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第1章1『賢王』獲得

今回まではもう既に書いていたので、早く投稿できました。

 鼻につく匂いがする。その匂いに起こされるように俺の意識は目覚めた。


「ーーッ。」


 暗い場所だ。暗くてよく見えない。が、そこに何かがいるのは分かる。すやすやと寝息が聞こえてくるからだ。ただまだ目が慣れていないので近づくことはしない。それに無理に近づいて噛みつかれでもしたら嫌だからな。噛みつくのか知らんけど。


 やがて、目が闇に慣れてきた頃、そこに何がいるのかぼんやりと見えてきた。それは、白髪に黒色の右目と、白色の左目を持つ赤ちゃんだった。思わずその赤ちゃんに手を伸ばそうと小さい腕を伸ばそうとした。ん?小さい腕?そこで気づいた。


「なんか俺全体的に小せぇ!何だこのヒョロっちい腕は!それによく見たらめっちゃごつい鎖を付けられてるじゃねーか!」


 そう独り言にしてはやけに大きい声で言う。


「それにしても、3歳くらいか?なんで転生したら、赤ちゃんでもなく、元の世界の姿のままでもなく、中途半端な幼児なんだよ…。」


 と、愚痴めいたツッコミを入れるが悲しいことに誰も反応はしない。そんな愚痴をはいている場合ではないので、俺は冷静になってこの状況を整理することにした。

  まずはこの部屋だ。周りを見わたして見ると、ボロボロのベッドと、蓋を見たいなものがある。この蓋を開けてみたが、もう二度と開けないでおこうと思う。これを整理すると、これは、捕まってるのか?


「いきなり転生したと思ったら何故か幼児だし、それに牢屋的なものに閉じ込められてるってどんだけハードモードなんだよ…。」


 それにしても、元の世界の事をまだ覚えてるようだった。しかし、なぜ死んだのか、所々の記憶が無い。死んだショックで失ったりしたのだろうか。俺のことはこの際どうでもいいな。前の世界は過去の事だ。今ここからどうやって出るか考えないと。


「それにしても。」


 と、横にいる赤ちゃんを見る。


「この赤ちゃんはなんで俺と一緒の部屋なんだ?というか、綺麗な髪だな。こっちの世界はこんなのが当たり前なのか?」


 考えても今は意味がない。

 今度は俺を見てみる。鏡がないので大体のことしか分からないが、服はボロボロのシャツ1枚だけ。それに髪はボサボサだな。髪が短いから、男か?まぁそんな感じか。顔とかどうなっているかわからない。


「ブスだったらどーしよう。元の世界じゃ、よく言って普通極まりない顔だったからな。イケメンだったらいいが。」


 と、自嘲めいて言う。


「ここまで考えてもなんの手がかりも分かんねぇー!誰か、俺に教えてくれぇ!」


 そう呟いた時。


《了解しました。あなたの知への願望より、あなたの転生特典を『賢王』にします。》


 と、あの声が聞こえた。というか待てよ。転生特典って…。


「待ってくれ!そんな急に転生特典を決めないでくれ!」


 と必死に懇願するが、現実は非情であった。


《転生特典「賢王」を付与完了しました。これで転生特典を付与し終わりました。ーーーーーーーーーー。》


 という残酷な声が現実を告げた。


「ま、まじかよ…。この危機的状況を突破しうるものも手に入れられたのかもしれないのに…。てか、いきなり与えんなよ。説明しとけよ…。」


 と、脱力し、肩を落としながら愚痴をこぼす。

 よく考えたら今頃転生特典っておかしくないか?

