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第2章3 新たな名前

これからは割と定期で出せそう。

 突き飛ばした男がプルプルと震えている。

 周りで笑っていた男達は更に笑う。

 女程度に飛ばされたってな。


「この女ァ!!」


 それに恥じているのか俺に怒っているのか、顔を真っ赤にして、俺に怒号を飛ばす。


「俺様はこの町の領主、アルベルト様の私兵団だぞ!」


 どうやらこいつらは冒険者では無いようだ。

 こいつらが噂の私兵達か…。

 噂通り横暴なようだな。


「そうと分かったら分かるだろ?俺様はアルベルト様の私兵だからなぁ?」


 何故こんなにも自信満々なのか分からない。さっき拒否られたにもかかわらずまだ俺によってくる。

 ちらりと受付嬢の方を見る。


「…!」


 あの怯え方…。

 こいつらがクソ野郎というのが分かった。

 後ろの妹を守るようにして構えた。


「へーそうなんだ。」


 そういい、俺は腹に思いっきり拳を振るった。

 その男は冒険者組合の扉を破壊してそのまま道路に飛んで行った。

 辺りは静寂につつまれた。

 そして、少しの間の後、周りの私兵たちが騒ぎ始めた。


「こいつ、調子に乗ってんな。」


「分からせてやるか。」


 そう言い、私兵が俺を囲むようにして回り込んだ。

 数は8体。

 一人一人の魔気は、森にいた魔物より弱いくらいだ。


(このぐらいで兵団に参加してんのか。あの森の魔物より弱くて務まるのか?)


 そう考え事をしていると後ろから俺に近づく私兵がいた。

 俺が気づいてないと思っているだろうそいつを後ろを振り向きながら蹴りをかます。

 そいつは一撃で気絶をしてその場に倒れ込む。

 それを見て動揺した隣にいた2人の私兵を瞬時に倒す。

 俺がただの美少女では無いことに理解したと同時に、俺は『高速移動』を使い、残りの私兵の意識を刈り取った。


(久しぶりの対人戦だったけど、楽に勝てたな。まだ魔物の方が連携取れてるし、こいつらは入りたてなのかな?)


 俺は、この店にたとえ気絶していても汚い男どもがいるのが嫌だったので、男達を冒険者組合の外へ放り出した。


(よし。これで本来の目的を遂行出来るな。)


 俺は本来の目的であった冒険者組合に入るという目的のため、先程からフリーズしている受付嬢に話しかける。


「それで…どう鑑定すれば?」


 そう言うと、やっと頭が機能してきたのか徐々に表情がほぐれてきた。


「はい!そこに手をかざしていただいたら大丈夫です!」


 なんか、さっきと表情が随分違う。ものすごく目がキラキラしている。

 何故だろう。

 俺は石のような道具(アイテム)に手をかざす。

 眩い光を放ったかと思うと空中に文字が浮かび上がってきた。

 なにこれすごい。

 ちなみに魔族だってことは『世界認識』さんが誤魔化している。すごい。


「な、なななななんですかこの能力値!これは、この国の将軍にも負けない伝説級の数値ですよ!」


 受付嬢のお姉さんがとてつもなく興奮している。

 お、おぉ。なんかアニメとかラノベとかで見た事あるな。

 チート主人公が驚かれるやつ。

 実際見るとちょっと引いちゃうな。

 ここはテンプレ通りとぼけとくか。


「え?…そんなに凄いんですか?」


 おぉ。我ながらいい芝居だ。


《…》


 今回は『世界認識』さんからのツッコミがなかった。

 正直少し寂しい。


「凄いなんてものじゃないですよ!今までの冒険者組合の歴史を覆すほどですよ!」


 そんなに凄いらしい。だが、正直シルバーに出会った時勝つイメージが湧かなかった。

 そんな俺が歴代でも最高値っぽいらしい。

 もしかしたら、最初の検査で、かもしれないが。


《その可能性が高いと思います。》


 お!久しぶりに『世界認識』さんが反応してくれた。少し嬉しい。

 やはり俺の思った通りか。一応受付嬢にも聞いとくか。


「歴代って、…最初の検査での能力値がですか?」


「はい!」


 やっぱりか。

 何故か知らないがそれを聞いてホットしている俺もいる。嬉しいのか?

