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勇者3

 魔王と対峙する数ヶ月前。


「よう。調子はどうだ?安芸あき。いや、カエサル?」


「あぁ。(けん)。今はいいけど他のみんなの前では僕の事はカエサルって呼べよ。」


「分かってるわかってる。それと、俺もファイツって呼んでな?」


 そう笑って俺に話しかけてきた。

 この世界に転生してもうすぐ15年。僕達がこの世界に来てだいぶ経つ。

 前世、地球の日本でクラスで修学旅行先へバスで向かってた時。落石に巻き込まれ僕達は死んだ。そう思っていたが、みんなと一緒に白い部屋に来ていた。

 そして、どこからともなく聞こえてきた女神…勝手にそう呼んでいるけどが困った顔でこう言った。


「あなた達には、異世界を救って欲しいのです。先代の勇者が死んで、魔王勢力が力をつけてきました。私の同僚もこないだから行方不明ですし……。」


 そして、僕達30人に願い事を出してきた。


「女神がこんなことを言うのはおかしいですけど、私の同僚を探してきてもらっていいですか?多分地上にいるんだと思うんです。そして、この世界の原因を突き止めて欲しいのです。」


 それを僕らはそれを許可した。

 その女神から一人一個転生特典というものを貰い、この世界に生を持った。

 特典はそれぞれ、ランダムで付与された。その中でも1000年に1度のペースで選ばれる勇者を僕が獲得した。なんでも、前の勇者は200年前に選ばれたらしい。

 それでも、勇者が選ばれるほどこの世界は魔王に脅かされているということだ。

 そして僕ら30人はこの世界に送られてきた。

 30人…。そう、元々僕達は30人だったんだ。この15年間で色んなことが起こった。

 僕達と出会うことがなかった人が2名。そして、残りは全てこの国の、人族のために死んでいった。

 ぼくは、それを守れなかった!


「おい、安芸。どうしたんだ?怖い顔をして。」


「あぁ。ごめん。考え事をね。」


「まぁ、今日は魔王軍との対峙だからなー。疲れるよな。」


 今日僕達は最近活発になってきた魔王軍を退治しに行く。


「考え事をするのはいいけどあまり気を張るなよ?ここにはたくさん仲間がいるんだ。一人で抱えるんじゃなくて俺達にも相談していいんだぞ?」


「…ありがとう。」


「いいよいいよ。」


 そう言い、何事も無かったかのように笑って世間話をし始めた。


(なんて素晴らしい仲間なんだ。ほうとうに僕は恵まれている。拳以外のみんなも良い奴だ。こんな事で悩んでいられない。覚悟を決めなきゃ。命をかけて戦うことを。)


 その日僕は覚悟を決めた。

 この世界のために、命をかけて戦うことを。

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