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第1章10 銀VS俺2

Twitter始めました!

今後もよろしくお願いします。

 誰もいない。どこにいるか周りを見渡すが影のひとつもなかった。

 『空間支配』を使い、周りの空間を探知する。

 世界から色が失われた。周りの景色がよく分かる。


「ッ!そこか!」


 『空間支配』によって1つの反応、人を探知し、そこへ空気の弾丸を弾く。

 1つの影が横に避けた。避けられたが、その姿は捉えることが出来た。


「やっぱりバレましたか。流石ですね。」


 余裕そうに拍手をしながら俺の方に向かってくる。

 そいつは俺がさっき倒した相手だ。


「確か名前はハヤト…だったか?」


「そうです。名前を覚えてくれて嬉しいですよ。」


 ハヤト。確か一番弱かった気がしていたが…。

 そこで俺はハヤトに『状態認識』を掛けた。


個体名:立川隼人   種族名:人族


Lv32


HP :4503/4503

魔気量:1723/1723

知力 :2480

物防 :450

物攻 :372

魔防 :247

魔攻 :847

素早さ:4583


 取得能力

・希少能力

『忍者』『魔気感知』『魔気操作』


・普通能力

『素早さ上昇Lv4』『HP上昇Lv7』『火耐性Lv5』『水耐性Lv3』『土耐性Lv4』『道具操作Lv7』『隠密Lv6』『剣の才能Lv3』『闇(中級)魔法Lv8』『火(中級)魔法Lv2』『疾風』


 種族特性

・なし


 どうやらそれは俺の気のせいだったらしい。ステータスだけで全てを悟れる訳ではないが、こいつは半端じゃない。多分あのケントとか言う奴より上だろう。

 ステータスの特徴としては素早さが異常に早い。素早さ特化って感じなステータスだ。俺よりも数段も早い。

 そして、こいつには魔法がある。こんなにも素早い相手が魔法を逃げながら撃たれたら一溜りもない。

 魔法に中級とあるが、どういう事なのか世界認識さんに聞いた。


《この世界の魔法は『初級』『中級』『上級』そして、『最上級』のランクに別れてます。この世界の基準だと中級魔法を使えると常識外の強さと言われており、中級魔法のLv後半になってくると、英雄の域に達するとされています。》


 なるほど。つまりは中級でも強いってことか。

 要約するのが下手って?俺に語彙力を求められても困るんだが!元はただの一般人だし。

 それは置いといて…。相手は魔法系統の使い手なんだろう。

 思考加速上昇を使い考え事していたが、相手が動く気配がしたのでそっちに意識を向ける。


「お手並み拝見と行きますか!」


 それが戦いの合図だった。ハヤトはこちらへ物凄いスピードで向かってきた。思考速度上昇を50倍に設定してもなおスピードは捉えるのが精一杯だ。だが、直線だったら簡単に対処出来る!

 そう思ってた時期が俺にもありました…。

 攻撃を避け、膝蹴りをかました。しかし、当たった感触もなく空を切った。

 俺は何が起こったのかすぐ分からなかったが、すぐにそれはフェイクで、まんまと相手の罠に引っかかったのが分かった。

 俺の周りから無数のクナイが飛んできた。

 クナイ!忍者といえばクナイだよな!

 そう、余裕を持ってクナイに対処する。クナイは余裕で避けられた。それも不自然な程に。それに疑問を抱いていたのが幸いだった。

 クナイを避け終えた後、すぐさまジャンプした。

 すると、そこには無数の岩のトゲが。あそこに居たら死ぬことは無かっただろうが、負傷をしていただろう。


「それを避けますか。なかなかですね。」


 笑いながら俺を賞賛する。

 ちっ。戦闘中だってのによ。

 だが、こいつの戦術は凄いものだ。実戦経験を積んでいることがよく分かる。対人の実戦経験が。

 やはり、ケント達よりこいつの方がはるかに強い。なのに何故あんな奴にしたがってるのか。

 それはどうでもいいな。

 ちなみに、妹は亜空間に置いている。

 亜空間とは何?って?

 ふふふ。さっき覚えた『空間支配』の最も高度な技で亜空間を作れるっていう技があるんだ!

 それさえあればどんなものでも亜空間にしまえるという、言うなれば青いたぬきの四次元ポケットと一緒だ!

