俺と振られてから始まる青春ラブコメ
「それじゃあ私はマイクだけ渡して退散しますーっ」
美咲はそれだけ言うと彼女にマイクを渡して颯爽と舞台裏へ下がった。
彼女はマイクを受け取ると「あー、あー」と音量をチェックして大丈夫なのを確認すると気恥しそうに髪の毛をくるくるさせる。
「あのね」
「おう……」
「シークレットであたしも出ることになってたんだよ?」
「今更言われてもな……もうこの状況じゃあうんそうだねとしか言えないな」
桜花はむーっと口を膨らませる。
「それで何するの?」
「そんなの1つしかないし!」
「お笑いライブ?」
「打ち合わせなしに出来るわけないから!」
桜花は大きく息を吸い、溜めに溜めて全てを放出するように吐く。
「ゆーくん。あたしね。ゆーくんのこと好きなの。ずっと。ずっと。みっちゃんとゆーくんが付き合う前から好きだった。正直みっちゃんと別れたって聞いた時嬉しかった。こんな最低なあたしと付き合って欲しい」
覚悟を決めたからなのか頬は赤くない。
その代わりに真剣な眼差しが俺の目の前にはあった。
もちろん答えは決まっている。
「俺からも――」
「旭さぁぁぁぁぁぁぁん! 俺旭さんが好きだァァァ!」
俺の言葉を遮るように生徒席から声が聞こえる。
「俺は君が好きだァァァァ」
悟だ。
悟が大声で叫ぶ。
桜花は少し狼狽えたがすぐにペースを取り戻す。
「私はゆーくんが好き。ゆーくんに彼女が出来ても気持ちは変わらなかったから多分これからも変わらない……変えられないと思う。だからごめんなさい。ゆーくんしか目にないから」
桜花はニコッと微笑む。
「俺は……いや、俺も好きだ。その……付き合って欲しい」
「はい」
改めて告白し桜花は返事をしたのと同時に俺の唇を奪う。
ファーストキスではない。
しかし甘酸っぱさの残るキス。
生徒側からは「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」という汚い雄叫びが上がる。
これからどうなるかなんて俺には分からない。
美咲と付き合う時だってこの子と俺は結婚するんだと思っていたし、今だって俺は桜花と結婚するんだと思っている。
思ったように動かないのが人生なのだ。
この後、幼馴染達にはどう対応するか、親にはなんて言おうか。
頭の中はごちゃごちゃしまくる。
それでも、今は目の前の彼女を大切にすることだけを考えよう。
「これからもよろしくな」
「うん! ゆーくんっ!」
俺が振られたから始まった恋……そう、それはまさに振られてから始まる青春ラブコメ。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
最後駆け足になった上に粗末なまま終わらせてしまうのが心苦しかったのですがこのまま執筆続ける方が失礼かなと思い区切らせて頂きました。
本当にここまで読んでくださった方、感想をくださった方、評価やブックマークをつけてくださった方、皆さんに支えられてここまで走ることが出来ました。ありがとうございました。
2つだけ宣伝を挟ませてください。
1.Twitter開設しました。『@urushidaa』です。
いつか作ろうとは思ってたのですがここがキリ良いかなと思い作りました。フォロバしますので是非よろしくお願いします。
2.そのうち新しい作品を書きます。ラブコメだと思います。きっと……
今回の反省を活かしてしっかりとプロットやキャラ設定等深く計画立てて執筆しようと思いますのでまたお付き合いいただけると嬉しいです。
最後に、こんな誤字脱字の多い作品でしたがお付き合い頂きありがとうございました。
せめてヒロインだけでも最後まで綺麗にしてあげたいという気持ちはあるので後日談的な感じで何話かアップするかもしれません。
その時はまたよろしくお願いします。