親友と親友の親友
全ては丸く収まった。
イジメの中心核であった人物が楓をいじめなくなったおかげで周りもやめたらしい。
誰かがいじめるからその人が悪く見え更にイジメは蔓延していく。
逆に捉えてしまえばその中心核さえ補足してしまえばそれは次第に収まっていくのだ。
だから今回も上手いこといった。
正確にはまだ終わってはいない。これは表の戦争が終わっただけでありまだ裏では所々時代に取り残された人物達がいる。
そしてその人たちは裏で悪口を言い続け、自分だけが取り残されたと気付いた時には今度は自分がいじめられる立場になってしまう。
女子に限った話ではなく俺たち子供は小中高とそういういじめいじめられというシーソーゲームの中生きている。
社会人のいじめがどうのこうのといようなニュースも聞いたことがあるのでもしかしたら子供に限った話では無いのかもしれないが俺はそこまで把握出来ていない。だから知らないしそもそも知りたくもない。
「悟! 僕にモテる極意を教えてくれ!」
「そんなこと言われたって知らないし、大体涼太の方がモテてるでしょ」
「俺は万人にモテたくて生きてるんじゃない。楓ちゃんという1人の女性に好かれたくて生きてるんだよ」
「んな事言われたって」
「人生って上手くいかないもんでさ、いくらモテモテでも本当に好きになって欲しい人には好きになって貰えないんだよ。これはきっと僕に与えられた試練だと思うんだ」
「そう。なんでも良いけれど俺より裕貴の方が色々教えてくれると思うけどな」
「確かにそれはそうだけれど、その手段を使ったら僕はまた彼を使い回してしまう気がする。だから僕は彼を頼らない」
「ふーん」
たまたま野球部のグラウンド近くを通ると二人の会話が聞こえてきた。
悟は投手用グローブを持ちながら、涼太はキャッチャー防具を身につけながら会話していたのでバッテリーらしく配球云々の話をしているものだと思っていたのでただの恋バナで困惑してしまう。
だが、楓に振られたことにより涼太という人物の中身が少し変わったような気がする。
自分に自信しかなく何事も自分であれば成し遂げることができると疑っていない自意識過剰から努力をすれば必ず報われると思う根性バカへと変化した。
努力は必ず報われると本気で思っているあたりまだダメだなと思いつつそれでも着実に楓の隣に立つ相応しい人間になっている。
なんだか父親の気分になっているがそれだけ楓とは共に過してしきたのだ。
少しぐらいはそんな気持ちになるのも許してもらいたい。
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