 そんな所に放っておいていいのか能力封印されたらヤバいのではないのかと思うだろうが、そこは抜かりなく対策してる!世界認識さんが!

 とまぁ、そういうことで俺は遠慮なくドンパチやれるってことだ。

 さて、状況説明は終わりだ。ここから、どうするかを考えようかじゃないか。

 やはり、一番厄介なのは、あいつのスピードだ。スピードに翻弄されるというのもあるが、何より俺の攻撃が当たらない。

 一番最初に空気の弾丸を撃ったが、避けられてしまった。俺がわざわざ攻撃しますよっと言ってしまったのもあるが…。


《それが原因の8割は占めていると言えるでしょう。》


 わざわざ言わないの!

 まぁそのせいもあるが、その残りの2割があいつの持つスキル『疾風』だ。疾風の能力は素早さの底上げと、5割の確率でどんな攻撃も避けるというスキルだ。

 5割。つまり半分の確率で避けれるということだ。

 チートだろそれ!え?お前の『賢王』の方がチートって?そーですね。それは言えてます…。

 一人ツッコミはいいとして、それが厄介だ-。


「考え事ですか?」


 俺は脳内会議を開く時、常に思考速度上昇をフルに使っている。そのおかげであいつが動き始めるのが分かった。

 それでも、その速さは落ちることなく俺に向かってくる。そのままハヤトがいつの間に持っていたのか剣を振ってそのまま俺に…。

 当たることは無かった。

 俺はハヤトから10m離れた所に立っていた。

 瞬間移動を使ったからである。

 前は『空間認識』と『狼王』の『高速移動』の併用でしか出来なかったが、『空間支配』へと進化してから、割と簡単に出来るようになった。ただ、世界認識さんが居なかったら発動すら出来ないのだが。

 決定打にかける向こうと、攻撃すら当たらない俺。その戦いは長い時間がかかることを示唆していた。


――――――


 さて。目の前の化け物はどうしましょうか。あいつの攻撃は避けられますがね。

 私の必殺コンボを避けられるとは。それに危機管理能力も高く、二重三重の罠を避けられる。

 こいつを放っておいて置いたら、間違いなく私達の驚異となるに違いありません。

 密かに、鑑定できる道具で鑑定しましたが、まさか上級魔族とは。

 しかし、まだレベルも幼く、上級魔族になりたてだろうと推測できますが、それでも油断は禁物です。

 何しろ、成体の上級魔族は一人で国ひとつ滅ぼすほどの力を持ってるとされています。

 今、魔王軍は均衡を保っているはずですが、なぜこのような所にいるのか不明です。道に迷ったなどの推測要素はありますがどれもこれだ、というものは無いです。

 雑念はここらに置いといて、この化け物をどうやって倒しましょう。

 ケント達は、転移結晶を使ってラリア王国へと送りました。私も帰れたのですが、ここでこれを野放しにするのは危険でしたからね。

 乗り気では無いのですが、切り札を使う時ですかね。

 向こうから仕掛ける気は無さそうですので、私から行きましょう。

 まずは、全力でスピードを上げます。

 これには対応出来ないでしょう。そこからクナイを投げます。

 避けられましたが想定内です。そこへ『土魔法(中級)』でレベル2の、『大地の剣』で串刺しにする!

 しかし、それも避けられますが、想定通り。

 『闇魔法(中級)』の中で私が使える一番威力の高い魔法。『暗黒の矢』を放つ。

 この世界でも数少ない魔法同時詠唱!

 私がこの世界に来て、壁に当たったことは無かったのですが、魔法同時詠唱は、苦戦しました。

 ですが、1年掛けてやっと出来るようになりました。

 ただ、『忍者』の効果で闇魔法が得意になるという効果や、私に適している魔法が闇魔法ということで、同時詠唱出来るのは闇魔法しかないのですが…。

 私の事情はどうでもいいですが、さてあれを食らって無事だったものはいません。

 我らが将、シルバー様にも褒めてくださいましたし。ケント達はシルバー様を嫌っているようですが、私はそうでも無いです。逆に好きまであります。

 こちらに召喚され不安だった我々を導いてくださいました。シルバー様は短気で分かりにくいとこがありますが、部下を大切に思う方です。

 おっと。またもや話が逸れてしまいました。

 煙が晴れて、人影が見えます。そのシルエットは立ち姿でした。

 ちっ。予想はしていましたが倒すまでは行きませんでしたか。HPがとてつもなく高かったからですね。

 ですが、ずっと続けていたらいづれかは倒れる。それがどれだけ小さくても、です。

 さぁ、続きを始めましょう。


「えっ?」


 あっという間だった。

 私の目の前には私の下半身にあるはずの足が宙に舞っていた。



ーーーーーーーーーー



 さっきから全然攻撃が当たらん!

