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俺とバカップル?

 適当に写真を撮り適当に練り歩く。

 去年は隣に美咲を置いて文化祭を楽しみ今年は夏海を置いて楽しむ。

 彼女らには申し訳ないがかわいい女の子と歩いているという優越感がある。


 「あー。裕貴! こっちー! こっちだよー!」


 ジャンプしながらあざとくアピールしてるのは楓だ。

 声が大きすぎて周りからの視線が痛い。

 夏海は何かを察したのか俺の元から少しずつ離れ関係ないですよというような雰囲気をプンプン醸し出す。

 捨てられた……捨てられましたっ!


 「桜花じゃないんだから外で大声出すのやめろ。バカップルだと思われるだろ」


 「えー。良いじゃん。仲良しバカップル! 私は別に見られても良いよ?」


 「馬鹿言え。お前みたいに可愛いやつと居るとなただでさえアイツが彼氏かよって文句言われるんだぞ。それなのにバカップルみたいなことしてたら俺が刺されちまう」


 「んー。もしかして裕貴私の事好き?」


 「言ってる側からバカップルみたいなことすんなよ。俺マジで殺されちゃう」


 「むーっ」


 楓は不機嫌だということをアピールするようにプクッと頬を膨らませる。


 「ちょっとアンタたち何してんの? こんな外でどうどうとイチャイチャして」


 「待て待て俺悪くないだろ。完全に貰い事故だから」


 「アンタも楓に近寄られて鼻の下伸ばしてたから同罪! そこで切腹するか切腹するか選んで」


 「あー。嫉妬?」


 「違うから……」


 ギロっと楓を睨みつけたあとコホンとジジイみたいな咳払いをしてまた口を開く。


 「アンタは何してるわけ? そんな幽霊みたいな格好なんかして。演劇?」


 「違うから。私のクラスお化け屋敷やってるじゃん? それで驚かすための変装!」


 楓は全身を見せるようにクルンと身体を華麗に回転させる。

 遠心力で神聖な布が見えそうだったがギリギリ見えない。

 神様はなぜこういう時に味方してくれないのだろう。

 立ち上がれいざ見せろ! 燃える男の魂!


 「どう? 似合うでしょ?」


 楓は「えへへ」と笑いながらスカートの裾をピラピラさせる。


 「女子としての自覚ないわけ?」


 「でも男の人ってこういうのが好きって言うでしょ? ほらっ! ほらっ!」


 楓は夏海のスカートをめくろうとし、夏海が素早く楓の腕を捕まえる。


 「私のスカートよりお化け屋敷の方連れていきなさいよ」


 「えー。まだ遊び足りないんだけど」


 「いや……仕事中でしょ? 遊び足りたいじゃなくて遊んでること自体が間違ってるんだからね?」


 夏海は火の玉ストレートをぶちこんで楓は不服そうにしながらも案内を始めてくれた。

 せっかくなので楓が先頭を歩くその光景を写真に収めておく。

 そこそこ良い絵が撮れて個人的には満足だ。

 広報に使えるかは分からないけどね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 仕事より趣味が優先。まあ普通そんなもの。
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