 既にもらっているのが普通じゃないのか?いやまあ、アニメとかでの話だから現実には違うのかもしれないけど。

 ただここで付与するってことは今もなお神は俺を見ているということか。


「神ってのは案外暇なのか?」


 そうやって神のことを考えていたが、段々とそのことに興味が失せていった。

 それよりも気になる事ができた。


「『賢王』ってスキル凄そうだな。仮にも王って付いてるし。スキル確認出来るのかな?」


 試行錯誤しているとまた天から声が聞こえてきた。

 しかし、先程とは違い、機械が喋ってるような感情を感じられない声だった。


《「賢王」の確認が出来ます。確認しますか?》


 急に聞こえてきた声に疑問を抱く。神の声とは違う声はなんの声なのだろうか。応えてもいいのだろうか。

 しかしその疑問はすぐさま自分自身の好奇心によって消えた。

 機械的な声に俺は「はい」と答えた。

 すると、頭の中に文字が浮かんでくるのが分かった。


「えっと…。なになに?『空間認識』『言語認識』『世界認識』『状態認識』『思考速度上昇』『言語認識』『知力超上昇』『全ステータス上昇』か。…何これ?!言葉だけでわかる強そうな能力なんだけど!えっ?これもしかして当たりじゃね?」


 と俺はとてつもないスキルを獲得したと実感し、最高に叫びたい気持ちだった。

 しかし、『賢王』の中に、色んなスキルが入ってるのか。なんだ?スキルを複合させたってことなのか?


《これは、分かりやすく文字にしているだけで、『賢王』単体の能力ですよ。》


 そんな声が聞こえてきた。今回の声は聞き覚えのある声だった。

 なるほど。どうも親切にありがとう。

 でもどうして、転生してきたんだ?

 も返事を待っても応えは帰ってこない。

 まぁいい。

 それよりも、スキルの確認だ。


「まずはこの『思考速度上昇』ってのがいいな。何でも考え事をする時、通常の100倍で考えられるってことらしい。つまり1秒が100秒になるってことか。」


 それはつまり、敵と戦っている時に100分の1の速さで相手が攻撃してくるということだ。とてつもなく有能な能力だな。戦闘経験のない俺でもかなりのやり手にも勝てるだろう。


「そして、『空間認識』これを使うことによって俺の周囲100mをいつでも把握出来るのか。これも便利だな。『世界認識』は、この世界についての知識を教えてくれる能力か。そして、『状態認識』これは、簡単に言ったら、ステータスの解析か。これはいい。相手がどのくらい強いのかで建てれる作戦が違うからな。そして、『知力超上昇』さっきから物分かりがいいがこれはそれのおかげか?言わずもがな『全ステータス上昇』は全部の能力が上昇するのか。」


 そうして、スキル『賢王』の能力を確認し終えた。

 これは…。これはもしかしなくても、最強の能力だった。


「いきなりハードモードな人生かと思ったが、このスキルのおかげでノーマル、いやイージーモードか?最初は勝手に転生特典を決められて終わったかと思ったが、結果オーライだった!それにしても、この世界は何だかゲームみたいだな。スキルといい、能力値といい…。俺からしたら最高な世界だな!」


 前の世界ではゲームが好きな極普通の高校生だった。気がする…。気がするっていうのは死んだショックかこちらに来る際の後遺症か、記憶があまりないからだ。高校生だったのは多分当たっていると思う。


「極普通の高校生だったはずなのになんで死んだんだろう?」


 こんな若さって言っても今の幼児でってことじゃなくて、前の世界の俺の若さだ。

 単純に考えれば事故とかかな?


「まぁ、それは置いといて。どうやってここから出るか考えるか。ここから出ないとせっかくのイージーモードが意味無しになるからな。」


 しかし、どうやって脱出すればいいのだ?スキルがあるにしても今の俺の体は幼児。それでは全ステータス上昇があっても非力だ。それに、隣の赤ちゃんをどーするかだ。


「ここで会ったのも何かの縁だし、一緒に脱出出来るならしたいが…。」


 ステータスが上がっていてもそれは難しい。抱けるには抱けるのだが、それが精一杯で、走ることはおろか歩くことすら難しい。


「さて、どーするかね。」


 そう迷っていた時、外で爆発する音が聞こえてきた。 

これからも頑張りたいと思います!感想を良かったら書いてもらえたら嬉しいです。

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