 当たらんったら当たらん!当たらんー!

 はぁはぁ…。

 ちょーーーーーっとだけ冷静さを欠いたがそれほど攻撃が当たらんのだ。

 あいつが避けるのが上手い。当たった!って思ったら全然当たらんし。

 まぁ、こっちも避けるけどね。

 相手が避けるのと同じように俺もあいつの攻撃を避けている。そうやって今までやってきて、もう10分くらいだ。長ぇよ!


《正確には9分47秒です。》


 細かいとこまでありがとよ!

 けど、惜しかったな。

 そんなことはどうでもよくて、この素早さをどうしようかな。

 俺が倒されることは無いけど、鬱陶しいし。

 顔の周りを飛んでいるハエ的な?

 そういう訳でそろそろ終わりたいので本格的に潰す方法を考える。

 世界認識さんが!

 いつもありがとうございます!


《…では、『空間支配』による、空間断絶を使うのはどうでしょうか。》


 ふむ。空間断絶とは、文字通り空間を切り裂くという恐ろしい技だ。

 でも、これも避けられそうだし、あいつ死ぬんじゃないのか?


《空間断絶は、気配を感じとれないと回避不能の強力な技です。個体名ハヤトはそのスキルを持っていないと鑑定できました。死なない程度に足を攻撃したら大丈夫だと思います。》


 改めて思うけど、世界認識さんがすげー。

 相手のスキルを見て適切な攻撃をする。チート過ぎるんだけど。絶対相手にしたくないね!

 相手する人は可哀想だ。

 世界認識さんを頼らずにハヤトの攻撃を頼る俺も凄いけど!

 それに足を攻撃か。確かにそれならあいつも死なないだろうし、自慢の素早さを封じ込めれる。

 そうしよう。

 そして、俺は空間断絶を使った。

 一瞬だった。

 目の前で不敵に微笑むハヤトの足が吹っ飛んだ。俺達の間をハヤトの足が舞う。


「アアアアアアアアアアアアァァァァ!」


 地面に落ちた直後痛みを思い出したかのようにハヤトが叫ぶ。

 それはこの世の者が出せるとは思えないような悲鳴だった。


「なっ…。」


 俺は驚きのあまり呆然としていた。

 ハヤトの足は綺麗に切断されていて、血の一切も出ていなかった。

 俺はその光景を見て、対して心を傷んで無いことに気付いていた。


(悪いかもしれないが、こいつから手を出したしな。)


 顔を変えない俺を見てそいつは焦ったように顔色を青ざめさせる。


「化け物めッ!!」


 さっきまでのクールさはどこへ行ったのか途端に叫び始めた。

 耳障りだ。

 というか、俺何でこいつと戦ってんだっけ?

 こいつが仕掛けてきたからか。

 情報を吐き出させるか。


「何で俺を狙う?本当に魔気を感じたからだけか?」


 ハヤトの顔を間近で見て問い詰める。

 アニメとかでもこういう時はこんな感じだったし。

 すると、ハヤトは肩をガタガタ震わせ始めた。


(あー。壊れちゃったかな〜?)


 そう思っていたが背後から世界認識さんが常時展開している探知に引っかかった。


(これは、転移?)


 すぐさま後ろへジャンプした。

 そこには1本の剣が刺さっていた。

 …この前からこんな展開多くない?


「ハヤト大丈夫か?」


 そこへやってきたのはハヤト達と同年代っぽい見た目をした、人だった。

 人は人だろうって?

 人は人なんだけど良い言い方がなかったんだよ!

 そいつは俺を無視してハヤトになにかを飲ませていた。

 あれはポーションか?

 とにかく、ハヤトの無力化に成功した訳だが、また問題事が来たようだ。

 はぁー。俺の運どこいった?

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