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俺と作戦と

 楓との約束を取り付けたがまだ仕事は終わっていない。

 むしろここまでは成功すること前提のお話だ。

 問題はここから。正直成功確率が高いとは思えない。

 じゃあ他になにか良い案があるのかと言われれば分からない。少なくとも俺には思いつかないし、思いついても実行に移せるものは限られてしまっている。


 「だから……どんな手を使ってでも成功させなきゃいけない。色んな人を巻き込んだ最初で最後のチャレンジ……」


 俺のしたいことはただ1つ。

 あの紗英とかいうケバい女子と優香っていうコバンザメみたいにリーダーの周りにくっつくことしか出来ない女子を教室に呼び出す。ただそれだけだ。

 言葉にすれば非常に簡単だが何せ俺にはあの人たちと接点がない。

 仮に直接話して呼び出そうとしたって怪しまれてボコボコにされるのがオチだ。

 そもそも知らない陽キャに話しかけるとか俺がやる前に失神してしまう。


 だが、興味心を煽らせることが出来れば話は別だ。

 興味心を煽らせてしかも対面すらしなくても良い画期的な方法がある。

 それは下駄箱に手紙を入れるというアナログな方法だ。


 『僕は君に話さなければならないことがある。部活を遅刻してまで言わなければならない大切なことなんだ。きっと僕にとっても君にとっても大きく人生が変わることになる大切なこと……だから教室で待っていてくれると嬉しいな。クラスの人達にバレないよう僕は一旦教室を出てから戻るから……待っていて欲しい。By涼太』


 アイツのことを詳しくはしらないがどうせこのぐらいの臭いセリフは言っているはずだ。

 とにかく涼太を装った手紙を下駄箱に投函すれば対面せずに教室へと誘導出来る。

 なんて素晴らしい作戦なのだろうか。こんな作戦を思い浮かんでしまう自分が天才すぎて怖い。


 周りに誰もいないとは思うが再度しっかり確認する。

 こんな所で女子の下駄箱を弄っていたとバレたら、イジメをしていたと思われても、ラブレターを入れようとしていたと思われても、女の子の上履きを盗もうとしている変態だと思われたしても学校内での人権を剥奪されるのは間違いない。


 「余計な犠牲者はいらない」


 サッと素早く手紙を下駄箱にぶちこみ扉を閉めて何事も無かったかのようにそーっとその場から立ち去る。

 あまりこの場でうろちょろしていても怪しまれるのがオチだ。

 どうせ明日の朝に気付く。それに仮に朝気付かなくても放課後にもチャンスはあるし、その次の日の朝だってチャンスはある。

 1度スルーされた時でも軽く見積って、明後日まで2回もチャンスはあるのだ。

 だから大丈夫。


 こうして俺の『イジメっ子逆襲大作戦!』はスタートラインに立った。

いつもありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!

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