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第1章3 新しい能力

体調を崩していて、遅くなりました。

 目を開けると日が真上に昇っていた。

 横目に狼王が死んでいるのを確認する。

 どうやら今は真昼のようだ。

 夜になる前に出来るだけ早く夜を過ごせるような感じのとこを見つけたいが、その前に能力を確認しよう。

 改めて俺のステータスを確認する。能力値は平均200程度。その中でも特質してるのは知力。『賢王』のおかげか500程度ある。ふむふむ。この世界の平均がどのくらいか分からないが、今の歳でこれはいいほうじゃないんだろうか。


《この世界でこれだけの能力値は今の年齢から考えると高いです。前の世界の平均の能力値を数値で表すと、10程度でしょうか。》


 おおと心の中で感嘆の声を吐く。

 前世の平均の20倍ほどの能力値ということだ。能力値とはなんだとも思うが、前世でゲームにもあったステータスみたいなものと思えばなんとかなる。というかそれだろう。

 そんな能力値がそんなにあるとは俺つえーができそうなもんだ。

 しかし前世のことも知っているとはどうやら、『賢王』は俺の世界のことまで知っているらしい。この能力便利すぎる。

 でも、この世界の人たちはこれが普通かもしれない。世界認識さん、この世界の人たちの能力値はどのくらいなんだ?


《この世界の成人は通常50程度の力、防御、素早さで、魔力、魔防は基本5程度。知力は人によって様々です。》


 なるほど。つまり俺の今のステータスは、この世界でも結構破格なのだ。

(しかし、前世でも一般人と鍛えている人と比べれば差はそうとうあった。つまりこの世界の(狼王のようなモンスターがいるならそれを倒すための軍人、兵士のような人々もいる。その人らはどのくらいかを教えてもらうことは出来るだろうか。)


 そんなことを考えていると脳内から話す雰囲気を感じ取った。


《魔力、魔防は同じくらいですが、力、防御、素早さは、100を越えるものが多いです。しかし、あくまで一般兵なので、将軍や、上級兵士などは、それ以上あると考えられます。》


(ふむ。では今の俺でも、この世界での一般兵に勝てるということか。)


 それでも、その上の将軍や、上級兵士は、ステータスが分からないそうなので、一般兵の10倍くらいはあるのだろうと仮定しておく。

 つくづく前世との違いを思い知る。

 ステータスやらなんやら元々なかったので違いという次元ではないと思うが。


(それは置いといて、スキル『色欲(ラスト)』と『狼王(ウルフキング)』ってなんだ?倒した狼王と、七つの大罪のうちの1つの色欲があるが。いつの間に獲得していたんだ?!)


《『色欲』は、転生特典で貰った能力です。能力は『魅惑(ルアー)』『女体化(にょたいか)』『男体化(だんたいか)』『無性(むせい)』がまとめられています。『魅惑』は、相手を魅了し、操る能力です。『女体化は』文字通り、女の体になり、『男体化』は男の体になります。『無性』は、性別を無くし、魅惑等の能力を無効にします。『狼王』はー。》


 あまりにも突然過ぎる情報に混乱する。


(待て待て!転生特典って、『賢王』だけじゃなかったのかよ!いつ獲ったんだよ。1つじゃなかったの?それに…。無性?性別を無くす?もしかして俺…。)


 恐る恐る、俺の下半身を見る。前世では、立派な聖剣が付いていたはず、そして今世も男のはず...。覚悟を決め、ダボダボの服の中を見る。


「なっ…!」


 あるべきものがなかった。つるつるだった。そこには何もなかった。人形のように、何も無かった。

 そう、女性のものも。


「俺ほんとに無性になったのか。これは意外とショックが大きいなぁ…。確かに、転生直後妙に下が軽いと思っていたが、幼児だからと思い無視していたけど。」


 長らく共にしてきた相棒と突然のお別れをしたが、今は無いものだし、変わりようのない事だがいいか!それに、気分によってどっちの姿になれるってのもいいしな!

 この男は、このポジティブシンキングで、今までの人生を楽しく過ごしてきていたのだ。


「よし。それじゃ頭の整理もついたことだし、さっきの続きをどうぞ!」


《……はい。続いて『狼王』については、狼王が死ぬ間際、私がどうにか能力を奪えないかと試行錯誤した結果、複写(コピー)という能力を私自身が覚え、狼王の能力をコピーしました。能力の中身は、『硬質化(こうしつか)』『高速移動(こうそくいどう)』です。》


 ふむふむ。硬質化と高速移動ね。って、模写?!それって強くないか?というか覚えるとかあんの?


《私の知識をフル活用した結果です。》


 なんか、ドヤ顔で言ってそうな声だ。ちょっとムカつくが物凄く頼りになる能力だ。模写という能力は誰にでも使えるものなのか?


《相手に能力を(まと)った攻撃や、デバフなのを1度でも受けたらその能力をコピーし、自分の能力とすることが出来ます。》


 うん。もうなんでもありだな。しかしここまで強いとかなり、この世界からあまりよく思われないんじゃないか?


《その意見には肯定します。元々あなたは、狙われている存在です。これ以上目立つと、位置がバレてしまう可能性があります。》


 だよな。対策を考えないと。


《対策については、あなたの周りの魔気(エナジー)を内側に隠すようにすることが出来ますが、実行しますか?》


 流石世界認識さんだ。もう対策を考え、実行できるようにしているとは。


「もちろん、Yesだ。」


《確認しました。》


 おっと。そういえば硬質化と高速移動の内容を見ていなかったな。どれどれ。、

 硬質化は、触れているものを硬い物質に変える能力で、自分の体も固くすることが出来る。


「ふむ。つまり。」


 そこら辺にあった枝を取り、硬質化を使う。するとただの木の枝が、みるみる黒く染まっていった。

 重さは硬質化する前と変わらない。

 俺はその枝振りかぶり思い切り気に叩きつけた。

 ゴスッッ!

 木と木がぶつかっただけなのに重厚感のある音がなった。


「やはり、硬質化は物体を固くし、力も耐久値も格段にはね上げるのか。しかも、重さは同じときたもんだ。これはかなり優秀な能力だな。」


 そして、高速移動。これは移動速度を高める能力でもあるのだが…。


「『空間認識』と併用(へいよう)することで、半径僅(わず)か10(メートル)の間だが、瞬間的に速度を超上昇し、まるで瞬間移動のように使えるようにできます...っと。こんな使い方も思いつけるなんて、つくづく『賢王』という能力はすごいな。」


ただ、これは肉体的負担がやばいらしいから、通常では使わず奥の手に取っておいた方がいいだろう。


「どんどん最強に近づいていくな。ふふふ。まぁ、強さとかあんまり興味ないけどね。強いことには嬉しいが、俺は平和に暮らせれば1番いいよ。」


 能力を確認し、より自信が深まった。

 最初にこの世界にきたときはどうなることかと思ったがなんとか生きてけそうだと。

風邪予防は大事ですね。



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