 そんな悩み事をしていると受付嬢が話しかけてきた。


「この能力値ですと、Sランクは間違いないかと!」


「Sランク?」


 急にSランクとか言われてもよく分からない。

 多分階級なんだろうが、一応説明してもらう。


「はい!冒険者組合は、E、D、C、B、A、S、SSという順番で、ランク付けされています!これは力を測るためにあるのもあるんですが、このランクによって受けられる依頼が決まってます!」


 と、早口で答えるお姉さん。

 さっきからとても元気に喋っている。

 ランクで受けれる依頼が変わると言うのは、お金が稼ぎたいがために無理な依頼を受けさせないようにするためだろう。

 それで人口が減るのはたまったもんじゃないからな。


「なるほど。」


「ではこちらにサインをお願いします!」


 そう言われ質がいい紙を出してきた。

 それに付属されたペンを取り、名前を…。

 名前を?

 名前か。どうするか。

 新しい名前を考える。

 だがいい名前が浮かばない。

 そして、俺はペンを走らせる。


「はい!では、ヘティア様でよろしいですか?」


「はい。」


 俺はヘティアという名前に決めた。

 理由は、まぁなんとなくだ。

 前世の親から貰った名前があるが、一応新しく考えた名前と関係あるのでそこは大丈夫だ。


「後ろのお子様はどうしますか?」


 そう聞かれた。まぁまだ1歳だし大丈夫か。

 にしてもお子様か。周りから見ればそうか。


「あぁ…。大丈夫です。依頼は…まだ受けないので。」


 そう言って俺は店の外へ歩き出す。

 お姉さんが寂しそうな声で俺を見送る。

 今日は俺に新たな名前が出来た日だ。この日を覚えておくようにしよう。

 妹は相変わらず背中に背負っている。

 危なくないかと思われるかもしれないが、がっちり固めているので安心だ。

 そこは、伝家の宝刀、『世界認識』さんがやっているから大丈夫だ!

 店の外に出ると俺が倒した私兵達が消えていた。

 さらに、この町の住民が足早に家へと帰っていく。


(あれ?いつの間にか起きてたのかな?)


 そう考え事をしていると奥から大人数の足音が聞こえてきた。

 どう考えても嫌な予感しかしない。

 そしてそういう時の予想はいつも裏切らない。

 30人くらいの人影が見えた。

 皆すごい形相でこちらを睨んでくる。

 殺意すご!


「てめぇが俺の部下をいじめたやつか?」


 代表者とおもしき奴が俺に話しかけてくる。

 背は2mくらいとかなりの巨漢だ。


「そうだったらどうなんだ?」


 ここからは俺の得意なロールプレイの時間だ。

 俺がそう聞き返すと、興味の目で俺を見てきた。

 嫌ーな目だ。


「ふっ。面白い女だ。私兵団副隊長の俺が相手をしてやろう!」


 どうやらこいつは副隊長だったらしい。

 俺はこの巨漢を能力(スキル)『状態認識』により、ステータスを鑑定する。


個体名:デブン

種族名:人族


Lv27


HP :10540/10540

EP :3960/3960

物攻 :5420

物防 :2512

魔攻 :100

魔防 :105

素早さ:501


希少能力(レアスキル)

『巨漢』


普通能力(ノーマルスキル)

『HP上昇Lv3』『HP自動回復Lv2』『盾戦士(タンク)Lv5』『闇魔法(初級)Lv5』『物攻上昇Lv5』


称号

『同族殺し』


 といった感じになっている。

 人間にしては結構良いステータスをしている。

 だが、シルバーや、銀の部隊達より弱い。

 ま、副隊長と言っても所詮はこの程度か。


(…!今俺は何を考えてた?)


