第3章11 VSケント2
遅れてすみません!
バイトとかで忙しくて...
今後は早いと思います!
俺はケントへと視線を向ける。
そして、構えを解いた。
それを見たケントは顔をかたむけ、俺の行動が分からない。と言った様子を見せた。
「どうした?もう降参か?張合いのねェやつだなァ!」
と、俺を挑発してくるがケントは自分から攻撃を仕掛けてこない。
(やっぱり...。)
「あぁ。俺はもう諦めたのさ。お前は強い。それは認めるよ。」
「ははは!なんだ。ただの根性無しか。それなら、さっさと敗走でもしな。」
こいつは、警戒を解いている俺に自分から攻撃してこない。
これが意味している理由は...。
「お前。俺が警戒をしていないと、力が出せないんだろ?」
「...」
ケントは俺の問いに対して何も言わなかったが、それが答えだった。
今思い返してみれば、最初から俺はケントが何か持っているとみて警戒をしていた。
それからも、警戒をするに値すると思いさらに警戒をしていた。
それがケントの力の源と知らずに。
ぶっ飛ばされたりした後のケントの動きが見えていたのは、警戒する暇がなかったからだ。
だから、ケントはトドメを刺せなかった。
確かにこれは何も分からない相手だったら脅威だろう。
こちらから迂闊に動けなくなるし、それもまたケントの土俵に立たされているからな。
確かにこれは厄介なスキルだ。
だが、種が分かればそう警戒する必要もない。
「...なぜ分かった。」
「殴られた後は、お前の攻撃が見えてたし、お前ほどの自己評価が高いやつが自分の力を開かさない方がおかしいからな。」
「ふっ。...そうか。」
俺がケントの力の源を暴いた理由を教えたがそれに何の反応もしない。騒ぎ立てたりもせず、ただただ目をつぶっている。
こいつの性格からして黙っていられるようなやつじゃないはずだ。
「やっぱりお前には勝てないのか...。」
そう言うと、ケントはパチンっと指を鳴らした。
すると、ノエルの手足の鎖が外れた。
なぜ外した?!
「どういうつもりだ。」
「俺はただ、お前にリベンジがしたかっただけだ。この世界についてから俺は何か狂っていた。いつからだろうな。...この世界を憎み始めたのは。」
そういうケントを俺は不思議に思う。
なんらかの考えがあることは分かるのだが、それでも、後半のつぶやきには嘘偽りのない本物の感情がそこには込められていた。
「ヘティア様ー!」
俺がそれに気を取られていると、ノエルがこちらに向かって走ってくる。
その目には大粒の涙が。
しかし、俺はまだ気を抜かすわけにはいかなかった。
まだトドメを、決着をつけたわけじゃ──
そこで俺は失念していた。
今この状況で警戒をすればどのようなことになるか。
◇◇◇◇◇◇
「ははは!油断したな!俺がお前を前に戦いを止めるわけないだろ!」
俺の目の前には体を岩の剣で貫かれ大量の血を流しながら倒れている漆黒の美少女がいた。
(やった!やっとこいつをやれた!)
この数年、一体どれだけこいつを考えて生きてきたか...。
シルバーの野郎に稽古をつけてもらい、ずっとこいつを倒すためだけに頑張ってきた。
その結果がこのザマか。
なんとも簡単に終わったものだな。
俺達がこいつに敗走した後、こいつはラリア王国で漆黒の美少女というなんともまぁ、(どこの誰がつけた名前かしらないが)犯罪者には不似合いな二つ名で指名手配されている。
(これでやっと、呪縛から解放される...。)
こいつのせいで、こいつの強さを知らない部下から舐められた態度を取られるようになった。
俺がそれをどんな思いをしていたか。
憎くてにくくて仕方なかった。
またあの時のことを...
