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俺と集合場所と

 指定された集合場所へ向かう。

 なんてことのない普通の一軒家。

 立地的には花火はしっかりと見えそうだ。


 「アンタ遅い」


 俺たちを見つけるなり夏海は文句を垂れる。

 そんな遅刻したかと思ってスマホで時間を確認するが別に遅刻なんかしていない。

 なんなら5分前に到着している。5分前行動できちゃうとか偉すぎるね。


 「でも、5分前に着いているから良いじゃない」


 一緒に来た雪は援護してくれる。多分。

 いや。どうなんだろう。自分のためとしか思っていないような気がする。


 「それはそうかも」


 夏海はたじろいですぐに戦うのをやめる。

 まぁ、雪は怖いしな。仕方ないよね。


 「てか……なんで雪とゆーくんが一緒にいるし! もしかして一緒に回ってたの?」


 「そうね。あれはある意味一緒に回ってたとも言えるかもしれないわね」


 桜花や楓、夏海達とは違う祭りの楽しみ方をしたいたような気もするが雪がそういうのであれば俺は何も言わない。

 変に首突っ込んだら何言われるか分からないからね。


 「楓ちゃんを捨てておいて他の女の子と一緒に回ってたなんて裕貴やるね」


 「いや、お前に関しては自分から逃げただろ」


 「まぁ……そうとも言えないことないかな」


 楓は恥ずかしそうに頬をポリポリ掻く。

 あれ触れられたくないなら自分から話題引っ張ってくるなよ。明らかな自爆だったな……もしかしてこれも全て計算だと言うのか……あざとい。あざとすぎる!


 「そんなこと言っているあなた達だって鎌ヶ谷くんとお祭り回っていたじゃない。そんな仰天長嘆することでもないと思うのだけれど」


 「ぎょ、ぎょうざ……」


 「仰天長嘆よ。まぁ、そうね。簡単に言えば嘆くってことかしら」


 「嘆くってのは悲しく思うとかそういう感じ――」

 「楓……流石にあたしでも嘆くぐらいは分かるし。餃子長嘆は分からなかったけれど」


 「仰天長嘆よ」


 「てか、なんで雪は私たちがアイツと一緒に回ってたことしってるわけ? 言ったりしてないんだけど」


 知らぬうちに立ち直っていた夏海がまた雪に食らいつく。

 果敢に立ち向かう姿は虐げられるのが好きな犬のように見える。犬って人間の手のひらで転がされすぎだろ。猫は猫でアイツら俺らのこと下に思ってそうだからどっちもどっちだけどな。


 「そ、それは……」


 雪は雪で狼狽える。

 思ってもいなかった攻撃をくらったからなのか、それとも予想していなかった方向から攻撃をくらったからなのかは分からない。

 だが、珍しく言葉を詰まらせている。

 さっき美咲を言葉の暴力でボコボコにしていた人物と同一人物だとは思えない。


 「色々あったのよ。何とは言わないけれど色々あったの。それよりも……由梨さんはどこに行ったのかしら。集合場所を指定した本人が来ていないみたいだけれど」


 雪はサラッと話題を転換する。

 幼馴染たちは「あ。確かに」と雪を追求することなく素直に乗っかった。

 チョロすぎ。コイツらマジでチョロいな。将来変な詐欺とか引っかかりそう。

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― 新着の感想 ―
[一言] おや、実はずっと見ていたのですか。デレないと思ったら、実はやっぱりツンデレ?
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