第2章6 殺人
《種族Lvが17になりました。》
?Lv上がりすぎじゃね?ま、あのワイバーン当然っちゃ当然か。
火竜との戦闘が終わった後、俺は異空間からユウキを取り出した。
異空間が安全だからそのままにした方がいいと思うかもしれないが異空間の中では時空の流れが停止しているからだ。
それだと精神的には成長するかもしれないが、肉体的には成長できない。
まずもって、俺以外に異空間に入ったら、対応した能力がないと異空間から取り出すまで記憶はない。
つまり、精神的にも成長出来ないな。
ユウキはまだ成長期なので外に出す。
後ろに背負って冒険者組合へと向かう。
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ん?なんか雰囲気が変だな。
俺が再びこの町へと戻ってきた時、何やら雰囲気が前と変わっていた。
なにやら、肌を刺すような痛い視線をびんびん感じる。
「よーよー?ワイバーンを倒しに行ってたんじゃ無かったんのか?なのにそんな綺麗な服と体。お前どうせ逃げてきたんだろ?」
なにやらよく分からないことをほざくモブB共、もとい私兵団。
ふ。ワイバーンを倒した俺からしたらこんなやつアリと同じくらいの弱さだ。
「何か言ったらどうだ?俺達ならお前を楽しませれるぞ?」
と訳の分からないことをほざくモブ共。
幸い何故か知らないがこいつら以外にいないし、周りの野次馬共もいない。ならばここは思う存分やってやるか。
どうやら痛い目にあってもこいつらは分からないらしい。
ならば俺のためになってもらおう。
ワイバーンと戦った時に俺より上がいるのは当たり前だと気づいた。こんなんじゃユウキに危機が迫った時に守れない。
もっと強くならないとと俺は考えた。
ならば何をしたらいいか。
それはレベル上げだ。
レベルが上がればいいわけだ。
そして、前に殺してもいいようなどうしようも無い奴らがいる。
ならば、考えは当然だろう。
「何か言ったらどうだ?」
その言葉が全て言われる前に土魔法を発動する。
周りにいた10人ほどの私兵が土の槍に串刺しになった。
口から土の槍が出る。土の槍に腸が絡みついている。
《種族Lvが20になりました。》
わお。一気に3も上がったんだけど。
俺はピクリとも動かなくなった私兵団に目を向けた。
残酷な死に方をしているが、何とも思わない。
逆に嬉しいと感じるほどだ。
初めて殺人をしたとしたのに何も感じない。
魔族になった影響かな?
ま、どうでもいいが、それより早く冒険者組合へ向かうか。
冒険者組合へと向かい、店に入って初めに見た光景は驚くべきものだった。
楽しく飲んでいたであろう冒険者達が血を流し床に倒れ、テーブルやイスなどの家具が壊れ、皿など荒らされていた。
俺はそんな冒険者へ『状態認識』を使い生きている人がいないかステータスを確認した。
(……ッ!)
しかし、ほとんどの人がHPが0になっており、状態には死亡の文字が。
一人だけ、死んでいない冒険者がいた。
俺はすぐさま駆け寄り、意識があるか確認した。
「この状況はどうしたんだ?」
熱くなっているのか口調も荒れ、コミュ障なのに、するすると言葉を発す。
「へ、ヘティアさん…。あなたが…向かった後に…あっち…。」
そうして、冒険者はカウンターの方へと指を向けた。
死んだかと思ったが気絶をしているだけのようだ。
カウンターの方に足を向けると、汚い字で何か書いていた。
「カレンとやらはワシが預かった。安全に返して欲しければワシの元へと来るが良い。」
…。
俺は迷った。カレンとはこの世界で出会ってそんなに時が経っていない。
仲良くなった訳でもないし、妹のように守るべき存在でもない。
どう見ても罠だし、わざわざ他人のために自らを危険に犯すのか?それは賢明な判断とは言えない。それは愚者のやる行為だ。
ならばどうしてこんなにも迷っているのか。
前世の人間での記憶が邪魔しているのか、それとも…。
『あなたはそれでいいの?』
……!
どこからか、声が聞こえてきた。聞き覚えのある声だ。
ケント達と戦った時に怒りに身を任せそうになった時に聞こえた声だ。
後ろから聞こえた気もする。
後ろを振り返るが誰もいない。
いや、いる。
後ろに背負っている妹を前に持ってきて、顔を見る。
その顔は気持ちよさそうにヨダレを垂らしながら寝ている。
まさかな…。
しかし、今の言葉により俺の腹は決まった。
確かに、今は他人だ。でも、一度知り合い、数少ないが言葉を交わし、俺が強くなると思ったキッカケにもなった。
そんな人を見過ごすことを考えるなんてどうかしている。
ここで見逃しても後味が悪いし、何より、こんなことを悩ませる原因が自ら出て来るんだ。
そいつの鼻をへし折っているくらいはしないとな。
そして覚悟を決めた。
俺はそこら辺にいる死体をどうしようかと考える。
さっきの私兵団達の死体は俺の経験値の糧にし、能力のレベル上げに使った。
優先的に、『自動HP回復』をLv4にしておいた。
死体には能力を上げられる核のようなものがあり、それを使うことでLvを上げられるらしい。ま、私兵団全員の使って1しか上がらなかったけど。
つまり、死体にも価値はあるのだが、こいつらを侮辱するようなことはしたくない。
考えた結果この町にもあるであろう、教会にこの現場を報告することにした。
教会に言えば死体は何とかなるだろうと、ゲーム感覚で考えた結果だ。
そうと決まっての俺の行動は早かった。
すぐさま教会にこの現場を報告することし、死体は教会が預ることとなった。
ちなみに、この町の教会はヴィヌアヌス教という、この世界で一番デカい宗教らしい。
この世界唯一神で、その神を讃えようというもとで活動しているらしい。
ま、どうでもいいが、それよりも。
俺は塔に目を向ける。そこにいるであろう元凶。そいつを倒しに俺の足を進めた。