ちっ。また嫌な思い出を思い出したもんだ。
シルバーのやろうにも感謝しないとな。
俺は漆黒の美少女の死骸に近づき、その息を確かめようと喉元に触ろうと思ったが、それは果たせなかった。
隣にいたダークエルフに手を除けられたからだ。
「てめぇなんのつもりだ。」
「.....ださい。」
「ア?」
「ヘティア様に触らないでくださいッ!」
そう大声で言うと、ダークエルフの周りに黒い光が纏い始めた。
その光がノエルの手に集まり始めた。
俺はそれを見た途端、急に体が動けなくなった。
これは、圧倒的プレッシャーを感じる時のやつ。
シルバーが威圧感をはなった際に感じたものだ。
「ヘティア様を返せー!!!」
そう言うと、周りの黒い光が一本の柱のように空へと打ち上がった。
(これをただのダークエルフが...?こいつは、ただ者じゃねぇ。今すぐここから逃げないと...。)
そう本能のままに、この広場から脱出することを選択した。
ケントの持ち尽くす限りのスキルや、体術を使い、そこから逃げた。
(これが原因で俺の部下は死んだのか。...まぁ、後はシルバーにでも報告しておくか。)
そして、俺は十分な距離をとった後に、転移結晶を使い、王国へ戻った。
これはあの方に貰ったもの...。
あの方がいなければ俺はシルバーのやろうに稽古をつけて貰えなかった。
過去の回想は、ここまでにしておくとしよう。
「はははは!」
自分が何をしたのか思い出し思わず喜悦の感情が込み上げてくる。
あの女は死んだ!
これで、あの方にも認められる。
◇◇◇◇◇◇
「おぉ。勇者よ。死ぬとは情けない。」
真っ白な世界を知覚した瞬間、聞こえたのはそんなふざけたことだった。
「なんだそれ。古すぎんだろ。」
俺はあの神であろうブローメにツッコミをいれる。
「そうですかね?最近だと思いますけど。」
「ま、お前の歳じゃそうかもしれないな。神様って言うなら永い時間生きているだろうしな。」
それを言うと、ブローメは何故か黙った。
よく分からないが、俺が死んでしまったと言っていたことから、俺は不覚をとったということだけが分かった。
「えぇ。そうですよ。能力も分かってて、素の力量に差が全然ないのにも関わらず、負けますか。怠慢だったのでは?」
言い訳もしょうがない、ド正論が俺の心にクリティカルヒットした。
「心も読んでオマケに罵倒かよ。死んだ俺にここまでの仕打ちをするか?」
俺がそう苦言を呈すると、相変わらず影しか見えない人影から、困ったかのような雰囲気がただよった。
困ることでも言ったかなと先程の言動を思い返すが、心当たりがない。
「はぁ。ここまであからさまに分かるように雰囲気を出しても分からないとは。貴方は、バカですね。」
急に罵倒された。
「なんだよ急に。言いたいことあるなら言えばいいじゃねぇか。」
それを言ったがブローメは、何も言わなかった。
「さて、貴方は死んでしまったのですが、特別に生き返らせることにします。」
気まづい雰囲気を壊したのはブローメの方だった。
話題を変えたつもりのようだが、俺には先程よりも大きい衝撃が俺を襲った。
「生き返す?なぜ?生き返したところでお前になんの利益があるってんだ?」
「ふふ。心の中でも呼んでいるように、ブローメと呼んでもいいのですよ?」
「...ぐっ!...いいから、教えろよ。」
そう、悪態つくが、ブローメは何も言わない。
多分、俺が名前を呼ぶまで黙ったままだろう。
俺は長い長い時間を経て、(数秒)決心した。
「お、教えろよ。...ブ、ブローメ。」
「ぐふふ...。ふふふ。」
不気味な笑い声を上げて、それ以降、何も言わなくなった。
こいつもしかしてポンコツ?
「ポンコツはやめてください。」
それに対し、すぐさま俺の心を読み、対応をした。
もう、ポンコツかすごいのか分からないや。
「ん〜。もういいです。ちゃっちゃと蘇ってください。」
そう言うと、俺の意識が急に朦朧としてきた。
こいつ、結局俺がブローメって言っただけじゃねぇか!
何も教えてくれなかったし。
「ふん。あなたが悪いんですよ。」
こいつ意外と可愛いとこあるな。
そう思い、俺はまたあの世界へと生き返った。
◇◇◇◇◇◇
「はぁ。いつになったら気がつくのでしょう。」




