリルで出来ている。魔力を通すととても切れ味が良くなるからこの剣を使ってミノタウルスジェネラルをやっつけて」


シャルルと美香は優斗からミスリルの剣を貰って、またミノタウルスジェネラルに戦いを挑んだ。

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