 間違えなく、俺は今相手が弱かったことに対して、安堵ではなく残念な気持ちになっていた。


(体が、心が戦いを求めている。)


「おい、聞いてんのか?」


 その声で意識が戻った。

 いかん、どうようしてた。


「何?…あ、いたんだ。」


 その安い挑発をすると、怒りの気配がした。


「てめぇ!」


 それに釣られ、簡単に俺に突撃してきたので、俺は、『空間支配』でデブンの後ろに瞬間移動した。

 デブンが気づく前に首に手刀を当てる。

 簡単に倒せたかと思ったが、デブンは動じず、振り向きながら俺に拳を出してきた。

 俺は2mもの巨漢の首を狙うがために空中に浮いていた。その拳が俺にぶつかる前に瞬間移動をする。

 俺のEPが、大量に減る。

 今の俺の攻撃、手加減をしたものの、相手の物防からしてあんなに涼しい顔できるような威力じゃなかったぞ。


《それについては『巨漢』の能力で、物理ダメージを無効にしているからです。》


 なんと。物理ダメージ無効はやばくね?

 希少能力だしな。そんくらいはあるか。


「ははは。誤算だったようだな。確かにその速さには驚いたが、貴様はその速さだけが取り柄だ。攻撃がくらわなければどうとでもない。」


 デブンがそう俺を嘲笑する。

 それに合わせ、周りの私兵達も笑ってくる。

 ま、確かに素手では倒すことはおろかダメージを与えることも出来ないだろう。だが…。


「余裕ぶってられるのも今のうちだぞ。」


「は?何を言ってるんだ?今がどんな状況か分かんないのか?分からないならその身に叩き込んでやるよ。」


 そんなきもい事を言うデブン。


(はぁ…。どうしてこう、この世界で会っていく男達はこんなにきもいのだろう。あ、俺が美少女だからか。)


「武器があれば変わったんだろうが、お前は素手。バックもなに…も…?」


 話している途中でデブンは呆然とする。

 それは、俺が持っている刀を見たからだろう。


「お前!ど、どこからそれを…。」


 デブンは、驚き絶望している。それはそうだろう。先の俺の攻撃。素手だから、無事でいられたのだ。武器があれば死んでいたのだから。

 ちなみにこの武器は『創造』によって創ったものだ。

 俺の肉体の一部を元に、今の魔気量の半分を使って作った武器だ。どうせ創るなら強い方がいいからな。

 見た目は日本刀をモチーフにした。


「な、なんだその武器は!なんて禍々しい…。それは一般人が持っていいようなもんじゃない!」


 デブンが恐れながら言ってくる。


「くっ!お前ら行くぞ!」


 デブンの周り部下が言い、俺に突撃してくる。

 はぁ〜あんま戦いたくないんだけどね。それに家に閉じこもりながらもここの住民見てるし。

 だから、デブンの腕を切った。

 叫びながら、その痛みでうずくまる。

 その様子に部下達は動きを止め、恐怖で動けずにいた。


「死にたくないなら帰りな。」


 その言葉で悔しそうにしながら立ち上がり、部下へ撤退の言葉をかけどこかへ行った。

 はぁ〜。疲れた〜。どんだけ圧倒しても戦うのは疲れる。

 いや、喋るのがかな?

 すると、さっきまで誰もいなかった人通りにわらわらと人が集まってきた。

 俺を見るな否や、一人が拍手をし始めた。瞬く間にそれが伝染していき町ゆく人が俺に拍手と喝采を上げた。中には英雄とまでも言うやつもいた。


(いやー、照れるなー。)


 俺はそれが照れくさく、いそいそとその場を後にした。

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