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俺と関係

 「裕貴〜! 夏海ちゃん! ご飯出来たよ〜」


 お母さんが大声で呼ぶ。

 スマホで時間を確認するともう18時を過ぎていた。

 夏海の話を聞いていたらいつの間にか時間が経っていたらしい。


 「あーい! 今行くよ」


 一段落話が着いていたので俺は母にそう返事をし、リビングに向かって夏海と夕飯を食べた。


◇◇◇


 日を跨ぐ。

 今日も眠気と6時間戦い無事に勝利した。

 担任の号令と共に俺たちは解放される。


 「裕貴〜! お前野球やるか?」


 「お前は女子か。チャイムがなって直ぐにこっち来るのやめろ。目立つんだよ」


 「あぁー? そんな細かいこと良いだろ〜。それよりもさー、野球だよ。野球! 野球しようぜ。今ならなんとベンチ確約!」


 「レギュラー確約してから来い」


 悟は1人でバットを持たずにエアー素振りをしながら項垂れる。

 大体素人に野球部入ろうぜと持ちかけてくるとかどんな畜生だよ。


 「えーっ。裕貴は帰宅部なんだしなんか部活やれよー」


 「やらねぇーよ。そんなめんどいの」


 悟とそんな中身のない会話のキャッチボールをしていると俺の肩がポンポンと叩かれる。

 そっちの方に目をやると顔を真っ赤にしている夏海が立っていた。


 「迎えに来た」


 今までの夏海だったら「アンタさ。遅すぎでしょ。女子待たせるとか正気? 頭大丈夫?」と死体蹴りしてくる所だ。

 なのに照れてそんなこと言ってくれるとか……これが、これがツンデレってやつだな!

 心臓がゾクゾクしてきちゃう。


 「あー……じゃっ、俺部活行ってくるから」


 悟は何かを察した様子でバットと荷物を持つなり走ってその場から立ち去る。

 明らかに誤解しているがその方が俺たちにとっても好都合だ。

 身内という名の親友すら騙せているのだから関わりのない人達なら確実に付き合っていると勘違いするだろう。


 「一緒に帰れば良いだけだよな?」


 「うん。でも、手とか繋いで欲しい。出来るだけカップル感アピールしたい」


 俺は席から立つと夏海の手を取り指を絡ませ歩き出す。

 夏海の体温が直接俺の身体に伝わって変な気持ちになる。

 こうやって女子と手を繋ぐのは初めてじゃないしむしろ美咲とそれ以上のことをしているので童貞みたいに緊張しないと思っていたけど……現実は厳しいもので心臓が張り裂けそうになるぐらいドキドキしてしまう。


 「……夏海は良いのか? 俺と手なんて繋いで。いくらごっこだったとしても嫌なものは嫌だろ?」


 恥ずかしさを紛らわすために適当な会話で間を繋ぐ。

 こうでもしていないと恥ずかしさで死にそうだった。


 「仮に思ってても口には出せないよ。だってこっちから頼んでるのだし」


 夏海の握力は気持ち強くなる。

 遂に彼女もそういう気遣いが出来るようになったのかと謎の親目線で感動してしまう。


 「……アンタ今物凄く失礼なこと考えてたでしょ。今私アンタの手を握ってるの。どうなるか分かるよね?」


 夏海はイタズラな笑みを浮かべる。

 俺の本能がとりあえず謝れと叫ぶ。


 「ひぃぃ。すみませんでした」


 なんだかんだニコニコしながら2人で手を繋ぎ帰宅した。

いつもありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!!!

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