俺と気持ちと
甘ったるい空間から解放され時々臭ってくるタバコを嫌悪する。
駅とビルのすきま風が冷たくとても温く気持ち悪くて鳥肌がドバっと立つ。
もうゴールデンウィークも過ぎて梅雨に差し掛かってもおかしくない時期ではあるのでこの気持ち悪さはある意味正常だ。
俺は撮ったチェキを夏海と撮ったプリクラと一緒の生徒手帳に挟む。
財布にぶち込むか迷いはしたがバラバラにしまっても無くすだけなので一つにまとめておくことにした。
隣に居る悟は桜花とチェキを撮って満足したようでにやにやしながら手に持っているチェキを眺めている。
「お前桜花好きなのか?」
「んー。付き合えるなら付き合うけど」
そんなモテるが故なセリフを前置きとして放ちつつ頭を掻きながら空を見上げて口を開く。
「同級生のメイドとチェキ撮れるなんてそうそうないから」
物凄いキメ顔でそんなことを口走っている。
シチュエーションが感動映画のそれで思わず涙を誘われそうになったがセリフがただのオタクすぎて引き戻される。
「桜花がってより同級生ってブランドに興奮してんのか」
「あぁ……まぁそんな感じだな」
女子高生というブランドに興奮するだけなおじさんに通ずるものがある。
一言にまとめれば気持ち悪い。それに尽きるだろう。
「なんだ……その今日はありがとうな」
「あ? なんだ改めて」
悟は足を止めニヤつきながらチェキを見ながら訊ねてくる。
俺の顔なんて一切見ない。
普通こういう時って面と面向かって話すよね。なんでチェキ見るついで扱いされてるの? 酷くない?
だが、真剣な眼差しで聞かれてもそれはそれで気恥ずかしくなってしまうのでもしかしたらこれがある意味正解なのかもしれない。
とりあえず軽く咳払いをして絡まった気持ちをリセットした後に話す。
「メイド喫茶に連れてきてくれて。多分悟が居なきゃ来なかったし桜花が居るのも分からなかったから」
「良いってことよ。大体誘ったの俺だしな」
「それもそうだな」
「それでさ……旭さんのこと紹介してくれる気になった?」
ニヤッとしながら訊ねてくる。
「しねぇーよ。自分でぶつかれ」
「やだよ。砕けちまうもん……じゃ、俺はここだから」
「おうよ」
片手を上げて駅に向かう悟を見送る。
メイド喫茶というオタクだらけの世界へ足を運び俺の価値観自体も少しだけ変わったような気がする。
まぁ、具体的に何が変わったのかと言われれば分からないんだけれどね。
それでも何かが変わったかがする。そう俺の気持ちの何かが。
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